恐れるな! なぜ日本はベスト16で終わったのか? (角川oneテーマ21)

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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102583

感想・レビュー・書評

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  • チェック項目21箇所。親善試合は結果を求めるのでなく、チームを良化、成長させるためのディテールをチェック、調整するために役立てばいい。最後は選手一人一人がピッチで考え、行動する・・・選手を信じてはならない。知的にプレーする=自分で考える力。戦術は毎試合、毎分変わっていく。柔軟な対応力が必要。多くの幅広い知識領域から吸収することが理想的。責任感を強調しすぎてはいけない。リーダー・・・生まれながらの資質、技術の優位性ではなく、性格、アグレッシブに最後までプレーをし続けるパーソナリティ。一人のスターだけに頼るよりもチームでゲームを支配するというスタイルに向かっている。負けないサッカーにこだわりすぎてディフェンシブになっている。2014年のリーダーは中村俊輔。本田はまだ若すぎる。

  • ご存じ、イビチャ・オシム氏が南アフリカ・ワールド杯を振り返り、そして2014年ブラジル大会までに日本代表が何をすべきか熱く語った一冊。日本の全試合、各選手について、審判、Jリーグ、優勝したスペイン代表、戦術、観客、マスコミ、JFA、ザッケローニ等、我々が知りたい全方位のテーマに対する言及がなされており、氏の日本サッカーへの深い愛情を感じる。

    読み進めていくうちに、ふと、オシムこそ現在考えられる”最強のキュレーター”なのではないかと思った。
    キュレーター=情報を収集し、選別し、それらに「意味づけを与えて」、共有する人。
    オシムほどの人をつかまえて”キュレーター”とはいささか失礼な感もある。ただし、彼の発言は常に意味づけ、方向づけにとどまる。それは、本来考えてしかるべき人への配慮でもあり、叱咤でもある。ヒントは言うけれど、絶対に答えは言わない。例え時間がかかろうとも。

    彼の行っている意味づけは、シンプルで明解だ。「リスクを冒せ!」
    オシムいわく、「今大会は史上最悪のワールドカップ」だったそうだ。これは、今大会が人類にとって初めて、ソーシャルメディアと共にすごしたワールドカップであったことと無縁ではあるまい。なぜなら、選手が一番戦わなければならない相手は、失敗に対する批判であるからだ。そして、情報化が進むにつれ、その相手は巨大化していく。

    2014年ブラジルワールドカップまで、我々もまたサッカーファンとしてのリテラシーを高め、一人一人が優れたキュレーターになっていかなくてはならない。正しい方向にプレッシャーをかけることこそが、選手の「リスクを冒す」能力を育てるに違いないからだ。

  • オシムは保守を嫌い、リスクをおかせが一貫したメッセージだった。

    駒野をスピードがあると称し、俊輔を唯一の才能がある選手と称している。
    なんとなかわかるけど、サッカー知らない私のようなチンチクリンにはやっぱりよくわからない。

    一時間半あれば読める本。オシムに興味があったので。

  • はじめに

    第1章 ほんの少しのリスクと勇敢さを

     勇気が欠けたことを省みよ
     4-3-3シフトの流行
     成功した本田のCF起用 ほか

    第2章 べスト16の真実

     自信、忍耐、経験が、カメルーン戦の勝因
     エトーの長所を殺した
     ロングボールのこぼれ球をケアしろ ほか

    第3章 南アで日本代表に見えたもの

     どのようにして勝つか?
     岡田監督の遺産
     ロバに機関車は運べない ほか

    第4章 スぺインの美しき勝利

     メデイアが勝利した大会
     5つの視点
     敵のビッグプレーヤーを消す戦術 ほか

    第5章 2014年ブラジルW杯への提言

     JFAになかった「ぶれない指針」
     ザッケローニは何を求めているかがわかっている男
     ザッケローニの不安点 ほか

    おわりに

    1.自信、忍耐、経験がカメルーン戦の勝因
     日本は、なぜ、初戦のカメルーンに勝てたのか? それは自信、忍耐、経験という3つの言葉に集約されるだろう。日本は、カメルーンのパワープレーを防いだ。このアフリカの国の長所を消した。カメルーンのフィジカルに悩まされはしただろうが、最後まで知的にプレーを続けた。この勝利を今改めて分析するとき、日本人の忍耐力という国民的特性を考えざるをえない。

