千年、働いてきました 老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21)

  • 角川書店 (2006年11月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784047100763

作品紹介・あらすじ

日本には創業100年を超える会社が、10万社以上ある。驚くことに、日本以外のアジアの国々ではほぼ例がない。なぜ日本にこれだけ老舗の企業が生き残ったのか? 大宅賞作家・野村進がめぐる、老舗企業の旅。

みんなの感想まとめ

日本には創業100年を超える企業が10万社以上存在し、その多くが製造業であることが紹介されています。老舗企業が時代に柔軟に対応しながら、どのように存続してきたのかを知ることで、日本のものづくりの精神や...

感想・レビュー・書評

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  • 日本には創業100年を超える企業が10万社以上あり、そのうち4万5千社以上が製造業とのこと。
    もの作りや職人を尊重する日本ならではですが、それらの会社が時代に合わせて柔軟に変化し、窮地をいかに乗り越えて現在まで存続してきたのかが書かれていました。
    田中貴金属工業が携帯電話に必要不可欠な部品を作っていたり、箔の技術がさまざまな製品に生かされていたり、日本の老舗企業の持つ力を知ることができます。

    創業以来の本業を守りつつも柔軟に時代に対応する姿は力強く、だからこそ現代まで続いているのだと教えられました。

  • 13年も前の本なので情報のブラッシュアップは必要だが、残り続ける会社の存在理由を垣間見ることができます。著者が提示する老舗製造業の共通項は、若干の矛盾を含みつつもブレない理念とバランス感覚の賜物なのだろう。やりたいこと=世の中の役に立つこと(人間だけでなく)のマッチングがキモだなと...。

  • 冒頭、世界最古の会社が日本にあると知り、考えさせられた。

    他国の例を引き合いに出しているのだけれど、略奪の歴史に参加することが「遅かった」島国・日本は、歴史を書き換えられる事態に遭遇しなかった。
    それは、世界的に見ると僥倖と言えるかもしれない。

    そして、日本は匠の在り方、続いていくことの誇りがある。
    「不易流行」とでも言えば良いのか。新しいものを目指しながらも、足元を固めていく姿勢が好きだ。

    タイトルから想像出来ないくらい読ませる一冊だった。

    p98「西洋のヒューマニズムを『人道主義』と訳してきたのは、とんでもない誤訳やと思うんです。ある学者が言うてましたが、あれは『人間中心主義』と訳すべきなんです。つまり、何事も人間を中心に『生きてゆく』という発想。だから、人間と自然との乖離がますます大きくなってきた」

    p168「ある条件を入れたら、こういう答えが出ますよというのが、コンピューターだよね。でも、その条件を入れるのは、あくまでも人間でしょ?鋳物の場合、図面を描いてくれたユーザーさんの意図があるんだけど、その意図までコンピューターは読み取ってくれないんだよね。この部分は最後まで絶対残っちゃう。ここは、たぶん永久になくならないと思う」

  • 本書、出版当初に一度読んでいたのですが、機会があって2度目に読んでみました。1度目の時も感銘を受けていましたが、2度目についてもいろいろな気づきが得られました。本書ではアジアのなかで日本だけが老舗企業大国であることを受けて、日本を「職人のアジア」、そのほかの国を「商人のアジア」と区分しています。この背景の最大の要因は、やはり日本が他国と比較すれば平和な歴史を経てきたこと、さらに極東に位置した島国という地理的要因も大きく影響していると思われます。

    本書の後半では生き残っている老舗企業の5つの特色が述べられていますが、私なりに解釈すると柔軟さが最も大事な要素ではないかと思いました。事業環境が大きく変わっても、そこで活路を見いだす能力が長けている企業こそ、適者生存の法則で生き延びるということだと感じました。現在の日本ではファストリテイリングや楽天のように、規模拡大や成長を追求した企業が増え始めていますが、それと同時に、本書に書かれているように存続期間を長期化させることで価値を提供し続ける会社が存在していることも重要ではないでしょうか。日本から世界に発信していきたいテーマであると思います。

  • 老舗製造業5つの共通項
    ・同族経営は多いもの、企業存続のためなら他の優秀な人材を取り入れるのを躊躇しない
    ・時代の変化にしなやかに対応してきた
    ・創業以来の家業の部分は、頑固に守り抜いている
    ・それぞれの"分"をわきまえている
    ・「町人の正義」を実践してきた

