- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047040236
作品紹介・あらすじ
虐待、無関心、溺愛、夫婦不仲…。親の愛情不足や歪んだ愛情が子供を追い詰め、時には病を引き起こす。小児科医療現場からのレポート。
感想・レビュー・書評
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小児科医である筆者の体験を通した、愛情遮断症候群の入門書、もしくは子育て中のお母さんたちへの応援書。
前半の内容は、臨床の中で出会った、さまざまな愛情遮断症候群の実像を平易な口調で具体的に挙げてあり、大変読みやすく、参考になる。どういった視点でいれば、親からのストレスで子どもが病んでいるか、ある程度察知することもできるようになりそうだ。
後半は筆者の生い立ちと、子育ての記録。もちろん「愛情遮断」というテーマに収束されるように書かれているが、愛情遮断症候群を掘り下げる方向を期待していた分だけ、読みごたえに劣る印象を受けた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の温かな眼差しが感じられ、じんわりと一文一文が胸に染みた。ただ、タイトルにもなっている愛情遮断症候群については深く知ることが出来なかったので、その点だけが残念。
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[ 内容 ]
虐待、無関心、溺愛、夫婦不仲…。
親の愛情不足や歪んだ愛情が子供を追い詰め、時には病を引き起こす。
小児科医療現場からのレポート。
[ 目次 ]
第1章 親の愛情を求める子供たち
第2章 親にストレスをかけられる子供たち
第3章 両親の愛情に育まれて
第4章 子供が私に教えてくれたこと
第5章 I Love You
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
女性の小児科医が著者。母親からの愛情を感じられないことが、子供の身長の伸びを抑えてしまうまでになったケースなどを使い、「愛情遮断症候群」を紹介している。
目新しい題名だったので、他者からの愛情を正しく受け取れない人を表現した症候群なのかと思って手にとってみたが残念ながら思い違いだった。
後半はほとんど著者自身の経験談なので、特に誰かの子育て経験談を読みたい場合以外は読む必要がなさそう。
誰かに優しくしたり親切にしたりするとき、相手が喜ぶだろうと思ったが結果がそうならないことは少なくない。
その原因が「する側」にあるのか「される側」にあるのかはっきりさせたいと思うことは大人同士でもしばしばおきうることだと思う。親子の間でのすれ違いがこうした「症候群」として病気にまで発展するケースが増えないように、祈りたい。
2008.2.21 -
以前から読みたかった本なんですが、やっと購入。<BR><BR>
小児科医である筆者は心理の方面では決してプロではないということですが、医師として子供やその母親・
父親に関わる中で経験した出来事が、専門家の理論よりもリアルで、胸が痛みます。<BR><BR>
書名の『愛情遮断症候群』という病気は実際に存在し、「親からの母性愛や感情などが阻害されたり、不足されたりすることで、ホルモン分泌が正常に機能しなくなるなどして、行動の障害や無欲状態になるとともに成長障害が認められるもの」という定義だそうです。(本文より引用)<BR><BR>
筆者自身の子育て歴は8年で、まだまだ半人前というのですから、未婚の私が子育てについて・親子関係について
語るのは僭越以外のなにものでもないと思うのですが、無関係なことでもないと思うのです。<BR><BR>
大学で、家族・親族法の勉強をしていると、養子縁組や婚姻問題、はては人工生殖児問題まで、親子関係にまつわる話には事欠きません。そして、他の授業と違い、同じような法に触れる罪であっても、家族の問題がいちばん心に重くのしかかってくるのではないか、と学生半年目にして感じています。<BR><BR>
本書では、何件もの問題を抱えた親子のケースが紹介されているのですが、どれも傍目には問題が明らかでも、第三者が立ち入ることが何よりも難しい話ばかりなのです。
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「癒し」と言う言葉が殊更取り上げられる昨今ですが、今、家庭は癒しの場にならないのかもしれません。<BR>
ストレスは子供も、親も、家族そのものを押しつぶそうとしているようです。<BR>
子供を甘やかすことの問題が取り上げられる反面、愛されない・虐げられる子供の存在も確かに社会問題になっているわけで。<BR>
私が子供の頃には一般に聞かれなかった、児童虐待やDVは法律を作り出すまでの問題になっています。(昔は無かった、と言うつもりは無いけれど)<BR>
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学問として法の裁きを与え、世論と言う形で良い親子関係、良い家族のモデルを作ることは容易かもしれません。<BR><BR>
それでも、誰も救われないのではないかと思えたりします。<BR>
今できることはなんだろう、ではなく、私はこれから先に何ができるだろう。そんなことを考えた1冊でした。
(2002年10月18日)