     ミスを恐れ、こぼれ球を拾っても、それが攻撃につながらない。ゴールを決めるアイデアにも欠けていた。ドリブル以以外のアイデアで組織的に突破しようとする姿が見えなかった。確かに体も頭も疲労のため、動かなかったのはわかる。しかし、相手も同じ条件だ。なぜ、そこで、自分たちは、「負けないサッカー」ではなく、「勝つサッカー」をするのだという、強い意志を見せなかったのか。ゴールをスコアするための努力、トライを怠れば、「勝利の5分間」はやってこない。ゴール前に行かねば、誰も得点などできないのである。

    例えば日本代表は、相手のゴール前でのプレー効率が悪い。これについては、世界のどのチームも抱えている問題で日本の場合は、プレー効率の悪さの原因がスピードにあるのだ。
    「プレーにスピードがない」「考えることにスピードがない」「ランニングにスピードがない」と、ないないづくしである。
     効率の悪さの原因を突き詰めると、すべて「スピード」に辿り着く。ただし、「走り」は改善できる。日本代表チームの戦略は、まったく問題ないと思う。考え方のスピードとプレーのスピードに問題があるだけなのだ。

    Jリーグにおけるサッカーは、まだまだ未完成だ。厳しい意見を言うようだが、まず第一にスタジアムに殺気がないのだ。ヨーロッパのほぼすべての国において存在するプレッシャーは、日本には見当たらない。非常に重要なことなのだが、スタジアムに緊張感がない。雰囲気が、まるでぬるま湯のようであれば、そこで何かビッグなことを成し遂げるのは難しい。

    私は、ワールドカップ直前にイングランド戦がグラーツで行われた際、日本代表選手に会うために彼らのホテルを訪れ、非公式に話をした。その部屋には、入れ替わり立ち替わり15人ほどの選手が集まっただろうか。だが、そのとき、私が抱いた印象は、「彼らは野心的ではないな」というものだった。さらに悪いことは、そういう野心を、本来ならギラギラさせていなければならなかったはずの若い選手たちまでが抱いていないということだった。私が指摘する日本の選手たちの主たる野心とは、ヨーロッパのクラブと契約することである。

    今こそ、「なぜ、岡田監督率いる日本代表が、日標であるべスト4を達成できなかったのか」という結論を引き出し始めねばならない。なぜ、パラグアイに敗れ、8年前にはトルコに敗れたのか。それは、おそてらく傲慢とも言える楽観主義であり、或いは、日本人が本当の意味で勝つためのチームを持っていなかったためである。特にメンタル面での失敗は、日本にとっては残念な部分だろう。チームは、4年という短いようで長い歳月で作ることができる。だが、もし、彼らが倣慢になったとしたら、そこには未来はない。

    日本には、才能のあるミッドフィルダーが揃っているが、攻撃参加する適応力と勇気がない。威嚇とは程遠い場所にいるのだ。
     パラドックス(逆説)に聞こえるかもしれないが、技術と機動性に優れた日本人にとって、ミッドフィルダーというポジションは最も潜在的に適しているし、強いとも思われるポジションのはずだった……だが、裏を返せば最も弱いポジションなのだ。もし敵が、この部分を攻めてくるならば、非常に対処に困るだろう。


    ■8.パスサッカーを追え
     私は、日本が南アフリカでパスゲームを捨て去ったとは思わない。今後、パスサッカーに立ち返り、スぺインのスタイルを追うことは悪くない。それは、とてもロジカルなトレンドだろう。日本人には、そのスタイルでプレーすることが可能で、傾向として、そういうプレーを好む選手たちが多い。そこまで条件が揃っているならば、そのプレースタイルを追求すべきだ。さらにべターなものにするように努力すべきなのだ。その努カの形が正しいならば、きっと私を驚かせるような素晴らしいものとなるだろう。

