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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784047041578
作品紹介・あらすじ
日本はなぜ敗れるのか・・・戦時中従軍して捕虜になった体験を持つ日本を代表する評論家が、日本の敗因を徹底的に追及して分析する。その敗因はいまも取り除かれることなくこの国を支配していた・・・。
みんなの感想まとめ
日本の敗因を深く掘り下げ、歴史的な視点から現代に通じる教訓を提示する一冊。著者は、戦中の体験を基に、日本人の特性や思考の癖を鋭く分析し、敗因が物量の差だけでなく、内面的な要因にあることを明らかにしてい...
感想・レビュー・書評
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大蔵省出身で、陸軍専任嘱託となってフィリピンにわたり、そこで敗戦を迎えた、小松真一が残した「虜人日記」をテキストに日本軍の敗因21ヶ条を1つ1つ検証する労作。その内容は衝撃そのものでありました。
「虜人日記」とは、戦後の民主主義の洗礼をうけておらず、戦後の現実に中立の立場で書かれたものであるとしている。
大東亜戦争の日本軍と、西南戦争の敗軍とは驚くほど類似している。そして、西南戦争の教訓を、活かしきれないかったとありました。
衝撃を少し紹介すると、以下のような内容です。
■暴力と秩序
・組織の確立している間はまだしも、一度組織が崩れたら収拾がつかなくなるのは当然だ。兵隊たちは寄るとさわると将校の悪口をいう。ただし人格の優れた将校に対しては決して悪口をいわない。世の中は公平だ。
■自己の絶対化と反日感情
・日本人は一切の対日協力者を、その生命をも保証せず放り出し、あげくの果ては本多氏のように、その人たちに罵詈雑言を加えている。
■性悪説
・日本は余り人命を粗末にするので、終いには上の命令を聞いたら命はないと兵隊が気づいてしまった。
・人の口に食物をとどけることが、社会機構の基本であって、それが逆転して機構のため食物が途絶すれば、その機構は一瞬で崩壊する
・戦友も殺しその肉まで食べるという様なところまで見せつけられた
・負け戦となり困難な生活が続けばどうしても人間本来の性格をだすようになるものか。
目次
第1章 目撃者の記録
第2章 バシー海峡
第3章 実数と員数
第4章 暴力と秩序
第5章 自己の絶対化と反日感情
第6章 厭戦と対立
第7章 「芸」の絶対化と量
第8章 反省
第9章 生物としての人間
第10章 思想的不徹底
第11章 不合理性と合理性
第12章 自由とは何かを意味するのか
あとがきにかえて
ISBN:9784047041578
出版社:KADOKAWA
判型:新書
ページ数:320ページ
定価:781円(本体)
発行年月日:2004年03月
発売日:2004年03月10日詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本研究者であり、陸軍少尉として南方戦線に立っていた著者が戦争の敗因について考察し、その考察からは日本人と言うものが見えてくる。
日本の敗因は、アメリカが圧倒的な物量を持っており、日本が少なかったからではない。
敗因は日本人のなかにこそある。そして、敗因を反省しないので、この日本人としての特性は戦後も全く変わっていないということも指摘している。
例えばその一つ。戦中日本を取り巻いていた「或る力」に拘束され、明言しないことが当然しされてきた。みな、心にもない虚構しか口にしない。これは戦前戦後を通している原則である。
このことは、昨今の自粛という言葉が日本を覆っていることに共通性を見出してしまうのだ。 -
「失敗の本質」と同様に、第二次大戦での日本の敗因を論じた刺激的なタイトルの本書は、雑誌「野性時代」への連載(1975〜76年)が2004年に書籍化されたものです。
山本七平氏の著作を読むのは「空気の研究」以来ですが、とても読み応えがありました。
本書は、ガソリンの代用としてブタノールを製造する技術者としてフィリピンに派遣された、つまり軍人ではないが戦争に参加した小松真一氏の「虜人日記」をもとに、そこで氏が掲げた敗因21カ条について分析が加えられています。
