千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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レビュー : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047100763

作品紹介・あらすじ

会社の寿命は何で決まるか?潰れない会社の持続力の源を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭、世界最古の会社が日本にあると知り、考えさせられた。

    他国の例を引き合いに出しているのだけれど、略奪の歴史に参加することが「遅かった」島国・日本は、歴史を書き換えられる事態に遭遇しなかった。
    それは、世界的に見ると僥倖と言えるかもしれない。

    そして、日本は匠の在り方、続いていくことの誇りがある。
    「不易流行」とでも言えば良いのか。新しいものを目指しながらも、足元を固めていく姿勢が好きだ。

    タイトルから想像出来ないくらい読ませる一冊だった。

    p98「西洋のヒューマニズムを『人道主義』と訳してきたのは、とんでもない誤訳やと思うんです。ある学者が言うてましたが、あれは『人間中心主義』と訳すべきなんです。つまり、何事も人間を中心に『生きてゆく』という発想。だから、人間と自然との乖離がますます大きくなってきた」

    p168「ある条件を入れたら、こういう答えが出ますよというのが、コンピューターだよね。でも、その条件を入れるのは、あくまでも人間でしょ?鋳物の場合、図面を描いてくれたユーザーさんの意図があるんだけど、その意図までコンピューターは読み取ってくれないんだよね。この部分は最後まで絶対残っちゃう。ここは、たぶん永久になくならないと思う」

  • 出張の行き帰りに新幹線の中で再読。創業から100年、200年と続く企業は、ヨーロッパでもアジアでもほとんど見あたらないのに、なぜか日本には数多く存在していて、しかもその多くが製造業だそうだ。登場する企業は、金剛組、田中貴金属工業、福田金属箔粉工業、DOWAホールディングス、ヒゲタ醤油、勇心酒造、セラリカNODA、大日本除虫菊、呉竹、カタニ産業、村上開明堂、浅香工業、永瀬留十郎工場、エプソントヨコム、戸田工業、林原、西川産業、吉字屋など。著者は、老舗製造業が日本に集中している理由として、日本には職人を尊ぶ文化や権力者への信頼感があることを挙げている。また、老舗製造業に共通する特徴を、以下の5つにまとめている(211ページ以降)。第一に、同族経営は多いが、外部の優れた人材を取り入れることを躊躇しないこと。第二に、時代の変化に対応してきたこと。第三に、創業以来の家業は守っていること。第四に、分をわきまえていること。第五に、哲学者・加藤尚武氏が言う「町人の正義」を実践してきたこと。

  • ロフト行き

  • 2015年9月20日に開催された第1回ビブリオバトル全国大会inいこまで発表された本です。予選E会場発表本。

  • 日本すごいじゃないですか。

  •  百年を超える歴史を誇る老舗企業が日本には数多く存在するが、そうした企業たちが現代においてどのような事業に携わっているのかを描いたルポである。
     これは非常に面白い新書で、もう少しタイムリーなタイミングで読みたかった感もある。ビジネスの世界の時間の流れの速さを思うと、遅きに逸した感は否めない。
     最近、同じ題材で著者が新刊を出しているようだし、そちらもチャレンジしてみたいものだ。

     不屈の老舗企業の姿には、いろいろと感じるところも多かった。良書である。星五つと評価したい。

  • 単純に企業紹介に終わるのではなく、その企業の存続理由を考察している点が面白い。

  • 世界最古の会社がどこの国にあるのかご存知でしょうか。実は、日本にあるのです。100年以上続く老舗企業の技術が現在のハイテク技術を支えていたりするのです。日本人が、他の国の影響を受けながらも独自の技術を極めてきた歴史を知ると、同じ日本人であることが誇らしく思えてきます。

  • 日本は全く捨てたものではない、と自信と誇りを持たせてくれる。もっとこういう面に光りが当たる社会にしていきたい。

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プロフィール

野村/進
1956年、東京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科中退。78~80年、フィリピン、アテネオ・デ・マニラ大学に留学。帰国後、『フィリピン新人民軍従軍記』で、ノンフィクションライターとしてデビュー。97年、『コリアン世界の旅』で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。99年、『アジア新しい物語』でアジア太平洋賞を受賞。現在、拓殖大学国際学部教授もつとめる。主著に『救急精神病棟』『日本領サイパン島の一万日』『千年、働いてきました――老舗大国企業ニッポン』。近著は『千年企業の大逆転』

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