本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784047102057
作品紹介・あらすじ
人間はなぜ音楽を生み出し、社会においてどのように役割づけてきたか? そして私たちはどのような曲を美しいと感じ、どうやってそれを受け入れていくのか? 謎の多い分野に脳科学と映画音楽の第一人者が挑む!
みんなの感想まとめ
音楽と脳の関係を探求し、人間の創造性や共感性を深く考察する内容が魅力的です。著者は音楽の美しさやその受容の仕方を、脳科学の観点から解明しようと試みています。特に、対談形式で展開されるため、著名な作曲家...
感想・レビュー・書評
-
久石譲さんが音楽を担当された映画は何作も観てきたし、養老孟司さんの本もずいぶん読んできたけれど、おふたりの対談をこうして読むのは初めてかも!本が出たのは2009年。東日本大震災の前だったけれど、「第五章 共感性と創造」時代の共鳴のあたりのおもしろさや新しさにはゾクゾクするし、なるほどなぁ!と何度もひざを打つ。この先何が起こるかはわからないけれども、自分の一生は、その人ならではの作品。深い。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館をふらついていて、養老孟司×久石譲という異色?の組み合わせに惹かれて手に取った本。なんとなく好きだった久石譲の音楽をもっとよく知りたいと思わせてくれた。
目次をたどるだけでも、お二人がご自身の専門を軸としながら、色んな話題を結合している(特に養老さん)ことが伺える。
(まえがき 養老孟司)
「音楽は論理性が高い。一部の音楽は強く情緒に訴えるから、そう思わない人も多いであろう。でもとくにクラシックは論理性に傾いている。数学と音楽、なかでも作曲の才能が、個人のなかでしばしば重なることは、西欧でも古くから知られたことである。筋の通った久石さんの話を聞いていると、よい音楽を聴いているような気持ちになる。音楽と言葉が深いところで連結しているということを、話しながら実感させてもらった。」
→長年音楽してきたのに音楽の論理を知らないことは恥ずかしい…。音楽の論理性について知ることができた。
(p.69- どこにも顔がない音楽)
プロツールス(リズム、音程もデジタル修正できる)
→売れる歌手って歌の巧さより顔、個性なのでは。私自身の好みしかり。
(p.72- 空気が変われば感性も変わる)
日本とロンドンとのレコーディングの違い。
「久石:環境がこちらの感性を変えているんですね。」
「養老:アートといわれるものには、その風土の総合的なものが表れる。(中略)パイプオルガンなんか典型的で、そもそもが西洋の石でできた教会のホールみたいなところで発達しているわけですから、日本に持ってきても合わない。湿度の高い日本ではあっという間に音が変わってしまいますよね」
(p.80- 作曲の胆も閃きにあらず)
「久石:作曲とは限られた音の中での構築作業であって、何かパッと閃いたものを次々出していけばいいというものではない。」
「トゥランガリーラ・シンフォニー」まさに巨大建築物を造る
(p.85- 創作の二面性)
意識的な志向性、情緒的、エモーショナル、メッセージ性/機能性、論理性、運動性
対談形式。だから、お二人も一言一句に気を配っている訳でもないだろうし、ぱっぱっと読み飛ばしました。自分の経験からか、対談を書き起こした人がどんな方なのか。何に気をつけているのかが気になるところ。実際にお二人が話しているところを是非お聞きしてみたい。 -
養老孟司と久石譲の対談形式.
音楽関係かとおもいきや,関係ない雑談がだいぶある.タイトル詐欺か?
どちらかというと,文化について二人が自分の意見を言ってるだけの対談か.
養老が白熱してきて久石がちょっと引いてる場面が面白い. -
・何かを発明発見する人には、偶然を捕まえる能力が必要。
・特に若い人たちを見ていると、言葉が何かを表現するもの、伝えるためのものではなくて、自分を慰めるものになっている。
・真っ赤な嘘であることを保証されたものは人の心をつかむ。
教会と劇場。
・どうやって嘘をつくかの大前提がしっかりしているかしてないかがフィクションの基本。
・人と動物の違いは合わせることができるか。
・相手の立場に立つことができるから、合わせることができる。
・全然違う分野であって、相互に話し合いをしているはずもないけど、そこになにか時代との共鳴感が通奏低音の様に流れている。
いい創作とはそういうものではないかという気がする。
・宮崎さんも村上さんも、今という時代に寄り添って普遍的なものを探している。
・古典は共感性が強く、普遍性がある。
・オリジナリティは新しい共感を発見すること。
・俺の一生は俺の作品
・芸術とは、ある分野で、1つの何かをとことんまで突き詰めたときのありようを示してくれている。
自分の一生を重ねられるから、託せるから価値があった。
生きている意味を感じられた。
自分の生きる意味を神に預けられたら楽だが、皆怠けてしまう。
・第三者が人生という人の作品に手を加えてはならない。
・「ああすればこうする」的思考が現代の問題の根幹。
-
「情報化は現物を見て言葉にする作業」
・ものの特徴を説明するには違いを知る必要がある。何が情報化に値することなのか分かること。そのためにはたくさん見ておく必要がある。一匹の虫を見てどこを説明するか。何が他と違うのか。どこが他と同じなのか。どのような特徴があると言えるのか。他との違いを知らないと説明の要点が絞れない。
・情報化とは現物を見て情報に落とし込むこと。情報処理は情報を整理してまとめること。情報処理は2次情報を加工してるだけで現物は見ていない。クリエティブなのは情報化の領域で情報処理はつまらない作業になりがち。
-
私は対談とは「イマイチ論理が深まらないもの」だと感じています。
この本もイマイチ論理が深まっていないと感じました。
でも久石譲が大好きな私には面白い一冊でした。 -
●ジャンルとして音楽の本かと言えば微妙だが、含蓄に富んだ話が多く、楽しく読めた。
-
Vol.42
時間が経っても色あせないものとは?
