ジャパン・プレゼンテーション: 世界に伝わる広告表現スキル (角川oneテーマ21 C 65)

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047041349

感想・レビュー・書評

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  • ジャパン・プレゼンテーション―世界に伝わる広告表現スキル (角川oneテーマ21 (C-65))

  • 日本発の広告クリエイティブが世界に通用する為には?

    上記の課題に取り組むべき広告クリエイターである著者が自身が体験した世界の壁を実体験を踏まえつつ論じている。

    日本のクリエイティブが何故、海外で通用しないのかが分かるし、

    広告の大事な要素であるビジュアルランゲージ(視覚言語)を説いていて、とてもおもしろい。

    音・映像にもっとこだわるべきだと。

    モノを売ることが広告の役割だけど、
    たしかに、ビジュアルは広告の性質上大切なんだと改めて考えさせられる本でした。

  • ちょっと古い本なんですが、全然そんな感じがしませんでした。ちょっと前まで日本のビッグイベント系には必ずと言っていいほど名前を連ねていたクリエーター・杉山恒太郎。やっぱこういう人は先見の明というか、グローバルな視野と未来を見通せる感覚をもっているんだなぁと。

    広告は職人芸である。
    ・・・日本の広告には線が無い。スキルをきちんと学ばずに時代に合わせることだけで成立すると普遍性は失われる。
    -小沢正光の「プロフェッショナルアイデア」に通じるところがある。小沢さんは個人的な方法論として広告制作を体系化していた。個人的に仕事上でも、クリエータ−の天性でしか広告は作られていない気がする(というかそれでいいとすら思っていた)それでは駄目で、職人芸としてのセオリーを確立するようなことはとても大事だと思う。

    アイデアって思い出すことなんだ。
    アイデアはどこにもないものではなくて、みんなの心の中に共通して潜んでいる欲望とか不安、またひと言で言いたいけれど言えないモヤモヤしたものや、みんなの心の中にあるんだけれど本人も気付いてないもの、時代的にみんなが感じている、なんかかゆいところに手が届かない、みたいなものをうまく見つけたり、言い当てたり、気付かせたりすることです。
    -村上龍の「小説家の仕事は翻訳すること」という言葉に近い。これが出来ることがアイデアであるという意識はクリエーターにもって欲しいものです。決して身勝手な自己表現ではない「作ることより、伝えること」を大切に。

    最後に、筆者の好きな言葉
    矜持と諦観。

    キョウジはプライドというより、自分を信じること。
    テイカンはあきらめというより、自分を知ること。

    ここ数年、自信と謙虚さをいかにバランスを保つかが人生の鍵だと考えていてその感覚をよりいい言葉で感じ取れる。そんな言葉かなと。

    以上、若手のクリエーターにこれを読んで、感じ、行動に移してくれたら・・・(誰やねん(笑))そんなふうに思いました。

  • 日本人は人間とその人の言葉が一体でありすぎる。人間は人間である。言葉は言葉である。好きに生きていけば何とかなる。あとは野となれ山となれ。まずは、フルスイング。自由になるためには、朗らかであること。度胸を決めること。仕事をゲームと考えてやる、しかも、本気でやる。

    ポルシェ、赤いハイヒール、ジャケット、男、女という5種類のカードの組み合わせの順番を変えながら、いくつもストーリーを作る
    ポルシェの意味や、ポルシェで何を語るかをいくらでも変えていける

    ことば、音楽、タレント、シチュエーションのどれかをズラす

    映像言語=ひとつひとつの映像が言葉であると考える。

    ポルシェ、赤いハイヒール、ジャケット、男、女という5種類のカードの組み合わせの順番を変えながら、いくつもストーリーを作る
    ポルシェの意味や、ポルシェで何を語るかをいくらでも変えていける

    世界を規制し、作り上げているのは音である

    映像×音楽 青空+ハワイアン=リゾート
          青空+失恋ソング=悲しい気分
    映像と音楽の組み合わせによって「青空」という素材が新しい意味を持ち、新しい文脈=コンテキストになる

    ことば、音楽、タレント、シチュエーションのどれかをズラす

    物語の構造は、対立、対位、プラスキャラクターの設定と多重性
    対立 黒人と白人、デブとチビ、子供と老人、子供なのに妙に大人、老人のくせに意外に少年、幸福と涙、絶望と笑い、
    +誤解、裏切り、大逆転
    +明確な対立関係を崩す道化、ルール違反が許される自由人=トリックスターの登場 で多重的になる

    コンテンツではなくて、コンテキスト(=インサイト)が重要 
    昔の格言を利用
    It’s no use crying over spilt milk → Don’t worry be happy.
    If a thing’s worth doing, it’s worth doing → Just do it.
    Don’t be a follower, be a leader. → Just say no.(麻薬撲滅キャンペーン)

    denotation(そのもの自体が表している意味) とconnotation(内包された意味)

    認知心理学と行動心理学
    「人は意識し言葉にできる心の動きよりも、気付かない無意識な心の動きに強く依存している」


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著者プロフィール

株式会社ライトパブリシティ 代表取締役社長
大学卒業後、電通入社。クリエーティブ局配属。1999年よりデジタル領域のリーダーをつとめ、インタラクティブ広告の確立に寄与。トラディショナル広告とインタラクティブ広告の両方を熟知した数少ないエグゼクティブクリエーティブ ディレクター。電通 取締役常務執行役員を経て、ライトパブリシティへ移籍、現在に至る。
カンヌ国際広告祭ゴールドほか、国内外の受賞多数。

「2022年 『世界を変えたブランド広告』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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