酒道入門 (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047101661

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、酒を持つ効用を「感情のマッサージ効果」と定義付け、様々なシチューエーションに相応しい酒をセレクトする。
    ◉喜酒
    喜びの酒はシャンパンのようなとっておきで祝う。
    ◉悲酒
    ずっしりとした赤ワインやシングルモルトのような重い酒でとことんメランコリーな深い海に沈むべし。
    ◉怒酒
    とことん発散、ビールで怒りも酒もすべて流してしまう。
    ◉議論酒
    酔う程に頭が冴え渡る焼酎のような蒸留酒で饒舌になる。
    ◉説教酒
    キャバクラに通うオヤジの目的は説教にあり?酒は何でも良し。
    ◉口説き酒
    説教酒同様、酒選びは無縁で結界の緩ませ方がカギになる。
    できれば、一年通じて喜酒で行きたいが、そうすると喜酒の値打ちも下がると言うもの。有り難みもない。本にはないが、「今日の自分にお疲れ!」が心底言えれば、その日は白鶴ではないが「マル」ではないか。

  • 島田先生流酒飲みの作法!お酒の嗜み方もダンディで洒脱な感じなのが素敵です。

  • おっさんが飲み方についてアレコレ書いています。

  • 紀伊国屋の島田雅彦コーナーにて発見。
    社会人になって、酒を飲むことは、閉じた友人達との楽しみから、自分の知らない世界の人々と交わる社交の場になった。そこで酒の飲み方を習い、本当に美味い酒を習い、器を知り、酒に飲まれないコツを知った。常連客に落語を習い、池波正太郎を習い、酒場放浪記を習った。

    島田雅彦といえば、バーのカウンターでブランデー片手に口説いてるイメージで、この人がこんな酒道のすすめを書いていることにまず驚いた。
     酒道は、室町の茶道と時を同じくして、その作法が確立されていった。そして、片や家元制に則って日本の伝統文化の一翼を担っており、片や酒道はすっかり廃れ、忘れ去られた。儀式としての酒を飲む作法、利き酒の伝統文化、酒器、燗の仕方、酌の仕方など「当世酒道」の復活を込めた一冊である。

     酒は己を知る試薬、無礼講の理想と現実、喜怒哀楽に応じた酒の飲み方、怒酒、議論酒、説教酒、蘊蓄酒、愚痴酒、口説き酒、独り酒・・・多種多様の酒の飲み方があるものだ。さらに酒呑みにおける品、旅先での酒の楽しみ方まで内容はてんこもり。実際の筆者の紀行文もあって、ほんと酒好きなんだなとしみじみ。
     そして最後は、酒場放浪記よろしく、東京下町ハシゴ酒。最近は吉田類に加えて、新井浩文なんかも各地回って酒飲んでるし、呑みニュケーション復活の兆しか?

     あとがきの文章は、さすが作家の文章。カッコいいです。

    「懐の寒さも、おのが不遇も、女にフラれた悔しさも一杯の酒に溶かし込んで飲みほす器の大きさ、それで悪酔いしない肝臓の強さを持った男に私はなりたい」

  • 酒関係の本はどうしても読んでしまう

  • 前に島田雅彦の講義で安部公房について質問したら、

    『きみ、なんでそんなに安部公房詳しいの?卒論でやってるの?』

    って聞かれて、

    『いやいや、単純に好きなんで全集持ってるだけです』って言ったら

    『ふーん、そうなんだ。ネクラだね。まぁ僕も持ってるけどね』って言われました。

    こいつはしょーもない遊び人です。だが、それがいい!!

  • 「居酒屋ではないところでも、いくらでも酒場にすることができる。それを私は恥ずかしいこととも、品性に欠けることだとも思わない」(p146) さすが、わかってらっしゃる。

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著者プロフィール

島田 雅彦(しまだ まさひこ)
1965年東京都に生まれ、東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業。1983年在学中『海燕』掲載の『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビューし芥川賞候補。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞受賞。『僕は模造人間』(1986年4月)『ドンナ・アンナ』(1986年9月)『未確認尾行物体』と、郊外の新興住宅を舞台にした若年層の生活を、奇抜な語彙を用いつつ軽妙な筆致で描く作風で、新世代の作家として注目を浴びる。1987年までに6度芥川賞候補となり最多候補記録。1992年『彼岸先生』泉鏡花賞受賞。『忘れられた帝国』(1995年)、『自由死刑』(1999年)2003年には「自らの代表作とすべく書いた」という『無限カノン3部作』(『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』)を完成。2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞受賞、2008年『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2016年、『虚人の星』で毎日出版文化賞受賞。1998年近畿大学文芸学部助教授に就任。2003年法政大学国際文化学部教授。2000年から2007年まで三島由紀夫賞選考委員、2010年下半期より芥川賞選考委員となる。

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