感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 875
レビュー : 124
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047100619

作品紹介・あらすじ

モノづくりは感性に頼らない!「ハウルの動く城」「もののけ姫」サントリー「伊右衛門」CM…あの名曲はここから生まれた。時代の風を読むために必要な「感性の正体」を探る。

感想・レビュー・書評

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  • プロフェッショナリズムの本だこれ!この本もプロジェクト開始毎に読み直す

    ・いい仕事であるかどうかの評価を下すのは発注者であり世の中の需要
    ・その時々の自分の限界まで行ききり、行ききった先に何か新しい魅力が待っている
    ・自分が興奮できないようなものではダメ
    ・物事には時勢の流れが有る
    ・いかに多くのものを観て、聴いて、読んでいるかが大切
    ・自分を客観的に見ることに努める、第三者のように冷めた目線で客観的に構えている自分が自身にアドバイスをする
    ・自身がおかしたミスをまず認める、そして即座に気持ちを立て直す
    ・原因は必ず自分の中にある
    ・仕事はまず核心を突く、一番大事なところからやる
    ・楽な人生などない、みんな何かしら人知れず苦労している、だから自分から進んで苦労する必要はない
    ・苦労自慢をする人には自分を冷静に見つめる第三の脳、客観視能力がない、知性を感じない
    ・幅を広げたかったら知性を磨き、修羅場をくぐり抜ける
    ・沈黙の間を恐れない

  • これしきのミスで僕の音楽はダメになったりしない(69頁)

    カッコいい。

    こないだ、弾き込んだつもりの曲を披露する機会があり、見事に出来は悪く、しょげていた。良くなったと評価してくれた人もいたのに、受け取ることもできずに。本気度が、足らなかった。年末にもう一度やる。本気で行こう。

  • これは文句無しにおもしろい。超一流は、なんというか、行間から感じるパワーが違う。

  •  ジブリものの音楽担当でおなじみの久石先生の仕事論および芸術論。そしてやはり行き着くところは人生論。かといって抽象的な論調ではなく、ご経験された仕事を例示しながらご自身の考え方を分かりやすく語っている。芸術家として生きつつも生計を立てるにはどうすればいいか、といった実生活に結びついた方法論は「好きなことを続けながら生きていきたい」という願望を持った若者に限らない老若男女すべての人にとても参考になる。

  • 一流の人間の思考、行動力が見えた気がします。
    ちょっと種類は違うけどものづくりをしてる人間として参考にしたい。

    オンリーワンじゃなくてナンバーワンがいいに決まってる。
    自分もあの歌嫌いです。

  • 活字に全く興味を示さない妹。本は眠れぬ夜の睡眠導入剤だとかなんとか。iPhone や Twitter なんかは使いこなしていて賢い子だなと思いながらも、1年を経て再会したとき本棚の中身に変化が無いという人は私にとっては驚きです。そんな妹がこれ欲しい、と丸善で手に取ったのが本書。お、久石譲氏!なかなかお目が高いと思ったので買ってあげました。案の定彼女より先に私が読んでしまいましたがw

    社会で頭1つ出ている人って、やっぱり聴衆の聴きたいことを要点をはずさず話してくれるなというのが率直な感想です。日本で世界で縦横無尽に活躍する作曲家の久石譲氏なら、ものづくりの仕事とはどういうものか、表現者としての生みの苦しみや無名時代に何に夢中だったか、ひらめきをつかまえるヒント + ノウハウ + コツ、創造力で大きな仕事をしていく他の表現者たちとのコラボや、逆にしのぎを削る様子、ルティーンワークに甘んじない姿勢、そういうことを素人にもわかるように、しかも堂々と語ってほしくて読者は久石氏の著書を手に取るのではないでしょうか。

    とくになるほどと思ったのは、創造性と需要の狭間で揺れながら、どれだけクリエイティブなものを作っていくかを考え続ける彼の姿勢です。自分の好きなことを職業として選ぶからには、必要最低限のスキルを身につけ、純粋に自分の書きたい物を、好きな時〜に好きなだ〜け時間をかけて書くわけにはいきません。えてして素人はクリエイティブな肩書きを持っている人はそんな風に仕事をしていると考えがちですけど、そうはいかないものです。

    生涯に一作きりなら誰にでも良い曲が作れる、プロとして身を立てるなら一貫性や継続性は不可欠。と彼は言います。とにもかくにも曲を書き続けること。力量を継続維持できるのがプロだと。

    私の身近なところでいうと、例えば古めかしい住宅を一棟、若者向けのこじゃれたアパートにリノベーションしたとします。様々なアイディアや目に見えない工夫が凝らされていて、プロジェクトは大成功したとします。なにか化けて出てきそうだったボロ社宅は今や満室回転の優良物件になりました!と。

    さて、大抵ここでちやほやされるのは建築家/デザイナーということになります。でも、同じ結果になった場合に、プロジェクトを引っ張っていたのが不動産会社だったということも、アパートの管理会社だったということもあり得ます。建築家は雇われて図面を引いたというようなケースです。いかにもクリエイティブな職業だからといって、いつも建築家がかっこいいことをしているかというとそうでもありません。長期戦でみると、こういったプロジェクトを継続的に成功させているプレーヤーがアイディアのオーナーシップを主張出来るのではないかと思います。どんなに良い物を作っても一発屋はプロではない、肝に銘じておこうと思います。

