スパークする思考 右脳発想の独創力 (角川oneテーマ21 C 158)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047101678

作品紹介・あらすじ

情報の整理は無駄な努力。革新的アイデアは記憶の連鎖から生まれる。

感想・レビュー・書評

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  • あらゆるデジタルガジェットを駆使しながら、大量の情報をインプットして整理して記録して…でもなかなかアウトプットにつながらない。10努力してもその内アウトプットにつながるのは1つか2つに満たない非効率で脳は疲弊し、その内閉塞感と共に思考が展開しなくなる。
    勤勉な日本のサラリーマンは様々なビジネス書を読み解いては論理思考やフレームワークで武装し、涙ぐましい努力で上記のような苦労を経験しているに違いない。私は間違いなくその一人だと思う。
    内田さんは「そういう疲れるのはやめて、もっと普段から日常的に発揮しているクリエイティビティ、柔軟な思考で仕事に臨もうよ、その方が発想も飛躍的に広がるよ」というい事を本書で語っており、タイトルにもある通り右脳の使い方について思考法のコツを伝授してくれる。

    今や情報はちょっと検索すれば誰でも手に入れられる時代、インプットそのものには全く価値はなく、“アウトプット”から考えて必要な情報だけを脳内にインデクシングしておいて、熟成発酵させ、いわば“スパーク”させるかのようにアイディアを発想すべきだと説く。

    人間の脳の使い方をよく心得た人らしい思考法だなという感想を抱いた。神田昌典氏、トニー・ブザンのような方々のそれに近いように感じる。

    ■本書で重要なポイント
    ・問題意識をもっておく(自分の気になりごとが何かをはっきりと意識しておく、または明文化しておくことだと理解した)
    ・情報は整理したり覚えようとしたりせず、ひたすら前述の問題意識をもった状態で様々な一次情報に触れることが肝要
    ・気になっていれば自然と目に飛び込んでくる、思い出せない情報は大した情報ではない
    ・情報は放っておいて熟成させる、問題意識をもった情報には脳内でレ点をつけるように本であればページの端を折ったり線を引いたりするだけでよい
    ・他人をリトマス試験紙にして、考えたことを議論としてぶつけてみる
    ・並列で繋がった別の事象(スパークをきっかけに)があれば、なぜつながったかを考え心に留めておく
    ・しゃべる、書く、歩きまわる
    ・自分にとってのクリエイティブスペースを持ち、公私混同する
    ・作業することが仕事ではない

  • 相手に自分の話を印象付けたり説得したりするために「会話の中で使う話題」をしまってく20の引き出しの話が参考になった。これやってみる。

  • 自分メモ
    自分に必要な情報は、すぐに使える形で持つ。
    頭の中にとどめた形で持つ。頭の中にないものは不必要。
    頭の中にとどめるためには、アナログで。
    身体を使って、レ点を打つ感じ。
    いつかどこかで、情報が融合・反応して、スパーク!
    新たな発想となる。

  • 業界の垣根を越える異種格闘技
    異なる事業構造を持つ企業が
    異なるルールで
    同じ顧客ないし市場を奪い合う
    自分の興味のデータベースが化学反応を起こす。
    例えば、なぜWiiはヒットしたのだろうかという疑問、問題意識を少し転がしていくだけで、発想の連鎖を生む事ができる。
    全ては問題意識から始まる。
    小口化「時間や空間、権利を切り売りするビジネス」という概念化する。
    必要なのは、「強い問題意識」と「自分なりのデータベース」

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    はじめに 日常を仕事に持ち込むだけで、発想力は向上する/第1章 問題意識がスパークを生む/第2章 アナログ発想で情報を集める/第3章 情報は放っておいて熟成させる/第4章 アイデアを生み育てるアナログ思考/第5章 創造力を高める右脳発想/エピローグ 生活者視点があなたをクリエイティブにする

  • pcやクラウドサーバーにいくら情報を貯めこんでも引き出せなければ意味が無く、最も広く、早く引き出せるツールは「脳」だということが直感で分かる。情報に触れたとき「レ点」を付けるという表現は面白い。
    ・「勘」というものは多くの場合過去の経験に裏付けされて自然と取捨選択した結果でありそれほど非科学的なものではない
    ・イノベーションのジレンマ:オーバースペック
    ・一生懸命データ収集、分類、整理整頓し「有事に備える」必要はない
    ・「オフト監督の牛」牛の顔を見て尻尾の形がわかるようになる=リーダーの先見性は観察と検証によって学習できる
    ・仕事が来るか来ないか分からない段階からアイディアは常に考えておくものだ(奥山清行<デザイナー>)
    ・ネット検索だけでは思考がスパークしにくい
    ・デジタル依存は「仕事をした気に」なってしまう
    ・本当に育てたいなら口を出す代わりに自分の唇が血でにじむくらい我慢すべき(キャプテンの唇)
    ・荒削りなアイディアを他人に披露して反応を見る
    ・「私がわからなければ多分他人も分からない(妻)」
    ・「チェック」することが大切。頭の中でレ点を打つ。後で調べようと思う。意識する。タイトルを考える。
    ・右脳で考えて、左脳で整理する
    ・「彼(彼女)ならどう思うだろう?」と思われる存在になれ
    ・自分にとってのクリエイティブスペースを作る
    (電車の中?カフェ?トイレ・お風呂?)

  • 頭の中に仮想の引き出しを20も持つなんて、凡人では無理なのではないの

  • ひらめきはどこから生まれるのか。情報の整理術を磨いてもそのためのITツールを使ってもダメ、問題意識を持って脳内にレ点をつけておけば必要なタイミングで繋がってくる、と。日常生活で誰もが持つクリエイティビティをビジネスにも持ち込もうと簡単そうに書いてますが相当難易度が高い方法論ですね。Bondのイノベーションを思い出しました。あと、脳内にレ点はあくまで個人としてのメソッドであり組織に対して使うのは困難。

  • 著者の経験に基づいて仕事における創造力について語られている。テクニックあり、心構えあり、フレームワークあり、バラエティーにとんでいるのだが、やや次のアクションに繋げにくいところが難点。

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著者プロフィール

早稲田大学名誉教授。東京大学工学部卒業後、日本航空入社。在職中に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。その後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)入社。同社のパートナー、シニア・ヴァイス・プレジデントを経て、2000 年から2004年までBCG日本代表を務める。
この間ハイテク、情報通信サービス、自動車業界を中心にマーケティング戦略、新規事業戦略、グローバル戦略の策定、実行支援を数多く経験。2006年度には「世界の有力コンサルタント、トップ25人」に選出。
2006年、早稲田大学教授に就任。早稲田大学ビジネススクールでは競争戦略やリーダーシップを教えるかたわら、エグゼクティブプログラムに力を入れる。早稲田会議創設。早稲田大学ビジネススクールと日本経済新聞のコラボレーション企画『MBAエッセンシャルズ』創設。
著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』『イノベーションの競争戦略』(以上、東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』『ゲームチェンジャーの競争戦略』『リーダーの戦い方』(日本経済新聞出版)、『意思決定入門』(日経BP)など多数。

「2023年 『アウトプット思考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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