耳で考える ――脳は名曲を欲する (角川oneテーマ21 A 105)

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.91
  • (31)
  • (39)
  • (26)
  • (7)
  • (0)
本棚登録 : 296
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102057

作品紹介・あらすじ

わたしたちはなぜ"耳"の重要性を忘れてしまったのか?聴覚の持つ神秘の力を、第一人者が問う。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 養老孟司と久石譲の対談形式.
    音楽関係かとおもいきや,関係ない雑談がだいぶある.タイトル詐欺か?
    どちらかというと,文化について二人が自分の意見を言ってるだけの対談か.
    養老が白熱してきて久石がちょっと引いてる場面が面白い.

  • すごく刺激的な本

  •  脳に関する多数の著作を持つ解剖学者、養老氏と宮崎アニメなどの映画音楽を中心として知られる作曲家、久石氏の対談。
     音楽が人々をとらえる仕組みを、人類や生物の起源までさかのぼる。視覚や触覚と比較しながら聴覚が脳に対して優位に働く様子が説明される。
     お互いの立場で「いい音楽とは何か」に言及される。バッハやモーツァルトが多作だった理由。「意識」を取り巻く情報化と情報処理に、言葉の働き。
     作曲にはオリジナリティだけでなく、根本に共感性が必要だという。多々あるロックやジャズの名演即興はそうなのかと、フッと理解したような気になるのである。

  • 物事の真理というものは、言葉だけでは説明しきれない。

    芸術も言葉にできないものがあるからこそ、芸術として表現する。

    オリジナルティとは、新しい共感を発見すること。
    そして、良い音楽とは長く聴かれ、色褪せない。

  • 音楽について…というより人生についてっていう感じがします。

    養老孟司さんの「情報化」と「情報処理」のお話が面白かったです。内容の薄い考えにならないためにはどうすればいいかということがわかりました。あとはどう実行&継続していくか…

  • 2015/12/27図書館から借りた。
    人間と動物の大きな違いは、相手に合わせることができるところだと聞いたことがあります。
    自分の一生は作品である!の言葉には非常に共感します。
    自分の一生というのは、たとえ汚い安いキャンバスと絵の具しかなかったとしても、それで描ける最大限の作品なんです。そういう課題を自分が与えられているという感覚が、昔の人は暗黙のうちにあったような気がする。それが、修行のようなところに出ていたんだと思います。

  • 「バカの壁」の作者 養老孟司さんと、
    ご存知、宮崎アニメや「おくりびと」の作曲をした 久石譲さんが
    耳、音、聴覚をキーワードに、語り合う対談です。
    考えただけで、わくわくする方同士の対談!

    いや~、一気に読んでしまいました。

    「なぜ人は音楽で感動するのか」など
    人間が音楽を美しいと感じるメカニズムについて徹底的に語り合っています。

    久石さんが音楽について感じていることを語ると、それは人間の脳がこんな風に働くから
    音に対してそう感じるんだね~と養老さんがメカニズムを解説する。

    そして、最終的には聴覚の持つ神秘の力を問い正す。

    面白くないわけがない!というのが感想です(笑)

    例えば、映画音楽の第一人者、久石さんが素朴な疑問としてあげているのが、
    ===========================
    映画に音楽をのせる際、厳密に映像に合わせて音楽をつけると、映像より音楽の方が先に聞こえてくるという現象が起きるということ。

    映像は光だから、普通に考えると音速より早いはずなのになぜ??
    ===========================
    それに対し、養老さんが
    ===========================
    ある見たもの、聞いたものに対して
    脳の神経細胞が伝達して意識が発生するまでの時間が、視覚系と聴覚系では違う。
    だからズレて聞こえる。
    ===========================
    という説明をします。
    そして、
    ===========================
    その2つの神経は元来別々のものだから、根本的にはそれは当然こと。
    それを一緒に組み合わせて考えているのは人間だけだ。
    ===========================
    などと、脳のメカニズムを解説するのです。