その主なものを見ただけでも、精兵主義の軍隊なのに精兵はいなかったが米軍は未訓練兵でもできる作戦をやってきた、日本の不合理性と米国の合理性、反省力なき事、思想的に徹底したものがなかった、日本は人命を粗末にし米国は大切にした…等々であり、山本氏は、日本は大東亜を治める力も文化もなかったと結論付けます。
特に印象に残った分析は、日本軍には実数ではない員数主義がはびこっていた、秩序は文化ではなく暴力(恐怖心)により保たれていた、個人の持つ武芸(芸)を絶対化し合理化を怠った、非常識な前提を常識として行動した、というような点ですが、半世紀前のこれらの指摘は、未だにわが国に当てはまる部分も多いのでは、と思わざるを得ませんでした。
読んでおくべき名著だと強く思います。 -
太平洋戦争での日本敗戦の教訓について考える人におすすめ。
【概要】
●陸軍専任嘱託として徴用され、ブタノールを製造する技術者としてフィリピンに派遣された小松真一氏が書いた『虜人日記』の敗因21カ条の分析
【感想】
●『虜人日記』には、太平洋戦争のときフィリピンに派遣されていた際のことが書かれている。何の力も顧慮せずに書かれたものであることから、ありのままの内容であるため、読めば有用な教訓が得られるであろう。
●著者が書いた、小松氏の敗因21カ条の分析を読むと、今日の日本社会に通ずる内容が多々あり、なるほど改善されていないと思われる点が多々ある。反省すべきではないだろうか。 -
日本人の本質をあぶり出した素晴らしい本。歴史の勉強にもなる。
・やるだけのことはやった。これらの言葉の中には「あらゆる方法を探求し、可能な方法論の全てを試みた」という意味はない。ただ、ある一方法を一方向に、極限まで繰り返し、その繰り返しのための損害の量と、その損害を克服するため、投じ続けた量と、それを通す投ずるため払った犠牲に自己満足し、それで力を出し切ったとして自己正当化していると言う事だけであろう。
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この本もう何度読み直しただろうか。10年以上も本棚に置いてあり折に触れ読み返している。小松真一著「虜人日記」を紹介しつつ、山本七平氏が解説を加えていく体で構成されているこの本を読めば、日本人というものがどんなものなのか、よくわかる。太平洋戦争末期の状況下における日本人たちの振る舞い。
時折「日本の軍備は実はどこそこの国よりも凄いから、日本人が戦争をしたとして弱くはないのだ」というような物言いを見かけるが、ハード重視ソフト軽視な日本人らしい見方だと思う。この本に示されている「出鱈目な人たち」は、まんま、昨今会社で見るあの人や電車で見掛けるあの人らと、何ら変わらない。今日本が戦争に参戦したとして、どんなことになるのかは、この本を読めば火を見るより明らかだ。
そして戦争に限らず、外交や諸々の政策において、日本のダメさというのは、小松真一氏が敗因二十一ヵ条としてまとめたうちのひとつ「日本文化に普遍性なき為」これが非常に大きいのだと、思わざるを得ない。 -
小松真一氏の虜人日記などの記述から当時の日本の問題を論理的に考えられた作品。
当時の日本軍が悲惨で残酷な状況であったかがよくわかるものだった。いかにアメリカとの戦争が無理なものであったか、いかに杜撰な体制でのぞまれた戦争であったのかが分かるものとなっている。戦争から80年以上たっていて、戦争を体験した人はほとんど居なくなっている今日、戦争の恐ろしさを知れるとても良い本であると感じた。
また、現代にも通ずる問題が色々と書かれていて考えさせられるものだった。自分がまったく意識すらしていなかった問題などもあり、多くのことに気付かされた。この問題はどのように解決したらいいのだろうかと考えながら読むのも楽しかった。
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[評価]
★★★★☆ 星4つ
[感想]
本書は太平洋戦争終盤に軍属の技術者として、フィリピンに渡航し、ジャングル内を逃げ惑い、最終的に米軍の捕虜となった小松真一の体験記を山本七平が抜粋し、その内容についてを思索する内容となっている。
元となった『虜人日記』は捕虜収容所で記述され、著者の死後に公開された著作で著者が戦争中・捕虜収容所での体験をあまり時間を空けずに記録しているため、非常に興味深く、貴重な内容となっている。
