オバマの誤算 「チェンジ」は成功したか (角川oneテーマ21)

  • 角川書店 (2010年12月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784047102644

作品紹介・あらすじ

アメリカ初の黒人大統領バラク・オバマ。だがあれから2年、人々の希望は色褪せつつある。内政、外交とも成果が残せないまま、オバマのアメリカはどこへ行くのか。

感想・レビュー・書評

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  • 2010年12月に出版されたものを2019年に買って積読にしていた。今更だが読んでみた。
    オバマ政権はとうの昔に終わっているが、だからと言ってこの本を読むことは無駄ではなかった。
    内容はほぼ、オバマの苦労、苦悩に割かれているが米国の歴代主要大統領の政策実現過程を知ることが出来たし、ティーパーティー運動、ノーベル平和賞授賞の実情もわかった。

    米国はどうなっていくのか。

  • オバマは白人だったら今の地位はなかった。
    自分はアフリカ系アメリカ人であることを記者会見でも主張していた。
    高校時代まですごしたハワイでは多種多様な人種の混在する社会だから人種がそれほど重要な意味を持っていなかった。カリフォルニアのオキシデンタル大学に入学してから黒人としてのアイデンティティを追求するようになった。

  • オバマ氏が大統領に選ばれることになった投票日(2008年11月)にたまたまアメリカ出張がありました。投票日は昔から火曜日で仕事の日なので、その日は早めに多くの人が帰宅していたのを覚えています。

    あれから2年少し経過して、就任式の熱狂から覚めたのでしょうか、次第にオバマ氏の成果を問うものも見られるようになってきたと思います。地震被害への対応スピーチを聞いていても、我が首相とオバマ大統領との訴求力の差を感じてしまうこの頃です。

    この本は地震発生前に読んだ本ですが、オバマ氏が「チェンジ」をもう一つ行えていない点について書かれています、黒人大統領と言われながら、黒人のための大統領になるつもりは無いと言っていた彼がいまどのように言われているのか等、日本のメディアを見ている限りではわからない点について書かれていたと思います。

    国民皆保険の導入など、大変とは思いますが「チェンジ」に取り組み続けてほしいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・人種差別が法的には撤廃されているが、いまだに教会では白人と黒人は分かれて祈りを捧げているのが普通(p31)

    ・オバマは金持ちの家柄ではないので、別荘とか牧場を持っていないので、警備の関係から利用できる施設も限られる、就任2年目の夏までに、ブッシュ氏は14回、115日、オバマ氏は8回、48日のみ(p47)

    ・偉大な黒人指導者は色が白く、黒人英語でなく標準英語を話す、色の白い奴隷(ハウススレイブ)は主人の家で家事労働をするが、色の黒い奴隷はフィールドスレイブとして畑仕事をする(p59)

    ・白人オバマ支持率は、就任時の62%から、2010年には38%と大幅低下、ヒスパニックの場合は、74から54%、黒人支持率は88%のまま(p83)

    ・オバマ就任後に成立した総額8000億ドルの景気刺激法において、黒人ビジネスに回ったのは1.1%、ヒスパニックには1.7%、黒人失業率は16%と白人の2倍近い(p85)

    ・医療保険制度改革法の成立によって、2014年からは無保険の黒人はその恩恵を受ける、だが多くの州が、医療保険加入を強制するのは憲法違反としている、2010年9月には中小銀行向けの資金投入を目的とする法案が成立(p87、170、182)

    ・アメリカ国民は、そもそも不当な税金は払わないということから、イギリスから独立した国なので、政府の税金の使い道には厳しい目を向ける(p108)

    ・1754年にフランスとイギリスで北アメリカでの植民地をめぐる領土争いが起きた時に、フランスは先住民のインディアンの力、イギリスはアメリカの植民地の協力を得て対峙した(p114)

    ・ティーパーティに参加した人の74%が共和党支持者か、共和党寄りの無党派、人種別では白人が圧倒的(p132)

    ・2010年の中間選挙において、30名の黒人が共和党の予備選挙に出馬した、結果はほとんど敗退したが、選挙を戦えたという自信を彼らが持ったことは大きい(p137)

    ・アメリカは13の植民地が独立してアメリカ合衆国を形成したが、独立後も各州は国家のように独立している、社会サービスは州政府の仕事であり、連邦政府による福祉政策は国民の理解は得られないことが多い(p151)

    ・人口の15%にあたる4600万人が医療保険に加入していないのは、本音ベースでは、保険・製薬会社、病院、医師等が強く反対しているから(p157)

    ・新法では現行の19歳から、26歳まで親の保険にとどまることができるようになったので、無保険者の30%が19~29歳であることを考えると、若者の生活安定には良い(p174)

    ・リンカーンは、解放した黒人をアメリカに残すのではなく、外国に植民させたいと真剣に考えていた(p219)

    2011/3/16作成

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著者プロフィール

1942年、東京生まれ。東京外国語大学卒業後、時事通信社、小学館、在日アメリカ大使館を経て、桜美林大学教授(アメリカ研究)。2013年から同大学名誉教授。
著書(単著)には、『現代アメリカの保守勢力――政治を動かす宗教右翼たち』(ヨルダン社、1984年)、『アメリカ黒人のジレンマ――「逆差別」という新しい人種関係』(明石書店、1987年、増補版1992年)、『アメリカの貧困と不平等』(明石書店、1993年)、『キング牧師とマルコムX』(講談社現代新書、1994年)、『神の国アメリカの論理――宗教右派によるイスラエル支援、中絶・同性結婚の否認』(明石書店、2008年)、『オバマの誤算――「チェンジ」は成功したか』(角川oneテーマ21新書、2010年)、『アメリカの黒人保守思想――反オバマの黒人共和党勢力』(明石書店、2014年)、『カリフォルニアのワイン王薩摩藩士・長沢鼎――宗教コロニーに一流ワイナリーを築いた男』(明石書店、2017年)がある。
訳書には、アンドリュー・ハッカー『アメリカの二つの国民』(明石書店、1994年)、シーモア・M・リプセット『アメリカ例外論――日欧とも異質な超大国の論理とは』(明石書店、1999年、金重紘との共訳)、ティム・ワイズ『オバマを拒絶するアメリカ――レイシズム2.0にひそむ白人の差別意識』(明石書店、2010年)がある。

「2023年 『宗教からアメリカ社会を知るための48章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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