正社員が没落する ――「貧困スパイラル」を止めろ! (角川oneテーマ21 A 97)
- 角川グループパブリッシング (2009年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047101791
作品紹介・あらすじ
『反貧困』の湯浅と『ルポ 貧困大国アメリカ』の堤が明かす、中間層の没落。
感想・レビュー・書評
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アメリカや日本の貧困問題の本質に迫る良書です。
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2009年に出されてすぐ買ったのに積読状態だった。
もっと早く読むべきだった。
ここに書かれていることは現在では既に周知の事実。
ただ、アメリカと日本の貧困問題の時系列的な流れがわかってアタマを整理することができた。 -
グローバル経済の進展は、持てる者と持たざる者との差を確実に大きくしている。そして、その比率は圧倒的に持たざる者が大きい。
そういった中で、ある程度の再分配はやはり必要であると思うが、世界の中でのプレゼンスが下がってきている中、そこに投資するのは難しい。
個人的には、日本が内部の生産力で食べていける方法の模索が生きていく道のように考える。 -
医学部の定員が増えてることやTPPの今後も考えると、アメリカの医師の話なんかは日本でそのまま起こる可能性も高い。教員はもうそうなりつつあるし!
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貧困問題と労働問題についての本はたくさん出ているけど、いくつか読んだ中でも湯浅誠さんの書いた著書が、一番実感をともなって読めてよかったと思います。
労働問題の最前線で闘っている人だから、その皮膚感覚は信じられる気がします。
一時期話題になった派遣労働者の問題ですけれど、この問題は派遣社員として働いているひとだけのものじゃなくて、正社員である人たちにも大きく変わっているんだということを、被用者として働いている人たちは意識して欲しいと思う警句的な本です。
自分のために読んでおきたい一冊。 -
堤未果・湯浅誠『正社員が没落する 「貧困スパイラル」を止めろ!』(角川oneテーマ21、2009)を読んだ。
堤未果さんの講演や著書(『社会の真実の見つけかた』岩波ジュニア新書、2011年)からアメリカの戦争・教育の破壊・貧困の悲惨な実態を知った。アメリカの悲惨な失敗を日本は真似しようとしている。今のうちに何とかしなければいけないととんでもないことになる。
この本ではアメリカの悲惨な失敗の一部をすでに日本はしでかしてしまっていること、また、そもそも日本の方がアメリカより酷い部分もあるのだということを教えてくれる。
あまりに入り組んだ罠がしかけられているところを見ると、僕にはこの危険な兆候をちゃんと発見して見破れるだろうかと不安に思った。しかし、僕自身が気づけなくても、危険に気づいて警告を発する人がいるはずだ。
例えば湯浅さんと堤さんはそういう人たちだろう。まず、この2人が発信するメッセージをキャッチして、怪しい事例は疑ってかかるようにする。そこから危険を察知する自分なりのセンスを身につけていけばいい。
別のレビューでも何度も言っているが、僕たち一人一人がジタバタするくせをつけなければいけない。何か起きた時につながれる基礎を作っておく必要がある。小さな動きでもみんなで起こせば大きな力になることもこの本は教えてくれる。
いきなり本格的な行動は起こせない。しかし、意識を持っていれば緩くても大きなつながりを作るチャンスはある。独り相撲のようでも、決して無駄にはならない。そう思ってジタバタし続けよう。
角川書店の紹介ページ
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200806000367 -
[ 内容 ]
『反貧困』の湯浅と『ルポ 貧困大国アメリカ』の堤が明かす、中間層の没落。
[ 目次 ]
第1章 没落するアメリカンドリームの主役たちー社会の価値が崩れる
第2章 職と誇りを奪われるホワイトカラー-アメリカの現実
第3章 没落する日本社会の主役たち-労働者の存在が崩れる
第4章 急速に転がり落ちる中間層-日本の現実
第5章 アメリカと日本はすでに並んでいる-拡大する貧困社会
第6章 貧困社会は止められる-無力でない運動
第7章 市場にデモクラシーを取り戻せ!-「NO」と言える労働者へ
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