「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト (角川oneテーマ21)

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レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047100374

感想・レビュー・書評

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  • 著者が北大柔道部 出身と聞いて読んでみた。
    柔道部の主将として、個性は揃いのメンバーをどう取りまとめるか、著者は目標と対策だけ言って、あとは自分の好きにやってくれ、といったそうだ。
    その経験が動物園の園長として組織運営で役に立ったらしい。それぞれの個性を生かして、それぞれの役割を果たすこと。組織論として参考になる。

  • NHKラジオの番組「夏休み子ども科学電話相談」にて、動物の担当をされていた先生の本です。

    「ビジネスモデル」とあるので、経営の手法に関する本かと思いました。
    確かにビジネスモデルとして成功していますが、それは何より、動物がどうしたら一番いきいきと、幸せに生きられるかを追求した結果だと思いました。

    昔は「動物が芸をしないとつまらない」と、火をつけて驚かそうとした来園者までいたそうです。
    その点からも「立つレッサーパンダ」ブームにも警鐘を鳴らしていました。
    レッサーパンダという動物自体への興味はさほど高まらなかったのですから…

    動物園はレクレーションだけでなく、野生動物の保護や繁殖、そして研究の施設であることも、もっと認識されるべきだと思いました。

  • 著者は旭山動物園元園長の小菅正夫さん。苦境にあった同園復活の立役者である。とにかくブレない姿勢が素晴らしい。

    ●動物園には「「レクリエーションの場」「教育の場」「自然保護の場」「調査・研究の場」の四つの役割がある」
    動物園は単なる娯楽施設ではない。だから、来園者には動物の本来の姿を見せ、彼らの生きる地球環境についても考えてもらう。園内環境整備のため、そして、繁殖成功のための調査研究はけして怠らない。

    ●「動物も人間も「自分らしさ」が大切」
    だから、動物には、自然に備わった個々の能力が最大限に発揮され、それが来園客に思う存分披露できる環境を提供する。スタッフに対しては、ビジョン共有は徹底的に行う。でも、細かい指示は与えない。あとは自分で考えさせ、自由にやらせる。失敗を恐れてはいけない。

    動物園とは何であるか。よりよい動物園をつくるには何が必要なのか。こうした根本的な問題に対して明確な答えを持っているため、やることに迷いがないのである。

    組織のあり方、そしてまた、人生の歩み方を考える上でも多くの示唆を与えてくれる一冊だと思う。

  • 動物園の動物たちに会って、なんか可哀想だなと思う事もあれば、この動物は生き生きしてる!と思う事もある。動物園という飼育環境のなかで、いかに動物たちが楽しく好きな事ができ、本来の姿に近づけるかなんだよね。
    動物園によっては、ライオンが檻ではなく森や草原のような広い敷地で群れを作って過ごしていたり、キリンとシマウマが共生していたりする。動物たちも、訪れたお客さんも、檻より広い場所の方が良いよね。

    動物園3回説ってあるけれど、私は子供の頃より大人になった今の方が動物園に行く機会が増えたなぁ。そこで絶滅危惧種、レッドリストにも関心を持つようになったし。
    微々たる力だけれど、野生動物たちを少しでも救うために、自分に何が出来かを考えて行動していきたい。

  • 昨年の北海道旅行の際、遊園地のような動物の展示に感動しそのルーツを探るため当時の園長の著書を読みました。 
     まず、従業員の方の動物を愛する気持ちとその特性を把握する力、また、園長を中心に動物とお客さんにとって何が良いのかを常に考えながら、いろいろな方法をチャレンジする意欲が、今の旭山動物園の人気を支えているのが良く分かりました。
     この考えは現代のリーダーシップや仕事のあり方、チームワークなどを考えるときに、とても参考になる一冊だと思います。

  • 今ではすっかり有名になった旭山動物園について、変革前から変革後までの流れ・エピソード等が書かれています。
    結局「軸」がしっかり定まっており、やきりる覚悟をもつことが大切なのだと思いました。
    危機に対しての望む姿勢なども参考になりました。

  • 市の会計に動物園特別会計があるってんで、
    そりゃ面白い、と思い、
    北海道に遠征している中に読みきった。
    (遠征では旭山動物園にはいけなかったけど。)

