日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)

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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047041578

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『日本人とユダヤ人』で有名な評論家・山本七平は戦時中フィリピンで生死を彷徨い捕虜となった。戦後三十年、かつての敗因と同じ行動パターンが社会の隅々まで覆っていることを危惧した山本七平が、戦争体験を踏まえ冷徹な眼差しで書き綴った日本人への処方箋が本書である。現在、長期の不況に喘ぐ中、イラクへ自衛隊を派遣し、国際的緊張の中に放り込まれた日本は生き残れるのだろうか…?執筆三十年後にして初めて書籍化される、日本人論の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 日本研究者であり、陸軍少尉として南方戦線に立っていた著者が戦争の敗因について考察し、その考察からは日本人と言うものが見えてくる。

    日本の敗因は、アメリカが圧倒的な物量を持っており、日本が少なかったからではない。

    敗因は日本人のなかにこそある。そして、敗因を反省しないので、この日本人としての特性は戦後も全く変わっていないということも指摘している。


    例えばその一つ。戦中日本を取り巻いていた「或る力」に拘束され、明言しないことが当然しされてきた。みな、心にもない虚構しか口にしない。これは戦前戦後を通している原則である。

    このことは、昨今の自粛という言葉が日本を覆っていることに共通性を見出してしまうのだ。

  • 本中にバシー海峡というのが数多く出てくる。 狭い海峡ではあるが、台湾からフィリピンへ陸海軍の将兵を渡す途中でアメリカ軍の潜水艦に輸送船を沈められ、5万人近くが亡くなっている。

  • 殿堂入り名著

  • 日本人の本質をあぶり出した素晴らしい本。歴史の勉強にもなる。

  • これは自分で買って、何度も読み返そう。
    久し振りに心が揺さぶられた。

  • この本もう何度読み直しただろうか。10年以上も本棚に置いてあり折に触れ読み返している。小松真一著「虜人日記」を紹介しつつ、山本七平氏が解説を加えていく体で構成されているこの本を読めば、日本人というものがどんなものなのか、よくわかる。太平洋戦争末期の状況下における日本人たちの振る舞い。
    時折「日本の軍備は実はどこそこの国よりも凄いから、日本人が戦争をしたとして弱くはないのだ」というような物言いを見かけるが、ハード重視ソフト軽視な日本人らしい見方だと思う。この本に示されている「出鱈目な人たち」は、まんま、昨今会社で見るあの人や電車で見掛けるあの人らと、何ら変わらない。今日本が戦争に参戦したとして、どんなことになるのかは、この本を読めば火を見るより明らかだ。
    そして戦争に限らず、外交や諸々の政策において、日本のダメさというのは、小松真一氏が敗因二十一ヵ条としてまとめたうちのひとつ「日本文化に普遍性なき為」これが非常に大きいのだと、思わざるを得ない。

  • 今も、戦前と変わらない日本人の思考様式を再発見することができる。

    ・いきあたりばったりの思考
    ・量だけ増やして同じ方法をやめれない
    ・ネガティブな事実をニュートラルな言葉に置き換えて、真実か目をそらす気質
    ・思想的貴族の、真の貴族の不在。
    ・押し着せられた、思考や組織を採用して、うまくいかなないときにどうにも動けない日本人
    ・芸の絶対化。職人礼賛的な思考様式が、結局は、その職人を成立させている前提条件が変わっても、それを認めようとせずに、それを貫きとうし、最後に崩壊するまで続ける
    ・思想的不徹底さ。。。

    書ききれないが、すべてが現代の日本にも通じている。

  • 第二次世界大戦で、日本はなぜ敗れたのか。戦時中、従軍して捕虜になった体験を持つ評論家が、日本の敗因を徹底的に追及して分析する。そしてその敗因は今も取り除かれることなくこの国を支配しているという。

    【敗因二十一カ条】
    精兵主義の軍隊に精兵がいなかった事/物量、物資、資源、総て米国に比べ問題にならなかった/日本の不合理性、米国の合理性/将兵の素質低下/精神的に弱かった/日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する/基礎科学の研究をしなかった事/電波兵器の劣等/克己心の欠如/反省力なき事/個人としての修養をしていない事/陸海軍の不協和/一人よがりで同情心が無い事/兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついた事/バアーシー海峡の損害と、戦意喪失/思想的に徹底したものがなかったこと/国民が戦いに厭きていた/日本文化の確立なき為/日本は人命を粗末にし、米国は大切にした/日本文化に普遍性なき為/指導者に生物学的常識がなかった事

    1章 目撃者の記録
    2章 バシー海峡
    3章 実数と員数
    4章 暴力と秩序
    5章 自己の絶対化と反日感情
    6章 厭戦と対立
    7章 「芸」の絶対化と量
    8章 反省
    9章 生物としての人間
    10章 思想的不徹底
    11章 不合理性と合理性
    12章 自由とは何を意味するのか

  • 名著、著者の体験と軍属の化学者の(きわめて客観的な)記録を下に、日本が第二次世界大戦で敗れた理由について、全11章に渡って述べている。戦争と言う極限状態において起きた悲惨な事実から、日本人の本性とそれ故に抱える問題を指摘する。さらに筆者は「日本は反省力なき」故に戦後30年経ても、それらが改善されていないと続く。戦後70年経った現在はどうであろうか?書の後半で述べられる日本の将来に向けた提言は現代でも一読の価値がある(一読の価値があることが問題であるが、反省力なきゆえ仕方ないのか)

  • いちいち、つくづく、七平さんの指摘のとおりだと思いました。
    以前に太平洋戦争の本を読んだときには、あの戦争は、現在の自分とは無関係の、過去の、主に男の人たちのやったことと思っておりましたが、これを読んで、今の自分の中にあるものと痛感したことが多かったです。
    七平さんはこの日本人の特徴は、明治以来続いている、と書いていましたが、私は薩摩藩が関ヶ原で正面突破したときにすでにあらわれていたように思いました。

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著者プロフィール

山本 七平(やまもと しちへい)
1921年12月18日 - 1991年12月10日
東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。
著書には『「空気」の研究』(文藝春秋)、『帝王学』(日本経済新聞社)、『論語の読み方』(祥伝社)、『なぜ日本は変われないのか』『日本人には何が欠けているのか』『日本はなぜ外交で負けるのか』『戦争責任と靖国問題』(以上、さくら舎)などがある。

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