即戦力は3年もたない 組織を強くする採用と人事 (角川oneテーマ21)
- 角川書店 (2010年12月9日発売)
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感想 : 21件
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784047102651
作品紹介・あらすじ
百戦錬磨の人事のプロは、採用面接で何を訊いているのか? 賃金デフレ時代を生き残る人材の新条件とは? 「成長意欲の3類型」や「人材ポートフォリオの描き方」など、採用・人事を成長戦略にするヒントが満載。
感想・レビュー・書評
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人事の視点から、即戦力に抱くイメージと、現実のギャップについて、わかりやすく言語化されている。のぞみ型、ひかり型、こだま型人材など、面白いたとえ。マネジメントの難しさについては、改めて痛感する。2010年の本なので、アベノミクス前夜で、この時の想定より転職も容易で、給与も上がっていたが、今の危機的状況を見ると参考になるのでは。
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キャリア採用についてだけでなく新卒採用にも話が及んでおり、会社の人材について深く考えさせられる内容でした。今の大学新卒採用の流れでは現在の社会には不適合を起こしており、キャリア採用についても使い捨ての採用を続けてはダメ。過去から未来まで時間軸で説明されていることも、理解が進みました。やはり、「人」の「事」は複雑で重要です。
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あまり自分は耳にしたことが無かったのですが、中途採用は3年しか持たないそうです。
中途採用される側となり、気になってしまい、購入。
若手の転職はあまり進めていないようですが、読む限りはそれは人それぞれだと思った。
転職は考えている人は読んでおくとよいかもしれません。 -
企業が必要とする人材を採用する側から説いている。
必要とされるのは、①素直さ②頭の柔軟さ③情熱である。
よく理解できる。 -
中小企業の経営者および人事向の本。
または、一部、転職に悩む人向けに若干…
私は人事ではないので、『人材ポートフォリオ』概念の浸透度は不明だが、概要を知りたい方には◎の本。
転職者向けとして読むと、内容は他書でも書いていることが多く突出して得るものはなかったが、中小企業に転職を考えている人には、より親近感を持って読めると思いました。 -
人事のスペシャリストが語る人材の活用方法。
変化が加速している時代で、どう人を採用し、育てるのか?方程式では解決できない時代だと感じ、自分のキャリアの認識の甘さに気づかされた。 -
3年もたないという批判ではなく、3年以上持たせるために必要な採用側のコミットメントと、採用される側の心構えについて触れられたら著書です。
社会適合者になるためには、本書はいいと思いますが、会社に属さずに働く人はこの限りではないのではないかと思いました。やりたいことをやって、お金を稼ぐ手段を確立した人もいます。ただ、大多数は会社に属すので、やらなければいけないことに、どれだけ一所懸命になれるかは、重要なポイントになり得ますね。 -
中途採用をしたら良い人が来るかと行ったら決してそんなことはないんですよ、という一般論をまとめた一冊。IT業界出身なんだからもっと切り込んでも良かったのかもしれないけど、今の著者の仕事からすると総花的なアプローチをせざるを得ないのでしょう。
マネジメントという点でそれなりに得るものはあるんじゃないかと。 -
『即戦力は3年もたない』となかなかキャッチーなタイトルだが、企業の採用と人事をどのようにしていけばいいか述べた本。
著者が人事・採用にずっと関わってきた事もあり(現在はトライアンフ代表取締役)、なるほどなーと思う部分も多々あった。
適切なフィードバックの4つのポイントや、上司としてのあるべき姿などは人事以外の人でも役に立つと思います。
ただいくらキレイな形で理想が見えても、そこまでもっていくために自分で実践するのは難しいなと思いました。変化に対応してうまく生きていこうと思います。 -
なぜ即戦力は3年ももたないのか?