  • p5
    ものづくりの基本は感性だとよくいう。感性も創造も答えでは説明しにくい。だが、人間はものを考えるという行為を、言葉を介してやっている。ということは、僕が音楽家としてやっている方法、考え方、視点、もっと無意識下の感覚、そういうものをできるだけ言葉で表現することで、透けて見えるものがあるのではないか。

    p23
    創造的でありながら、同時にたくさんの仕事をこなしていく。そのためには、気分の波に揺るがされないような環境づくりも重要だ。僕の場合、作曲の作業に入っているときは生活も一定のペースを保ち、できるだけ規則的に坦々と過ごすように心がけている。〜まず期限までに毎日どのくらいのペースでやっていかなければならないか考える。今日は気分が乗らないから書けない、などと悠長なことをいって自分を甘やかすことはできない。気分が乗らなかろうが、調子がよくなかろうが、ノルマを達成するとうに進めていかなければこなしきれない。多少体調が悪くても、気分が優れなくてもペースは崩さないように努める。


    p28
    〜だから、絵の人は考え方や行動においても、感覚的なものが突出する面が強いらしいのだ。


    p30
    「感性」という言葉でくくられているものを冷静に分析して整理していくと、もちろんその人の持つ感覚的なものもあるが、それ以上に、その人のバックボーンにあるものが基盤になっているのではないかと考えられる。〜作曲には、論理的な思考と感覚的なひらめきを要する。〜肝心な要素は、残りの5パーセントの中にある。それが作り手のセンス。感覚的ひらめきである。創作にオリジナリティを与えるその人ならではのスパイスのようなもの。これこそが〝創造力の肝〟だ。


    p35
    ゲーテの言葉にもある。「感覚は欺かない。判断が欺くのだ」と。


    p48
    創造力の源である感性、その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ。そのストックを、絶対量を増やしていくことが、自分のキャパシティ(受容力)を広げることにつながる。


    p68
    ある歌舞伎の女形が「私はバカが大っ嫌いです。バカってうつるんですよ」といったのを聞いたことがある。名言だと思う。
    自分の置かれている環境を整備しないと、レベルというものはいとも簡単に下がっていく。


    p73
    新しいことに挑戦しようとするとき、経験則で水を差す人がいる。その人にとって、経験がプラスになっていない。むしろ進歩を妨げている。
    うまくいかなかったのはなぜなのか、今度はそういうことがないようにするにはどうしたらいいのか、そこをきちんと踏まえてやればいい。それが経験を活かすということだ。


    p101
    ものをつくる人間に必要なのは、自分の作品に対してのこだわり、独善に陥らないバランス感覚、そしてタフな精神力、この三つだと思っている。どれが欠けてもうまくはいかない。


    p128
    〜ストラヴィンスキーにしろ、バルトークにしろ、マーラーにしろ、本当に素晴らしい。それに負けないくらいのスコアが書けたら、と僕は夢を見る。


    p131
    ステージに立つ前、僕は毎回必ず同じ行動をする。〜それをしながら集中力を高めていく。〜テーブルの上にタオルを敷いて、その上で鍵盤をイメージしながら手を動かしてハノンとかをやって、指を温める。


    p133
    〜商業作家としてこう在ろうとするものと、ものづくりとしての立場、作家としての純粋な満足との間には開きがある。


    p138
    人に聴いてもらう音楽として非常に重要なのはまず自分が一番目に聴衆として喜べること。自分が感動できるものを提出していかないと、周りの人、ひいては観客には響いていかない。そのためには、絶えず自分が興奮するものに向かっていくことになる。しかし、ただやみくもに「いい」「好き」と興奮しているわけではなくて、頭で考えたこと、感覚的なもの、映画や絵画などで感動したものを総動員したうえでつくっている。

    〜ときどき、音楽は僕自身を決して幸せにしてくれないのではないか、と思うことがある。それほどに僕を悩ませ、苦しめる。しかし、それでも僕は音楽がやめられない。何もないところから曲をつくり出す瞬間が、何事にも代えがたく幸せであるから。


    p157
    〜時間というのは、自分でひねり出し、つくるものである。


    p184
    会社というシステムに入った限りは、男性も女性も関係なく、社長を目指そう。〜僕がそういう状況にあったら、絶対社長になってやると誓う。そのためにどうやって生きていくかを考える一番頭を使うのはそこになる。


    p188
    僕は、とにかく曲を書きつづけていきたい。たとえ周りの人間がバタバタと斃れようとも、それが許されるのであれば、屍を乗り越えてでも、いい曲を書くために邁進していくことが、作家としてあるべき姿だと思っている。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「作家としての純粋な満足との間には開きがある」
      この気持ちを心に残していれば、折れないで頑張れる。。。と思う。
      「作家としての純粋な満足との間には開きがある」
      この気持ちを心に残していれば、折れないで頑張れる。。。と思う。
      2013/05/28
  • 直感は当たる

    いい音楽は譜面も美しい

  • フォトリーディング後、熟読。しばらく積ん読した理由は、後半になって創造性よりも映画音楽の話になったため。それも面白かったが、創作に関するヒントは前半のほうが多かった。

    星四つ。

    クリエイティビティーを要する仕事はプロとして意識して行うこと。感情ややる気に左右されてはならない。さもないと、気分の乗っていないときには生産性を落とすことになる。プロはどんなときにも一定の生産物を出すこと。

    そのためにはインプットを怠らないこと。
    考えることも重要だが、著者は考えが煮詰まるまで考え、その後にアイデアが与えられるという経験を披露している。

    考えは煮詰まる。そして天啓のように閃く。そのためにはインプットという、内面の蓄積物が必要。
    とはいうものの、とにかくなんとかアウトプットしているだけで、これが創造の秘訣だ、としっかりと定義できないほど、著者も苦しみつつアウトプットしているとのこと。

    しかしながらその天啓の瞬間がすばらしいので、創造はやめることができない、というようなことも言っている。

    大いに参考になったし、芸術、特に映画やクラッシック音楽についての興味深い話も知れて面白かった。

  • 音楽に込めた思いと、誠実に向き合う久石さんの情熱が感じられた

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