ぼく、牧水! 歌人に学ぶ「まろび」の美学 (角川oneテーマ21 A 122)

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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102538

感想・レビュー・書評

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  •   けふもまた心の鉦を打ち鳴らし打ち鳴らしつつあくがれて行く

    「あこがれ」の語源は「在所(あく)を離(か)る」
    「あこがれ」と「寂しさ」は表と裏
    だから心の鉦を打ち鳴らすんだよね
    はい、もうすごくよく分かります
     

     酒やめてかわりになにかたのしめといふ医者がつらに鼻あぐらかけり

    なんでもない日常、なんでもない自分
    それを丸ごと肯定できる牧水の実体が感じられて
    大好きな歌

    記憶メモ:酔っ払った牧水の口癖は「どうでもしなはれ」

  •  与謝野鉄幹・晶子の「明星」時代→牧水時代→斎藤茂吉の「アララギ」時代。啄木、白秋と仲がよかった牧水、啄木の最期を啄木の家族と一緒にみとる。牧水は23歳の時、1つ年上の人妻園田小枝子と大恋愛し失恋し、その後に3つ下の太田喜志子という歌人と結婚、4人の子を。伊藤一彦&堺雅人「ぼく、牧水!」、2010.9発行。著者2人と牧水の共通は、宮崎県と早稲田大学とのこと。牧水の歌はよく知られてると思うので、今回は糟糠の妻の歌をw:①とこしへに光る心の一すじを育む人に添ひにけらずや ②いそいそと大地踏みならし来る君の足(あ)の音(と)より世に恋しきはなし

  • 10年積読してて、やっと手が出て、2日で読了。
    牧水の歌にいいなぁと思っていても、なかなかまとめて読むのはしんどい。濃いい料理がどんどん出てきて消化できない感じ。
    この本は、一首ずつ簡単な解説付きで読み進められた。
    牧水の人となりがこの本でよく理解できたので、歌集、読めるかな。

  • 堺雅人と高校時代の若山牧水研究家の恩師の対談。

    これまで知ることのなかった牧水について知ることができた。

  • 俳優・堺雅人に関心があって読みましたが、名前しか知らなかった牧水を身近に感じ、更には生きるためのメッセージを受け取るという面白い本でした。高校の恩師である伊藤先生と堺さんが3夜掛け、酒を呑みながら牧水問答を繰り広げます。個人的に、堺雅人のイメージが良い意味で変わりました。飄々とした奇才といいますか…笑。タフで知的でユニークな方なんだな、と!語彙の多さには驚かされました。伊藤先生との会話を心地よく拝聴しました。機会があれば、牧水の朗読劇の一人芝居、みて見たいですね。

  • 俳優の堺雅人と恩師の伊藤先生が、同郷の牧水について呑みながら語り明かす。2人の話が、牧水に始まり大きく拡がりまた牧水に戻ってくるのが楽しい。役者の堺さん、俳人でもある伊藤先生それぞれに一番表現しやすい言葉で 語っているのに、不思議と共通する健やかな牧水観。

  • 俳優の堺雅人と恩師との飲みながらの
    牧水談。
    ゆるりゆるりといい感じです。

  • 堺雅人の恩師にあたる著者との対談で牧水を考察した新書。
    それぞれの人となりに加えて牧水の短歌についてももちろん印象深く心に残った。

  • 牧水を愛る歌人と俳優の対談集。

  • 「あこがれ」の語源は、あくがれ(在く離れ)、今居る所を離れていく、ということであったらしい。
    「あくがれ」と「なまくら」

    小夜子との恋愛の様子、失恋の様子が秀逸です。

著者プロフィール

昭和18年、宮崎市に生まれる。早稲田短歌会を経て、「心の花」に入会し、現在選者。
歌集に『海号の歌』(読売文学賞詩歌俳句賞)、『新月の蜜』(寺山修司短歌賞)、『微笑の空』(迢空賞)、『月の夜声』(斎藤茂吉短歌文学賞)、『待ち時間』(小野市詩歌文学賞)、また歌集『土と人と星』及び評論『若山牧水─その親和力を読む』により現代短歌大賞・毎日芸術賞・日本一行詩大賞を受賞。
若山牧水記念文学館館長。宮崎市に住む。

「2018年 『光の庭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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