    動物園という場が果たすべき役割が、
    教育・研究・レジャー
    であるということがはっきり書かれている。

    やっぱり、
    革命的な成功を目指すときは、
    ホットで勢いだけじゃないのが、
    大事なんだよなぁ。

    レギュラーもベンチの人も
    生き生きしているからいいんだなあ。

    あと、ロングスパンであったかい哲学。

  • 旭山動物園園長の手による、閉園の危機から日本一の動物園に躍進するまでの取組みの紹介や、社会において動物園が担うべき役割への提言。
    実例や学識に基づいた内容で、豆知識としても面白いしすごく説得力もあります。
    以下、印象に残ったところを箇条書き。
    ・動物園の4つの役割=レクリエーション、教育、自然保護、調査・研究
    ・不遇の時期に熟慮してこそ、予算を与えられたときに実行動として効果を発揮する
    ・老い、死を伝える、悲劇的なことを隠さない
    ・自分が人間であることを再確認する場所

    以下、感じたことを箇条書き。
    ・リソースは限られていてもアイディアに限りはない。ありものの中でどう実現するか/チャンスが巡ってきたときにどう行動するか、頻繁に使われるフレーズだが「よく考える」ことが重要。
    ・こちらも頻出だが、「本質をとらえる」こと。動物の見せ方、動物自身がどうありたいか、動物園とは何か、旭山動物園が果たすべき役割とは・・。旭山動物園が成功した根幹には、旭山動物園の皆さんが自分たちの本質を熟考し、その存在意義を実現した点にあると思う。自分が提供すべきファンクションは何か、本質を捉える癖をつけるべき。

    動物の内容盛りだくさんで、読書癖のない人でもすらすら読めると思います。
    面白かった。

  • チェック項目10箇所。動物それぞれの能力を発揮できる行動展示を行うことで、動物がイキイキすることを、飼育する中で確認してきた。「動物園とは何をするところなのか」。「人の目でトラの見え方」と「シカの目で見たトラの見え方」が比較対照できるようになっている。ライオンやトラ、ヒョウといった、いわゆるネコ科に分類される動物は食料が十分得られないかもしれないという前提で、活動をしている。動物園のような場所で一種だけで暮らしていたら、自分の特性も分も、ほかの動物の素晴らしさも分からなくなってしまう。動物はすべて棲み分けで自然を共有している。「命」というのは、一度失われると取り返しがつかないという事実を知らなければ伝わったことにはならない。命に優劣はない、命は、等しくかけがえのないものなのである。「人間とは何か」に関する堪えも、他の動物を見て、「ああ、自分は人間なのだ」とわかり、安心する。「地獄とはやりたいことができないことだ。」

  • 1年ちょっと前に訪れた旭山動物園について書かれた本。マスコミでも取り上げられることが多かったので、行動展示などやっていることは少し聞いていた。
    この本はその背景にあったことやどうやって苦境からリカバリーしてきたかについて書かれている。
    動物園も一つの組織であり、それを運営・改善するのはビジネスの観点とも共通点が多いことを認識した。

    1.組織は個々の能力や担当職責を重視すべきで、飛びぬけたスターは不要であること。
    2.客を不安に陥れるような事態については説明責任を果たし、早急な対応案を取るべきであること。
    3.ビジョンの共有(この場合「世界一の動物園」)
    4.アイデアを出し合うことで低予算でも十分魅力的な施策が打てること(手書きポップ、夜の動物園、行動展示)。旭山動物園にはいわゆる「珍獣」や「希少動物」はいない。

    示唆に富んだ一冊だった。

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著者プロフィール

旭山市旭山動物園前園長、北海道大学客員教授。1948年、北海道生まれ。北海道大学獣医学部卒業後、獣医師・飼育係として旭川市旭山動物園に就職。飼育係長、副園長などを歴任し、1995年に園長に就任した後、閉園の危機がささやかれていた旭山動物園を再建し、月間入園者数日本一を達成した。全国での講演活動も行う。10年以上続けているNHKラジオセンター「子ども科学電話相談」での回答は、ライフワークのひとつとなっている。主な著書に『生きる意味ってなんだろう?』『「旭山動物園」革命』(以上、KADOKAWA)など多数。

「2016年 『ピクサーのなかまと学ぶはじめての科学3 生きもののふしぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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