教師格差―ダメ教師はなぜ増えるのか (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047100992

作品紹介・あらすじ

なぜ教師はここまで追いつめられたのか?教師力の低下と苛酷な教育現場の実態。本当の「教育再生」への処方箋。

感想・レビュー・書評

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  • 著者が伝えたいことは?
    教育とは、学校や家庭などの現場において、日々営なまれる、ドロまみれで、人間臭い営みである。
    教育再生は、外野から外野の論理を押し付けていくことではなく、主役である子どもたちの声を聞き取り、教師を尊重することです。その上で、必要な予算を注ぎ込む。
    つまり、教師や学校は、子どもや保護者の力をかりて、彼らの実態や彼らが抱える問題をもとにした教育方針や指導方針を立てたうえで、日々実践していくことが、教育再生につながる。

    学校と教師に自由と権限を与えることにより、いじめのない、創造性豊かで安全な安心できる学校が生まれてくる。

    キーワードは、教育は、子どもたちのもの。


    著書は、現状の教育の問題点について書かれているが、終始問題点の提示が主であり、具体案がないのが、残念である。

  • かつての日本では「聖職」とまで呼ばれ、人々の尊敬を集めた教師が危機を迎えている。本来は生徒の立場でモノを考えるべき教師たちが、教育委員会との摩擦・いじめによる自殺・モンスターペアレント・教師倫理などの様々な問題によって精神的に追い詰められ、心の病を発症する事態が激増している。「成果主義」や「目標管理」のような一般企業の悪しき制度が学校に持ち込まれた事で教師のサラリーマン化が進み、それに馴染めずに生徒との交流を遮断する「ダメ教師」や、暴力やセクハラに走る「問題教師」が崩壊を招いていると断じる。前項の『教育破綻が日本を滅ぼす!』と併せて読むと、政府の進める教育改革がむしろ学校と教師に強烈なプレッシャーとなっている事がよく分かる。 この現状には尾木ママも異を唱えるものの、根本的な改善が出来ないのが「教育評論家」としての限界なのかも。

  • 教育評論家としてメディアでも有名な尾木直樹氏の著作。

    教育崩壊を教師崩壊と捉え直し、教師が直面する問題を考える。

    現行の教育制度における「教師」の役割は様々。日本は諸外国に比べるとその辺が特殊な形。

    教師というものの世間的なイメージが崩れている。不徳な教師の起こす事件がメディアで報道されるたびに、世間一般の教師像というものがどんどんと落ち込む。もちろん教師自身もそのようなモデルをある程度認識し、自らその枠の中に入ってしまう可能性もある。

    この本の中で指摘されている人間力と呼ばれているものは単に「新社会人」がもつ経験不足、が原因なものもある。少なくとも新人の教員は他の社会人一年生と比べて著しく劣っているとは思えない。

    しかし外圧が低ければそのまま中年、ベテラン教師になってしまう可能性はある。学校同士の競争化を促す意見の正当性はこの辺にあるだろう。

    著者は「生徒に合わせた授業が必要」と説く。しかし現実的に時間が絶対的に足りないだろう。一つのクラスにメインで授業をする人間と、事務的サポートをする副担任が絶対的に必要になってくるとおもう。

    あと、教師力を維持するために優秀な人を集める事が必要とも説く。しかし「優秀」な人間よりも「やる気」のある人間の方が必要ではないか。頭が良くてもそれがそのまま人を教えるのが上手い、適切であるとは言えない。恵まれた職場だから教師になるというのはやはり「サラリーマン教師」を増やす原因になると思う。
    もちろん、現状の制度が良いというわけではない。

  • 教育評論家・尾木直樹による教育論。
    第一次安倍内閣時の、教育再生会議による波紋を
    描き出している。

    最近の著者は、テレビやブログ等で、
    教員の代弁者なのか、世論の側にたって
    教員を攻撃する立場にあるのか
    はっきりしない部分も見受けられたが、
    本編は、真摯な教育論と言っても良いだろう。

    教員という立場、その資質からは難しいのかもしれないが、
    著者のようにメディアに進出する人物が
    どんどん出るようになると
    世論との間の壁も薄くなり、
    結果として開かれた学校になっていくように思えてならない。

  • 勉強になりました。

  • 尾木ママが現在の教職者を取り巻く現場の状況を的確に分析。
    会社や企業と同じ成果主義と評価主義に追われる教師。
    そこにある病理をデータを取りながら丁寧に解説。
    教育再生会議や行政の在り方にもしっかり提言しており、
    競争ではなく共創と、現場の声に耳を傾けること。
    法で縛ることよりも多くの予算を投入することで現場で子ども一人一人に向き合う機会や時間を増やすことが提言されています。

  • 今どきの教育問題。
    特に「いじめ」について記載。

  • タイトルは教師だけのようですが、内容な多岐にわたります。
    6年前の書籍ですが、今の現状とあまり変わらないようです。
    今の教育界の問題点は断片的にわかりますが、深い内容について書かれていないのが、ちょっと残念でした。。。でも、勉強になりました~

  • 前半は共感できる部分、目からウロコな部分が多くグイグイ引き込まれる。
    特に第3章の「教師の条件」。自分の理想の教師像とかぶる部分が多く、教師として勇気が持てた

    ただ、後半の「提言」の部分が弱い。
    批判は非常に的を得ているとは思うが、それに対する解決策が具体的でない。橋下徹が言う学者の典型例だ。

    教育再生会議が対症療法的すぎると断罪して上で、「日本がどういう国にならなければならないかという国民的な歴史的視点に立って、しっかりとしたビジョンをもつことが重要でしょう」(原文ママ)と述べているが、具体的に何をどうすればよいかまでは触れていない。

    その部分は他人に丸投げして、出てきたものが悪かったら批判する。こう思われても仕方がない。

    基本的に、現場の先生応援主義の尾木先生には頑張って欲しい人間なので、この辺が残念だ。

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著者プロフィール

一九四七年滋賀県生まれ。教育評論家、法政大学特任教授。早稲田大学卒業後、私立海城高校、東京都公立中学校教師として、二十二年間ユニークな教育を実践。二〇〇三年に法政大学キャリアデザイン学部教授に就任。一二年から法政大学教職課程センター長・教授を歴任。主宰する臨床教育研究所「虹」では、所長として子育てと教育、いじめ問題など現場に密着した調査・研究に取り組む。著書は二〇〇冊を超える。「尾木ママ」の愛称で講演活動、メディア出演など幅広く活躍中。

「2018年 『尾木ママの孫に愛される方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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