http://www.shirayu.com/letter/2009/000087.html -
食わず嫌いで、対談モノはあまり読んでこなかったのですが、久石さんとの対談とのことで手に取った。
久石さんご自身があとがきで言われているとおり、彼は聞き役。
養老さんの話力はさすがで、学者の明晰なところと、文化人としての面白いところが混ざっていて凄いなと。が、もっと久石さんの話も聞きたかった、というのが正直なところ。
久石さんの気持ちを知って、自分の演奏に生かせたらと思ってたのですが、なんと言語学的なパートも相当の頁を割いて出てきている。思わぬ収穫でした。 -
-
すごく刺激的な本
-
脳に関する多数の著作を持つ解剖学者、養老氏と宮崎アニメなどの映画音楽を中心として知られる作曲家、久石氏の対談。
音楽が人々をとらえる仕組みを、人類や生物の起源までさかのぼる。視覚や触覚と比較しながら聴覚が脳に対して優位に働く様子が説明される。
お互いの立場で「いい音楽とは何か」に言及される。バッハやモーツァルトが多作だった理由。「意識」を取り巻く情報化と情報処理に、言葉の働き。
作曲にはオリジナリティだけでなく、根本に共感性が必要だという。多々あるロックやジャズの名演即興はそうなのかと、フッと理解したような気になるのである。 -
物事の真理というものは、言葉だけでは説明しきれない。
芸術も言葉にできないものがあるからこそ、芸術として表現する。
オリジナルティとは、新しい共感を発見すること。
そして、良い音楽とは長く聴かれ、色褪せない。 -
音楽について…というより人生についてっていう感じがします。
養老孟司さんの「情報化」と「情報処理」のお話が面白かったです。内容の薄い考えにならないためにはどうすればいいかということがわかりました。あとはどう実行&継続していくか… -
2015/12/27図書館から借りた。
人間と動物の大きな違いは、相手に合わせることができるところだと聞いたことがあります。
自分の一生は作品である!の言葉には非常に共感します。
自分の一生というのは、たとえ汚い安いキャンバスと絵の具しかなかったとしても、それで描ける最大限の作品なんです。そういう課題を自分が与えられているという感覚が、昔の人は暗黙のうちにあったような気がする。それが、修行のようなところに出ていたんだと思います。 -
非常にインテリジェンス溢れる二人の対談。どちらかというと養老先生の方のウエイトが大きい。
対談だけに、もうちょっと説明が欲しいかなーってところが、さらりと流されていたりして理解がしにくい部分がある。
やや年寄りの説教じみた所が目につくが
、普段教授として学生に接していることで感じている憤りが根底にあるのだろう。まぁ、自分は納得いくことばかりだったけど。
それにしても、知的な人の話は面白い。 -
久石さんのことはジブリの映画音楽を作曲されている方というところからスタートしています。さらに、最近では「坂の上の雲」のドラマの曲も作曲されていて、とてもいい曲だなあと感心していました。ところが、本書を読むと、どうもそういう方面の曲だけではなく、現代音楽も作曲されているとのこと。11拍子だとか、17拍子だとか、いったいそれがどんなものなのか見当もつかないのですが、一度ぜひ聞いてみたいものです。さて本書は養老先生がいつも通り言いたい放題言っているわけですが、それを常に久石さんが感心して聞いているというかっこうになっています。(多分にいい加減な話も混ざっていると思いますが。)さて、視覚に比して聴覚の方は脳の古い部分(大脳辺縁系)で処理をしているということ、それから見ることより聞くことの方に早く反応するということ、そのあたりにおもしろい話題がありました。音楽を作るのに感性でいくのか論理から入っていくのかその辺もおもしろい。ブラームスが最も論理と感性の間で引き裂かれた作曲家であるという話も。ところで、最後の方でレヴィ=ストロースの「神話論理」の話をされているが久石さんはあの大著を読まれたのだろうか。
-
音楽とは?とか、クラシックと歌謡曲とは一体何がどう違うのか?という、取り付くしまもなさそうな疑問を持ち続けてきた。本書のような対談式の音楽論本を読み漁っているが、今だ満足のいく納得感が得られない状況。音楽家と解剖学者の対談、というちょっと変わった取り組みでの話の進行は非常に面白いものがあった。養老先生のずばり言い切るところは小気味いいくらい。
しかし、読後、まだまだもやっとした感覚が頭から抜けずにいる。いましらばくこの道は続くのか、というところか(猛烈な解決要求があるわけではないが、興味がつきないので、類書は今後もあたっていこうと。本書はその意味で、また別の音楽への視点を得るきっかけをくれる内容ではある)。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
養老孟司の作品
本棚登録 :
感想 :
