ぼく、牧水! 歌人に学ぶ「まろび」の美学 (角川oneテーマ21 A 122)

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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102538

作品紹介・あらすじ

不安を生きる現代人に薦めたい、牧水の歌と人生。

感想・レビュー・書評

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  • この本もまた、ツイッター上で@hideoharadaさんが紹介されていたので、購入しました。
    私が子供の頃、通っていた小学校て、確か、僅かな期間だったけど、若山牧水が通ったこともあったみたいです。
    若山牧水の伝記か何かに、その話が出てて、記憶が不確かなのですが、家の都合か何かで、一旦、私の通った小学校に転校になったものの、いじめにあって元の小学校に戻ったとかいう話だったかと思います。
    でも、その小学校には、若山牧水の歌碑が一応、ありましたからね。
    ただ、木製だったから、今もあるかどうか、、

    それはともかく、この本を読んで、若山牧水がなんとなく身近に感じられるようになりました。
    何時か、若山牧水の歌集を読んでみようかなという気もするのですが、でも、歌集を読むのって、ものすごく労力がいるので嫌なんですよね。実際。

  •   けふもまた心の鉦を打ち鳴らし打ち鳴らしつつあくがれて行く

    「あこがれ」の語源は「在所(あく)を離(か)る」
    「あこがれ」と「寂しさ」は表と裏
    だから心の鉦を打ち鳴らすんだよね
    はい、もうすごくよく分かります
     

     酒やめてかわりになにかたのしめといふ医者がつらに鼻あぐらかけり

    なんでもない日常、なんでもない自分
    それを丸ごと肯定できる牧水の実体が感じられて
    大好きな歌

    記憶メモ:酔っ払った牧水の口癖は「どうでもしなはれ」

  •  与謝野鉄幹・晶子の「明星」時代→牧水時代→斎藤茂吉の「アララギ」時代。啄木、白秋と仲がよかった牧水、啄木の最期を啄木の家族と一緒にみとる。牧水は23歳の時、1つ年上の人妻園田小枝子と大恋愛し失恋し、その後に3つ下の太田喜志子という歌人と結婚、4人の子を。伊藤一彦&堺雅人「ぼく、牧水!」、2010.9発行。著者2人と牧水の共通は、宮崎県と早稲田大学とのこと。牧水の歌はよく知られてると思うので、今回は糟糠の妻の歌をw:①とこしへに光る心の一すじを育む人に添ひにけらずや ②いそいそと大地踏みならし来る君の足(あ)の音(と)より世に恋しきはなし

  • 10年積読してて、やっと手が出て、2日で読了。
    牧水の歌にいいなぁと思っていても、なかなかまとめて読むのはしんどい。濃いい料理がどんどん出てきて消化できない感じ。
    この本は、一首ずつ簡単な解説付きで読み進められた。
    牧水の人となりがこの本でよく理解できたので、歌集、読めるかな。

  • 読了 2019/12/28

    ひょっとしたら今年最後の読書かもしれない。
    9月くらいに唐突に沼に落ちた、若山牧水について、
    彼の故郷とおなじ生まれである堺雅人とその恩師伊藤一彦が、
    酒を飲みながら交わした対談集。

    堺雅人が若山牧水の全集を読んでいるのには笑った。
    私はかれより若いときに若山牧水にであったから、
    かれより長く若山牧水にふれていられるだろう、
    彼より長く生きれば。

    わたしは詩歌が本当に苦手。でも学んでみたい気持ちになった。

  • 堺雅人と高校時代の若山牧水研究家の恩師の対談。

    これまで知ることのなかった牧水について知ることができた。

  • 2010-10-21



  • 堺さんの、
    牧水は、バランスを崩すことを前提として、人生というものをとらえていたのかもしれませんね。生きていること自体、バランスを崩し、まろびながら前に進んでいくものなのだ、ということを知っている人。

    という表現が印象的だった。

    牧水が強く「あくがれ」、歌で表現しつづけたものは何なのか・・・歌集を手に取ってみたいと思う1冊だった。

    けふもまたこころの鉦をうち鳴しうち鳴しあくがれて行く

  • 文字で表現する「短歌」と、身体表現を伴う「演劇」という二つのフィールドが出会った時の化学反応が楽しい一冊だった。
     若山牧水という歌人の魅力が対談形式で次々に明かされるのが、この本の一番の良さだと思う。「対談形式」にはひとひねりあって、牧水研究第一人者とその教え子堺雅人との対談。
    伊藤先生と、堺さんとの高校時代から続く関係性がいいからなのか、構えることなく読んでいて気づいたら牧水の人生の深いところまで覗くことができていた、という気にさせられる。
    「あくがれ」は「有限の人間が求める力強さ」(伊藤)、「さびしさと生命力が、対立する言葉じゃない」(堺)という解釈が面白い(p143~145)。
    あとは、「さびしさに色がある」(堺)という読みかたもいいなと思った。
     
    だいぶ前に、電車の中などで慌ただしく読了した本で、一度ツイッターに感想をメモしたりしているのだけれど、しっかり残しておきたかったのでここに書いておく。

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著者プロフィール

昭和18年、宮崎市に生まれる。早稲田短歌会を経て、「心の花」に入会し、現在選者。
歌集に『海号の歌』(読売文学賞詩歌俳句賞)、『新月の蜜』(寺山修司短歌賞)、『微笑の空』(迢空賞)、『月の夜声』(斎藤茂吉短歌文学賞)、『待ち時間』(小野市詩歌文学賞)、また歌集『土と人と星』及び評論『若山牧水─その親和力を読む』により現代短歌大賞・毎日芸術賞・日本一行詩大賞を受賞。
若山牧水記念文学館館長。宮崎市に住む。

「2018年 『光の庭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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