    他には、久石さんが
    ===========================
    今の時代、目から入ってくる情報にものすごく依存度が高くなっている気がする。
    ===========================
    と言えば、
    養老さんが
    ===========================
    意識を失った人が意識を取り戻す時も、最初に耳が回復し、次に目が開くのを考えると、
    生きていくときに基本となるのは、目よりもむしろ耳ではないか。
    ===========================
    という意見を述べる。

    音好きとしては、音についての対話というだけで興味わくものですが、
    それプラス「へ~~、そうなのか~」ということも多い。

    音への感覚(それも久石さんの研ぎ澄まされた感覚)に養老さんのメスが入るという感じでしょうか。

    音好きな方に(特に理系の方 笑)
    オススメな本です。

    ちなみに、養老さんは音楽は基本「ながら聞き」らしいです。
    仕事の邪魔にならないものが名曲らしいですよ(笑)
    本当に集中しているときは聞こえない。
    それでも思考の途中で、ふっと気持ちがよそへ行く、そういう時に聞こえてくる音楽が気持ちのいいものだといい。
    「聴きなさい!」とばかりに何かを強く訴えかけてくるようなものだと
    具合が悪い。
    なーんて書いてありました。

  • 非常にインテリジェンス溢れる二人の対談。どちらかというと養老先生の方のウエイトが大きい。
    対談だけに、もうちょっと説明が欲しいかなーってところが、さらりと流されていたりして理解がしにくい部分がある。

    やや年寄りの説教じみた所が目につくが
    、普段教授として学生に接していることで感じている憤りが根底にあるのだろう。まぁ、自分は納得いくことばかりだったけど。

    それにしても、知的な人の話は面白い。

  • 久石さんのことはジブリの映画音楽を作曲されている方というところからスタートしています。さらに、最近では「坂の上の雲」のドラマの曲も作曲されていて、とてもいい曲だなあと感心していました。ところが、本書を読むと、どうもそういう方面の曲だけではなく、現代音楽も作曲されているとのこと。11拍子だとか、17拍子だとか、いったいそれがどんなものなのか見当もつかないのですが、一度ぜひ聞いてみたいものです。さて本書は養老先生がいつも通り言いたい放題言っているわけですが、それを常に久石さんが感心して聞いているというかっこうになっています。(多分にいい加減な話も混ざっていると思いますが。)さて、視覚に比して聴覚の方は脳の古い部分(大脳辺縁系)で処理をしているということ、それから見ることより聞くことの方に早く反応するということ、そのあたりにおもしろい話題がありました。音楽を作るのに感性でいくのか論理から入っていくのかその辺もおもしろい。ブラームスが最も論理と感性の間で引き裂かれた作曲家であるという話も。ところで、最後の方でレヴィ=ストロースの「神話論理」の話をされているが久石さんはあの大著を読まれたのだろうか。

  • 久しぶりに、今自分が求めていた、いい本に出逢った。ちょうど気になっていたキーワードが全て出てきてびっくり。

    「時間、空間、時空」
    「空気と環境」
    「映像と音との速さの違い」
    「共感・共鳴」
    「五感」「目と耳の働きの違い」
    「意識と無意識」
    「アート」
    「情報化と情報処理」
    「視点のズラし」
    「共同体、村」

    高級な、でも素人にもちゃんとしっくりくる、本質的な言葉を使われる、養老さんの言葉ひとつひとつには溜息が出る。読み手のレベルに下げる、ではなく、確実におさえる要素、論理は外さず、でも、より身近に説明される。久石さんがあとがきで

    【僕が知りたかったことを、きちんとこの世のありとあらゆる知の中から適切な言葉を選んで置き換えていただいた。改めて自分の無知を反省した上で「知る」ということの無上の喜びを知った。】

    と述べられているのに、同意。ただ、対談としてはお二人の対話から生まれる「何か」がもう少し欲しかったところ。すこし、養老さん寄りのものに仕上がったかもなぁ、というところで★★★★☆

全38件中 1 - 10件を表示

耳で考える ――脳は名曲を欲する (角川oneテーマ21 A 105)のその他の作品

養老孟司の作品

耳で考える ――脳は名曲を欲する (角川oneテーマ21 A 105)を本棚に登録しているひと

ツイートする