感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)

著者 : 久石譲
  • 角川書店 (2006年8月1日発売)
3.62
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  • 本棚登録 :782
  • レビュー :111
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047100619

作品紹介

モノづくりは感性に頼らない!「ハウルの動く城」「もののけ姫」サントリー「伊右衛門」CM…あの名曲はここから生まれた。時代の風を読むために必要な「感性の正体」を探る。

感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)の感想・レビュー・書評

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  • 一流の人間の思考、行動力が見えた気がします。
    ちょっと種類は違うけどものづくりをしてる人間として参考にしたい。

    オンリーワンじゃなくてナンバーワンがいいに決まってる。
    自分もあの歌嫌いです。

  • p5
    ものづくりの基本は感性だとよくいう。感性も創造も答えでは説明しにくい。だが、人間はものを考えるという行為を、言葉を介してやっている。ということは、僕が音楽家としてやっている方法、考え方、視点、もっと無意識下の感覚、そういうものをできるだけ言葉で表現することで、透けて見えるものがあるのではないか。

    p23
    創造的でありながら、同時にたくさんの仕事をこなしていく。そのためには、気分の波に揺るがされないような環境づくりも重要だ。僕の場合、作曲の作業に入っているときは生活も一定のペースを保ち、できるだけ規則的に坦々と過ごすように心がけている。〜まず期限までに毎日どのくらいのペースでやっていかなければならないか考える。今日は気分が乗らないから書けない、などと悠長なことをいって自分を甘やかすことはできない。気分が乗らなかろうが、調子がよくなかろうが、ノルマを達成するとうに進めていかなければこなしきれない。多少体調が悪くても、気分が優れなくてもペースは崩さないように努める。


    p28
    〜だから、絵の人は考え方や行動においても、感覚的なものが突出する面が強いらしいのだ。


    p30
    「感性」という言葉でくくられているものを冷静に分析して整理していくと、もちろんその人の持つ感覚的なものもあるが、それ以上に、その人のバックボーンにあるものが基盤になっているのではないかと考えられる。〜作曲には、論理的な思考と感覚的なひらめきを要する。〜肝心な要素は、残りの5パーセントの中にある。それが作り手のセンス。感覚的ひらめきである。創作にオリジナリティを与えるその人ならではのスパイスのようなもの。これこそが〝創造力の肝〟だ。


    p35
    ゲーテの言葉にもある。「感覚は欺かない。判断が欺くのだ」と。


    p48
    創造力の源である感性、その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ。そのストックを、絶対量を増やしていくことが、自分のキャパシティ(受容力)を広げることにつながる。


    p68
    ある歌舞伎の女形が「私はバカが大っ嫌いです。バカってうつるんですよ」といったのを聞いたことがある。名言だと思う。
    自分の置かれている環境を整備しないと、レベルというものはいとも簡単に下がっていく。


    p73
    新しいことに挑戦しようとするとき、経験則で水を差す人がいる。その人にとって、経験がプラスになっていない。むしろ進歩を妨げている。
    うまくいかなかったのはなぜなのか、今度はそういうことがないようにするにはどうしたらいいのか、そこをきちんと踏まえてやればいい。それが経験を活かすということだ。


    p101
    ものをつくる人間に必要なのは、自分の作品に対してのこだわり、独善に陥らないバランス感覚、そしてタフな精神力、この三つだと思っている。どれが欠けてもうまくはいかない。


    p128
    〜ストラヴィンスキーにしろ、バルトークにしろ、マーラーにしろ、本当に素晴らしい。それに負けないくらいのスコアが書けたら、と僕は夢を見る。


    p131
    ステージに立つ前、僕は毎回必ず同じ行動をする。〜それをしながら集中力を高めていく。〜テーブルの上にタオルを敷いて、その上で鍵盤をイメージしながら手を動かしてハノンとかをやって、指を温める。


    p133
    〜商業作家としてこう在ろうとするものと、ものづくりとしての立場、作家としての純粋な満足との間には開きがある。


    p138
    人に聴いてもらう音楽として非常に重要なのはまず自分が一番目に聴衆として喜べること。自分が感動できるものを提出していかないと、周りの人、ひいては観客には響いていかない。そのためには、絶えず自分が興奮するものに向かっていくことになる。しかし、ただやみくもに「いい」「好き」と興奮しているわけではなくて、頭で考えたこと、感覚的なもの、映画や絵画などで感動したものを総動員したうえでつくっている。