その内容は現代日本から見ても非常に考えさせられる内容となっており、最近の米不足と同じような事が置きているのではないかと感じた。 -
虜人日記を下敷きにした冷静な歴史の検証。
時制の峻別。その時代の目撃者の証言か後代の記録か。
我々はまだ「自由な思考」「自由な談話」ができないでいるのか。
戦時中の愚かしさと、それが今なお変わらぬことに、二重に戦慄する。
・予定稿を押し付ける記者となれ合う取材者、世論。これに侵されていない記録としての虜人日記。
◯人びとは危機を叫ぶ声を小耳にはさみつつ、有形無形の組織内の組織に要請された日常業務に忙しい。そしてこの無反応を知ったとき、危機を叫ぶ者はますますその声を大にする。しかし声を大きくすればするほど(略)人びとは耳を傾けなくなる。(略)だがそのとき、だれかが、危機を脱する道はこれしかない、と具体的な脱出路を示し、そしてその道は実に狭く(略)全員の過半数は脱出できまい、といえば、次の瞬間(略)一斉に総毛立って、その道へ殺到する。
◯バジー海峡の「死のベルトコンベア」
→制海権のない海に一坪14人の兵員を満載したボロ船で戦地に送る。戦わず何もせず死ぬ。士気、思考の喪失。
→意図、方法論、組織立ったこともなく場当たり的な対処で結果としてアウシュヴィッツ以上の効率で大量殺人装置となる。
→同一方法、同一方向へとただ繰り返し拡大にのみ終始し、その極限で崩壊。「やるだけのことは、やった」
◯「員数」という架空の数を実数と仮定しての命令だから、はじめから実行不可能。できぬといえば精神が悪いと怒られるので服従するが、実際問題として命令は実行されていない。
◯「相手を自分と同じ人間とは認めない」という立場で発言しており、その立場で相手の非を指摘することで自己を絶対化し、正当化している。
→一方で、ゲリラとの会話により交渉している個人もいた。
◯個人のもつ“芸”であっても、客体化できる“技術”ではない。
◯「それでは、西南戦争の西郷 -
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東浦
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本書は「虜人日記」(フィリピンでアルコールの製造に携わって、敗戦を迎えた小松真一氏の記録)と著者自身の体験をもとに、なぜ日本は太平洋戦争に負けたのか、そして、戦後日本にも受け継がれている日本の弱点は何かを論じている。
「虜人日記」に挙げられている敗因は21か条あり、本書は12章構成となっているが、まとめとして挙げられているのは「日本には自由がない」ということである。つまり、「建前」が「現実」を支配しており、皆がおかしいと思っていてもそれを口に出せないことが、戦前戦後の日本を貫く欠点だと述べられている。 -
日本という国の戦時中から現在に至るまでの体制について冷酷且つ客観的に書かれていると思う。
そして読破後、この国特に政権の進歩の無さを改めて認識することになった。 -
恨み節
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小松真一著「虜人日記」を目にした著者が感銘を受け、自らの体験及び持論に絡めて解説した著作。
南方にて大戦を経験した両氏は、同じことを感じ、同じことを考えているのだが、その考えが戦後日本に活かされていないことを憂えている。一次資料としての「虜人日記」の高い評価と著者の力強い論理的な意見は、説得力があり、まさに正論といえよう。
内容が発散せずに、一人の戦争体験に一点集中的に焦点を当てて詳細に分析・論述しているところがすばらしい。 -
【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)
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殿堂入り名著
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これは自分で買って、何度も読み返そう。
久し振りに心が揺さぶられた。
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