得をするマンションの選び方 ――プロが教える77のポイント (角川oneテーマ21 C 168)
- 角川グループパブリッシング (2009年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047101852
感想・レビュー・書評
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はじめに
マンションは一生の買い物、安易に買ってはいけません!/マンション「格差」が拡大傾向に
第1部 良いマンションが備える3つの条件とは
第1章 良いマンションの原則
第2章 モデルルームは幻惑装置
第2部 建築的視点から学ぶ、賢いマンションの選び方
第3章 間取りで変わる住み心地
第4章 構造、仕様が示す一流と三流
第5章 つくり手の姿勢が問われる室内設備
第6章 トイレ、浴室、キッチンで品質を見極める
第7章 超高層マンションはなぜダメなのか
第8章 まだある賢いマンションの選び方
おわりに―真の買い時は2010年末以降。それまでに見る目を養って欲しい
失敗しないマンション購入のチェックシート詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一級建築士で、マンション設計に詳しく、購入者へのアドバイスをしたり同内容の本を多く書いている著者による新書版、「モデルルームとマンションの仕様書から見る良いマンションの見極め方」。
著者が言う「良いマンション」とは主に、ユーザーのことを考えて設計されているか、気配りされているか、ということ。例えばトイレで、「優れた設計者がつくっていれば、ペーパーホルダーは座って左側にあります。」(p.142)、なぜなら右利きの人は左からの方が引き出しやすいから、とか電気室やポンプ室、機械式駐車場の近くの住戸は騒音に悩まされやすいので、「私が設計監修をしている物件はこのような住戸配置にはしないよう指導しています。」(p.98)とか。もちろん「敷地の南側が空き地は危険」とか、「海辺の生活の『落とし穴』」など、一般的なアドバイスも盛り込まれ、全部で77のポイントとしてまとめられている。巻末には「失敗しないマンション購入のチェックシート」として、簡単にチェック項目がまとめられている。
色んなモデルルームを見たり、説明を聞いても、素人にはせいぜい日当たりとか間取りとか、そんなことくらいしか検討材料がないと思うが、もっと突っ込んで見る視点を与えてくれるのがいい。ただし、正直言って、それは著者の好みなのでは、と思わされる部分も少なくない。「主寝室の床はカーペットが良い」とか、理由は「フローリングでは見た目で柔らかさが感じられません」(p.199)らしいが、でもカーペットだとダニとか発生したり夏は暑苦しいイメージがあるんじゃないか、とか思ってしまう。あとはトイレの手洗い器の話(p.145)とか、個人的にはなくてもあんまり気にならないけど…、と思ってしまう。
あとはやっぱり専門的な部分も多いので、「ダブル配筋ですか?シングル配筋ですか?」とか聞くのか、とかさらには構造書とか見せてみらうのか、とか考えると、結構骨が折れる(もちろん、そうすべきなんだろうけど)。モデルルームに行って、レンジ―フードのスイッチをONにし、リビング・ダイニングルームの外壁側の吸気口を見てみて、「その吸気口の直径が10センチくらいあり、しかもそこ1カ所しかなかったら『ここのレンジフードは給排気同時連動型ですか?』と販売担当者に聞いてみましょう。」(p.160)なんて、素人がいきなりこんなこと聞きだしたらどうなるんだろう、とか考えてしまう。もういっそのこと、この本を担当者に見せて、これ全部チェックして下さい、とか言うのがいいんじゃないか、とか思ったりした。
とは言え、難しいところもあるが、コンパクトにポイントがまとまっていて、短時間で読めるのが良い。マンション広告やモデルルームは、何かと抽象的、イメージ先行、メリット押せ押せで、常に冷静でいないと何かと舞いあがらせられがちなので、良識を得るためにも、マンションを検討している人には良い本だと思う。(16/03/12) -
読了日:2015/03/17
内容がわかりづらい。分類がなされておらず、ただ書きなぐっているように思える
業界人らしく細かいところまで書いているので、知識のある人にはためになるかも -
著者独自の視点でのマンションの選び方だが、
初心者の僕にとってはわりと参考になった。
やっぱり財閥系か電鉄系がいいんだなあ、とか
駅近でないとマンションの良さは体感できないよなあ、とか。 -
設計士によるマンション購入の注意本。
マンション購入に際し、予備知識として
読んでおくと良い。 -
この本をもとに住処を決めました!
・・・実家に。 -
論点がわかりやすい。 理由まで明確に記述されているので、 そこに賛同するかどうか判断もしやすい。
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設計士によるマンション購入の注意本。
マンション設計に永く携わってきた筆者だけあって、採り上げている論点はかなり詳しく、そして辛い。オビに「場所・価格・間取りだけに惑わされるな」とあるが、マンションといえば場所と価格と間取りをまず見て、更に豪華な設備があれば目を引かれるのが人情というもの。ただ賃貸でなく購入を考えるのであれば、一つ一つの仕様の裏側にあるものまで見ておく必要がある。本書は設計思想やデベロッパーの姿勢、設計士の力量にまで踏み込んで、マンションの見方を教えてくれる。