旅館再生 ――老舗復活にかける人々の物語 (角川oneテーマ21 C 148)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047101401

感想・レビュー・書評

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  • 日本旅館の変質、その中で行われてきた経営者や星野リゾートによる革新的な旅館再生、旅館の魅力の本質に焦点を当てた一冊。

    学生の自分には正直、旅館なんて無縁といっても過言じゃないほど。1泊だけでウン万円する、せいぜい家族旅行ぐらいでしか縁はないであろう旅館のお話。

    旅館ってただ単にホテルの日本バージョンとしか考えたことなかったけど、全然実態は違うみたい(笑)

  • 2016/10/15 43

  • 「いい旅館」て、こういうのをいうのか。女将のようなおもてなしができる人になりたい!

  • 温泉地行くと再び読みたくなるノンフィクション作品。いつ読んだかは忘れました。この本により、観光地に行く際、様々なビジネス的な観点から宿泊先を見れるので面白く感じます。また赤字転落した旅館がどのように再生したかが紹介されているので、ピンチをどう対処したかが少し参考になります。

    この書籍では、星野リゾートをはじめとする各地の数多の旅館再生を紹介しつつ、著者が考える再生のキーワードである①外国人視点の宿、②主のリーダーシップがある宿、③「旅館」という伝統サービスに加え、近代的コスト意識を導入し実践するノウハウがある宿という点、④エコ旅館的な魅力を持つ宿、⑤安全安心清潔の三要素を重視する宿…等にも触れています。

    現在の再生手法を筆者は、旅行会社、銀行に勧められるがままにバブル時代に多額の設備投資をし、「ダメなホテル」化した日本旅館を、「いいホテル」に進化される努力をしてきたと一定の評価をしています。

    ですが、日本旅館を進化させていくためには、ホスピタリティを持って小規模な状態で家庭的なサービスを持って、信頼を積み重ね、「宿屋」に回帰していくしかないとしています。

    あくまで日本旅館の魅力は「人」にあるというのが著者の結論です。

  • ここで紹介されていて、気になったもの:

    ■星のや
    リゾナーレの運営が「?」だったため
    星野リゾートにはあまりいい印象を抱いていない。

    しかしこの本で、
    星野リゾートの魅力的なマネジメント・オペレーションが紹介されていたので、
    だんだん星のやに行ってみたくなってきた。

    でも高いので、いつか。

    ■かよう亭
    本当のサービスを追求した理想形らしい。
    ホテル業の外国人までわざわざ行くくらいなので、本質をついた日本らしさがあるのだろう。


    ■一の湯倶楽部
    お互いに認め合い、信頼し合いながら、感動日本一の宿づくりを目指す
    個性あふれる小規模旅館の集まり一の宿倶楽部。
    一の宿倶楽部に加盟するには、宿主たちによる審査があり、
    加盟後も継続して厳しい基準を設けることによって質を維持しております。とのこと。

    ここに参加している宿を制覇したいですね。
    (埼玉の大勝閣は制覇済み)


    ■黒川温泉
    湯布院に対抗して、町全体が一つの宿であることをコンセプトとしている。


    ■星野リゾート青森や
    子どもによさそう

    ■いづみ壮
    伊豆長岡はよくいくし、値段もリーズナブルなので行ってみたい。

    著者の「本来は”清潔””安全・安心””静寂”の三本柱だけでいいのだ」に共感し、
    「この三本柱を毎日提供するだけでも大変な努力を要する」という言葉に納得する。

    そして本書で紹介されていた
    天才セザール・リッツの金言「ゲストは常に正しい」という言葉には
    はっとさせられる。

    私もサービス業なので、
    「こちらの都合」というのはいったい何なのか
    (=お客さんの満足度を高めることにつながるのか)を考えながら
    仕事をしていきたいです

  • 旅館:ホスピタリティ
    ホテル:サービス

    旅館のホテル化

    「清潔」「静寂」「安全・安心」の3本柱が不可欠
    それらが整ったうえで更なるステップへ(顧客満足を高めていく仕組み、しかけづくり)

    本書には出てきませんが、この3点でスーパーホテルが思い浮かびました。
    この3点を守る一方でCS向上に飽くなき努力をし、さらにコスト削減で低価格路線も継続してる点で、スーパーホテルはやっぱり凄い。

    正直なところ、学生の自分にはあまり縁のない旅館。
    ホテルの日本バージョンというぐらいにしか考えたことが
    なかったが、全然違いましたね(笑)

    本書の中でも星野リゾートの再生ノウハウが興味深い。
    星野家の代々受け継がれる開拓者のDNAというのも
    かっこいいですねえ(笑)

    勉強になりました

  • [ 内容 ]
    大赤字旅館が華麗なる復活を遂げた!
    その再生のカギとは!?
    国内旅館の99%が赤字といわれる。
    過渡期を迎えた旅館業界にも再編の波が押し寄せ、外資も参入を始めた。
    長年国内旅館の取材を続けてきた著者が、地方旅館の現状と再生の成功例を裏話も交え赤裸々に綴る渾身のルポ。

    [ 目次 ]
    はじめに 日本旅館「再生」の処方箋
    第1章 世界に評価される「日本旅館」
    第2章 日本旅館は何故、魅力を失ったか―「様式」と「サービス」の固定化
    第3章 「旅館再生」に立ち上がった宿の主人たち
    第4章 「地域再生」にかけた同志
    第5章 星野リゾートの「日本旅館」再生法
    第6章 全国の星野リゾート旅館再生現場を歩く―日本旅館は、どうすれば再生するか
    第7章 再生への苦悩と理想の姿
    まとめ 日本旅館の魅力は「人」にあり

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。学習院大学法学部卒業後、雑誌記者を経てフリーランスに。旅行、ホテル業界を中心に雑誌記事、書籍を47冊執筆。10月に『軽井沢の歴史と文学』(吉村祐美との共著)も刊行。取材を通じて澤田秀雄氏と知り合う。本書は、桐山氏が澤田氏へのインタビューによって経営を分析する形でスタートした。取材途上の2016年2月、滞在先のホテルで62歳で死去。

「2017年 『変な経営論 澤田秀雄インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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