    その最たるものが「リスクを取らない」。

    W杯は大きな大会ゆえ、しょうがない部分もあるのでしょうけど、「負けない」試合運びを意図するあまり、「リスクを取らない」選手が続出しました。

    その結果がベスト16での敗退につながったとオシム氏は分析しています。

    なお、リスクを取ることの重要性は、大会前に出されたこの本でも口をすっぱくして言われていたのですが、結局心配していた通りになったと言いますか。

    今回割愛した第4章では、南アW杯における出場各国について、オシム氏の分析が掲載されており、ここはサッカーファンなら一読の価値アリ。

    一方、日本代表以外の国には興味がない、と言う方には、第3章での日本代表分析を。

    この第3章には、上記ポイントで触れた「グラーツでの極秘会談」の話が収録されており、具体的に何人かの選手との話し合った内容についてまで書かれています。

    また、実際のW杯でのプレーぶりを踏まえた上での論評も、個人名を挙げてなされており、この章は読み応えがありました。


    ◆そして、最後の第5章では「ザックジャパン」というか、2014年W杯を目指す日本代表の「あるべき姿」を提言。

    一部報道があったように、オシム氏がザッケローニ監督の就任を、手放しで喜んでいない(?)ように感じるのは、「もし日本がパスサッカーを志向するなら、イタリア人監督って、どうなの?」ということのよう。

    私はそれほど詳しくないのですが、守備もオシム氏が「マンツーマン」だったのに対して、ザッケローニ監督は「ゾーン」ですから、その辺の考え方の違いもあるのかもしれません。

    ただ、本書は当然、先日のアルゼンチン戦を踏まえてはいないわけで、あの試合を観た上でのオシム氏の感想をぜひお伺いしてみたいな、と。

    もっとも現時点であっても、次の韓国戦も見てみないと、まだ何とも言えないとは思いますが。


    ◆本書は、オシム氏の言葉だけで200ページを超えるボリュームがあり、「オシムファン」にはたまらない1冊に仕上がっています。

    もちろん、日本代表ファンにとっても、W杯を振り返り、ザックジャパンを応援する上で、ポイントとなる指摘も多々。

    ちなみにネタバレ自重なんで伏せますが、オシム氏は「2014年のリーダー」まで挙げていて、これが結構意外な選手なんでちょっとビックリしました(ファンの方には申し訳ないですが)。

    それにしても、日本を離れてからも、こうして相変わらず日本代表を応援してくれるオシム氏には、感謝の念が堪えません。

    これはもう、2014年W杯では、上位に進出することで、恩返しをしたいものです。

  • ・「スピード」が貴重な武器になる。
     スプリントスピード、判断のスピード。
    ・中村俊輔は日本代表に必要。

  • ワールドカップが 終わり、
    なんとなく 不完全燃焼があった。

    野球やラクビーの選手や監督の 本を
    読んだことが あったが、
    サッカーについては、ほとんど読んだことがなかった。

    たまたま イビチャオシムの本が あったので、
    手に取ったが おもしろい。
    『サッカーの思想家』と言われるだけあって、
    人間論、日本論が 背後に しっかりと控えている。
    サッカーに対する 思い入れも 充分に伝わる。
    『脳梗塞』で倒れても、未だ、健康な思考の中で
    考察している。

    実名で それぞれがでてくるし、2014年のワールドカップでも
    でた選手が多いので、なるほどなぁ。サッカーって そうみるのか
    と あらためて 認識しなおした。

    おもしろかった。
    選手に対する評価。
    それぞれの国のサッカーチームに対する評価。

    南アフリカにおいては 
    スペインが 最も理想に近い チームとの評価。
    それが パスサッカー。

    ホンダだけでは、だめだ。
    中村俊輔を ブラジルでは 軸にすべきだと言う
    オシムの提言は 実現しなかった。

    オシムは 今度の ブラジル大会をどう見たのだろうか
    それが 知りたいなぁ。

  • 本当に勝ったのは札束だったのかもしれない

    深い

    ブラジルW杯では、過度な期待はせず、勝ち負け以外の部分も応援していきたい

  • 今更南アフリカを振り返る。
    このときからブラジルでは俊輔を中心にって言っていたとは。

  • ☆$$イマイチ。著者らしく見識は深いが、結論がぼやける。$$

  • 読む時期が遅すぎた(>_<;)
    それはそうと、これ翻訳(聞き書き)したのは誰なんだろ?

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