情報病――なぜ若者は欲望を喪失したのか? (角川oneテーマ21 C 179)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047102194
作品紹介・あらすじ
なぜ、草食?なぜ物を買わない?消費不況の原因は「情報」だ。もう、笑うしかない現代若者の実態。
感想・レビュー・書評
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図書館より
大学の課題のため慌てて若者論を読み始めている今日この頃(笑)。
この本は消費や階層についていくつか本を出版されている三浦展さんと、若者研究が専門の原田曜平さん、そして今どきの若者を加えた対談本となっています。
現代の若者ということで草男君(仮名)と鉄子さん(仮名)が対談でいろいろ話してくれるのですが、彼らの考え方や思考がすべてを表しているか、と聞かれるとまた微妙なところ…。
草男君は「リア充」についていろいろ語ってくれるのですが、自称「非リア充」の自分からすると、
「あなたはあなた自身が軽蔑しているリア充とどこがどう違うんですか?」と嫌味たらしく聞きたくなってしまいます(笑)。(単にやっかみかもしれませんが)
専門家のお二人も草男君の話を重視しすぎていて、若者の全体像の話ができているのか、と言うと何とも微妙な気がします。
と言っても全否定をしているわけではなく、情報化と消費の話、今の若者はバブル崩壊後の安い商品を買うことがスタンダードになった社会で成長したため消費が盛り上がらないという話、
そして何よりも最後に自由すぎるからこそ、”絆”という不自由さを求めるという言葉は納得できました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
異世代対談集。
発行は2009年だが、現代版を希望する。
他の読者とは求めるものが違うのだろうけど。
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今の若者=コミュニケーション消費が多いためモノ消費に向かわない。
女子が大学に増えて同調志向が非常に強くなった。 -
2009年12月10日
消費社会研究家の三浦展氏と博報堂主任研究員の原田曜平氏が送る一冊。
三浦氏と言えば「下流社会」が思い浮かぶ。「非モテ!」もあったが、印象としては下流社会が記憶に残っている。
原田氏は、あまり有名な著作を知らないが、この本の赤らみであろう「近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」」というのを近々出版されるようだ。
情報病という視点で、今の若者が置かれている状況を考察する、というものだが、共著者の二人とリアルな若者二人(草男、鉄子)の対談の形式になってくる。
この若者二人はある程度冷静な視点で自分たちの世代を観察できているようで、4者の対談の中であぶり出させる現代の若者像は非常に興味深い。 -
副題の「なぜ若者は欲望を喪失したのか?」の答えは
下記のとおり。
表面的には欲望を喪失したように見えるが,
欲望を喪失したワケではない。
物を消費するのではなく,人間関係の消費に
時間とお金を費やしているから。
空気を読まなければいけない人間関係は,
面倒臭いですなぁ…。
そういった人間関係の方が安心できる
って人も多いのかもしれないですけど。 -
若者研究にまつわるイベントに備えた予習で読んでみました。
三浦さんと原田さんの立ち位置の違いが面白いですね。
私は40代ですが、感じ方は原田さんに近いです。若者の考えや行動にシンパシーを感じるところもあり。
人間関係にかかるコストは、増えていく一方なのか、逆に減ることもあるのか。 -
最初は、大学生2人を入れての対談形式が、週刊誌の覆面座談会のようで取っ付きにくかったです。しかし、我慢して読めば何とかなります。
自分は、既に下流なので、「下流社会」はまだ未読だったのですが、いろいろ参考になりそうなので読んでみたいです。 -
タイムリーに読み必要がある。
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若者の村化が進んでいる。携帯電話が昔の相互監視社会に戻っていく感じになっている。
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自分も「情報病」だと思うが、その病を克服するヒントはここにはなかった。