戦争ができなかった日本――総力戦体制の内側 (角川oneテーマ21) (角川oneテーマ21 C 173)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102019

感想・レビュー・書評

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  • 「あばれはっちゃく」などの児童文学の作者が、ビジネスを中心とした政策を検証。

    第二次大戦は総力戦だった。政治・経済や教育、厚生など多岐に渡る総合力が問われる。
    後書きにもあるが、「絶えず日本の今日的課題とダブル・イメージとなった」
    グランドデザインのない政策、声の大きい主張が通る会議、官僚の縄張り主義、昔も今も変わらない。
    そして、不況による倒産、強制的な業種変更、貯蓄を強制させられたうえでのハイパーインフレ。
    これでも戦争をしたいのだろうか。

  • この人の戦争に対する想いをひしひしと感じた一冊。その想いが強すぎて、少し暴走気味に思えてしまうところがあるのも事実だけれど、やっぱり、こうやって語ってくれる人の話は聴いておくべきだと思う。日本が戦争へ向かうところから、敗戦という結果を迎えるまでの国としての動きをこんな風に教えてくれた本は初めてだった。どんな政党がどんな選択をし、どんな政策を打ち出していったのか。そういうことの積み重ねが歴史を作るってことを、改めて思い知らされた。

  • 中国侵攻から太平洋戦争まで経済圏確保の為の戦いだったはずが、実は経済政策の失敗で、総力戦体制とはほど遠く、まともに戦える状態ではなかった、という話。 統制経済が民間の活力を喪失させ、財政破綻を貯蓄奨励で補う。 戦いの美学やロマンとは異次元の、経済戦争でのお粗末な実態が示されている。

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著者プロフィール

1931年北海道小樽市生まれ。児童読み物・ノンフィクション作家。戦時下を描いたノンフィクションに『ボクラ少国民』シリーズ(辺境社)、『少国民の名のもとに』(小学館)、『アジア・太平洋戦争史』(岩波書店)、『戦時児童文学論』『靖国の子』(大月書店)などがある。

「2019年 『山中恒と読む 修身教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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