  • 老舗って意外と新しい、という本


  • 新刊JP


    より

  • 社会
    ビジネス

  • 日本には、千年続く老舗がごろごろ。外国ではこうではないらしい。勢い、最古の企業も日本に現存する。本書ではこのような老舗二十数社のトップにインタビューし、それら老舗の経営方針に迫る。 「不義にして富まず」とは、ある老舗の家訓である。このご時世にこのような心意気で企業を経営して生き残っていく。なんというかっこよさであろう。思い起こせば我が社の創業者も「不当な儲け主義を廃し、・・・」といっていた。利益に血眼になるような経営方針では、長く愛される組織となれない。このような時代だからころ、大切にしたい心意気である。

  • 店が、続くのは凄い事だと感じるのは、子供の頃の店が、殆ど消え去り、僅かしか残ってない事。50年続くのも、稀な事だと気付かされる。世界最古の老舗を守った会社の心意気に賞賛。

  • 出張の行き帰りに新幹線の中で再読。創業から100年、200年と続く企業は、ヨーロッパでもアジアでもほとんど見あたらないのに、なぜか日本には数多く存在していて、しかもその多くが製造業だそうだ。登場する企業は、金剛組、田中貴金属工業、福田金属箔粉工業、DOWAホールディングス、ヒゲタ醤油、勇心酒造、セラリカNODA、大日本除虫菊、呉竹、カタニ産業、村上開明堂、浅香工業、永瀬留十郎工場、エプソントヨコム、戸田工業、林原、西川産業、吉字屋など。著者は、老舗製造業が日本に集中している理由として、日本には職人を尊ぶ文化や権力者への信頼感があることを挙げている。また、老舗製造業に共通する特徴を、以下の5つにまとめている(211ページ以降)。第一に、同族経営は多いが、外部の優れた人材を取り入れることを躊躇しないこと。第二に、時代の変化に対応してきたこと。第三に、創業以来の家業は守っていること。第四に、分をわきまえていること。第五に、哲学者・加藤尚武氏が言う「町人の正義」を実践してきたこと。

  • ロフト行き

  • 2015年9月20日に開催された第1回ビブリオバトル全国大会inいこまで発表された本です。予選E会場発表本。

  • 日本すごいじゃないですか。

  •  百年を超える歴史を誇る老舗企業が日本には数多く存在するが、そうした企業たちが現代においてどのような事業に携わっているのかを描いたルポである。
     これは非常に面白い新書で、もう少しタイムリーなタイミングで読みたかった感もある。ビジネスの世界の時間の流れの速さを思うと、遅きに逸した感は否めない。
     最近、同じ題材で著者が新刊を出しているようだし、そちらもチャレンジしてみたいものだ。

     不屈の老舗企業の姿には、いろいろと感じるところも多かった。良書である。星五つと評価したい。

  • 単純に企業紹介に終わるのではなく、その企業の存続理由を考察している点が面白い。

  • 世界最古の会社がどこの国にあるのかご存知でしょうか。実は、日本にあるのです。100年以上続く老舗企業の技術が現在のハイテク技術を支えていたりするのです。日本人が、他の国の影響を受けながらも独自の技術を極めてきた歴史を知ると、同じ日本人であることが誇らしく思えてきます。

  • 日本は全く捨てたものではない、と自信と誇りを持たせてくれる。もっとこういう面に光りが当たる社会にしていきたい。

  • 長く続いている企業に共通するのは、一喜一憂しないこと。

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著者プロフィール

野村 進(のむら・すすむ):1956年、東京都生まれ。上智大学外国語学部中退。1978~80年、フィリピンに留学。帰国後、『フィリピン新人民軍従軍記』(講談社+α文庫)を発表して、ノンフィクションライターに。97年、『コリアン世界の旅』(講談社文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。99年、『アジア新しい物語』(文春文庫)でアジア・太平洋賞を受賞。2004~25年、拓殖大学国際学部教授。主著に『日本領サイパン島の一万日』(中公文庫)、『千年、働いてきました』『出雲世界紀行』(以上、新潮文庫)、『救急精神病棟』(講談社文庫)、『丹波哲郎 見事な生涯』(講談社)などがある。

「2026年 『フィリピンと日本人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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