    〜ときどき、音楽は僕自身を決して幸せにしてくれないのではないか、と思うことがある。それほどに僕を悩ませ、苦しめる。しかし、それでも僕は音楽がやめられない。何もないところから曲をつくり出す瞬間が、何事にも代えがたく幸せであるから。


    p157
    〜時間というのは、自分でひねり出し、つくるものである。


    p184
    会社というシステムに入った限りは、男性も女性も関係なく、社長を目指そう。〜僕がそういう状況にあったら、絶対社長になってやると誓う。そのためにどうやって生きていくかを考える一番頭を使うのはそこになる。


    p188
    僕は、とにかく曲を書きつづけていきたい。たとえ周りの人間がバタバタと斃れようとも、それが許されるのであれば、屍を乗り越えてでも、いい曲を書くために邁進していくことが、作家としてあるべき姿だと思っている。

  • 気分の波に流されない
    時間軸と空間軸の中で創造されるものは、みな論理的構造を持っている。音楽・文学・映画は時間の経過の上で成り立っているので論理的構造を持っている。絵画は感覚的に直に訴える。だから画家は行動も感覚的なものが突出しやすい。
    20世紀はポップスの時代。その特徴はリズム。黒人からもたらされたもの。
    型や道は日本人に合っている。とりあえずそれに従っていれば大きな失敗はしない。

  • 有名作曲家の書いた俺様感満載の評論。ところどころ核心を突いていて参考になる。

  • 前書きから引き込まれた。つくることを仕事に選んだ著者の、つくることへの想い、協働するときの仕事観、芸術性や創造性と向き合うこと、自らの位置付け、プレッシャーに臨むときのスタイルなど、その節々に共感できる/合点させられるフレーズが詰まった一冊。最先端のつくり手たちと一緒に居ることによる、つくりだす喜びや楽しさも垣間見えた。

    「創造力で大きな仕事をしていく人たちは予定調和を嫌う」「論理性と感覚的直感の兼ね合い」「直感を磨いているのも、実は自分の過去の経験」「リセットのたびに、大切なものが日本人からぽろぽろと零れ落ち、フタをされ、忘れられていく」「(アジア諸国の)エネルギーに触れることで、インスパイアされるものが多々ある」

  • 前半の一流とはみたいな話が良かった。
    まあよくある話ではあるのだけど、著者のような人がいうのは重みが違うからね。

  • 久石さんの呼吸とリズムは、壮大な物語ですね。
    でも、誰もが、自分の呼吸とリズムに合わせて、物語を作りながら生きているんだなとなんとなく思いました。音楽って面白い。創作って面白い。

  • 作曲家久石譲さんの本。
    久石さんは曲を作ることが仕事なだけに、話の中心は作曲するときのことだが、何かを生み出す仕事をしてる人にとっては、共感できる部分が多々あると思う。

    一流とは、優れたプロとは結果を出し続け、毎回ハイレベルな仕事をする人。
    いいものをつくるには、ニーズを無視してはいけないけど、迎合してもいけないこと。
    自分自身が陶酔できないものをつくるなということ。
    音を出すことを通じて何を伝えたいのかをしっかり考えること。

    これからビジネスを興したいと思っている自分には響くところがたくさんあった。
    また読み返したい1冊。

  • サクッと読める。表現者としてもっと早く読みたかった。

  • 映画音楽の第一人者がどのようなことを考えているのか分かりやすく綴られている。
    ものすごいプロ意識に基づいて、古いものを否定するでなくこだわりすぎるでなく、更に先を目指す姿勢は見習いたい。

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