日本人と組織 (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047100916

作品紹介・あらすじ

日本再生を叶える幻の組織論!日本人が生き抜く鍵を示した「組織構築論」を初めて書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • 時間があれば

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    この型の誓いを極限まで追求したのはおそらく日本人で(…)「われとわが身に誓う」とは、もし契約を破る結果になったら、自分で自分を罰しますという誓い、一種の「自罰的誓い」である。(…)神は、人と契約を結んだという。しかし全能者は、契約には拘束されないはずである。とすると、いったいこの契約は何によって保証されるのか。神より上の者はいないから、神を罰する者はない。では何に誓ったのか。ここで出てくるのが「神は自分自身に誓ったのである」という言葉である。すなわちこれが自己絶対化である。16
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    日本における組織を探究する場合、その原点として、まず頭においておくべきものは、この『大和俗訓』にほかならない。聖書が、神と人とを契約関係と考えたのに反して、彼は、自然(宇宙)と人間との関係を、親子関係だと考える。(…)彼らの組織を受け入れられたのは、その背後に、その契約関係を抜きにして、彼らのもつ組織を、一つの家族的構成として受け入れることができたからである。そして、その背後にあるものは、益軒以来、それを単なる「学」としてでなく、幕藩体制という現場で、現実に運営していたことである。20
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    子はあくまでも親を天とすべきで、親を飛び越えて子が天と直結したら、その子は、「親と天」という二つの天につながるから、心の内に「二尊」ができる。同様に、武士には「二君」ができてしまい、妻には「二夫」ができてしまう。これでは、すべての秩序が崩壊してしまうから、キリシタンは排除しなければならない。彼の言葉を要約すれば、以上の通りになる。この白石の考え方は、おそらく、現在のわれわれの考え方である。(…)組織は、この組織を「天」とする以外に許さず、その組織内の個が「二尊」をもつことを許容しない。164
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    この点について明治は結局、何の進歩もなし得なかった。いわばこの矛盾が、すなわち「二尊」がいかなる関係にあるかということが、実は、組織と個人との関係における基本的な問題の提起となりうるからである。それがなかったことは結局、全日本を一丸とする「一尊主義」となり(…)戦後は各組織がそのままこの一尊主義を継承する結果となった。170
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  • "索引つくり"による組織の再構築,を最後の論じている.至言だ.

  • [ 内容 ]
    日本再生を叶える幻の組織論!
    日本人が生き抜く鍵を示した「組織構築論」を初めて書籍化。

    [ 目次 ]
    日本人の家族型組織観
    契約の「上下関係」と「相互関係」
    日本人の組織が持つ二重拘束性
    ユダヤ人に学ぶ口伝律法
    日本人の“盆地文化”
    空間的組織観と時間的組織観
    組織の解体と再生の必要性
    聖なる世俗組織“キブツ日本”
    「知」を窒息させる「信」の肥大化
    組織と個人の矛盾
    組織を“読み”、“注記”を加える
    “索引づくり”による組織の再構築

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    [ 参考となる書評 ]

  • 日本人の家族的組織。契約の上下関係と相互関係。二重拘束性。盆地文化。空間的組織間と時間的組織間。組織の解体と再生の必要性。聖なる世俗組織。「知」を窒息させる「信」の肥大化。組織と個人の矛盾。組織を“読み”、“注記”をくわえる。“索引づくり”による組織の再構築。

  • 神と人との契約を宗教と呼ぶ宗教を基本的にはもたない日本における、日本全体を含めた組織の合理性、というよりは著者の観点だと主に非合理性、対処法などをキリスト教、ユダヤ教、日本の風土などに基づいて比較的大きい見取り図を示している。たいして読んでいないけれど山本七平入門という感じの本。三十年前の文章をまとめたものだけれど面白い。

  • 難しいが。
    日本人として知っておいたほうがよいこと。
    一読の価値あり。

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著者プロフィール

山本 七平(やまもと しちへい)
1921年12月18日 - 1991年12月10日
東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。
著書には『「空気」の研究』(文藝春秋)、『帝王学』(日本経済新聞社)、『論語の読み方』(祥伝社)、『なぜ日本は変われないのか』『日本人には何が欠けているのか』『日本はなぜ外交で負けるのか』『戦争責任と靖国問題』(以上、さくら舎)などがある。

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