→一般的に業務経験を重視して採用することが多く、業務経験は数年で賞味期限がくるから
優秀かどうかは、性格の素直さ、思考のやわらかさ、情熱
若手がやめる場合には
キャリアパスと評価システムのオープン化やジョブオープニングシステムの導入などを検討
上司と部下との関係性の中での育成が重要
これからは、他者と関係構築するヒューマンスキル、答えのない課題解決を実行していくコンセプチュアルスキルが必要 -
久しぶりに人事・採用に関する本を読んだ気がします。
即戦力を求めて採用や人事を行う風潮を批判し、組織にとって本当に必要な人事のありかた、採用のありかたを述べています。
自組織に最も適切な人事制度・採用方法は何かということは、簡単に答えが出るものではありません。著者も述べているように、完璧な採用などはありえません。
とはいえ、漫然と前例踏襲するだけでは、変化の時代に生き残れるはずもないのは事実です。
採用のあり方、面接のポイント、管理職の責務などいろいろな面で参考になる記述が多かったと思います。
採用=「将来の業績アップ」のための投資活動
採用活動が結果的に業性器の向上に結びついているか考え、検証する
採用と教育のどちらが重要か
・大企業は「教育」→総じて基礎能力が高く、バランスの良い人材が入社し、入社後の教育によって差がつくように見える。職場環境、仕事の種類の豊富さ
・中小企業は「採用」→入社後の育成力が劣るため、採用時の差が業績・評価に直結しやすい
仕事を通じてどの程度成長したいと思っているか
・「のぞみ号タイプ」:最速スピードの成長を望む。社内には10%
・「ひかり号タイプ」:頑張りたいと思うが、周りの環境に左右される。80%
・「こだま号タイプ」:無理をしない 10%
組織を率いて成果を上げることがミッションとなる上司の仕事は、それぞれのタイプに対する多様なケアに尽きる
部下育成のPDCAサイクル
P(目標を与える)→DO(実行する)→C(教訓を引き出す)→A(次に活かす)
面接官には、部下よりも能力が高く、かつ部下の能力開発に意欲的で、そのために部下を理解しようという器の大きな上司が向いている
①向上心が高い人
②冷静で客観的な人
③人の話をじっくり聞ける、忍耐力のある人
面接で優秀な人材かどうか判断するポイント
①性格の素直さ→客観的な評価で自分を語ってもらう
②思考のやわらかさ→環境の変化に慣れているか、理不尽な経験、我慢強く辛抱した経験をどれだけしてきたか
③情熱(ハート)→情熱が具体的な行動に結びついているか
※高度成長期→「素直で明るい」「学歴(偏差値)」「面接官の好み」
最低でも三度にわけて面接し、四段階評価を行う
新卒採用の現場では、女性の評価が優位→女性のほうが「目標達成意欲
が高く、就職活動に対する集中力が高い
これからの時代においては「資格」「ノウハウ」「経験」の価値が低下
IT技術の進展・顧客ニーズの変化→一部の技術的な分野を除き、あらゆる職種の専門性が価値を下げている
ヒューマンスキル→他者との関わりの中で円滑に仕事を進めるために必要な関係構築に関わるスキル、コミュニケーションスキル
コンセプチュアルスキル→論理的思考+高い顧客志向+高い経営目線で物事を俯瞰する概念的思考力
若手が苦手とするヒューマンスキル
①相手の目線に立つこと:協働の経験不足が原因
②社会性がないこと:家庭のしつけ+仕事とは「やるべき」こととして考えるべきということを教え込む
<この本で得られた気づきとアクション>
・面接のポイントは参考になった。試してみたい。
・ヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルの重要性は、以前より言われているが、なかなか決定的な手法が見当たらない。個人的には、コミュニケーションスキルを向上させることで、良循環の影響力を発揮できるといいのだが。
<目次>
第1章 「即戦力」幻想が会社を潰す!
第2章 人材の“見える化”が人事を成長戦略にする
第3章 「伸びる即戦力」はこうして見抜く
第4章 組織を強くする「ワーク・ライフ・バランス」
第5章 人材市場の二〇一〇年代を勝ち抜けるか -
どちらかというと人事や管理職向けの本。
人事の立場からすれば、人材が流動化してる今、そのスキルは中途でも3年程度で枯渇する、というのはある意味説得力はあるけれど、そのための具体的な方策は触れられていない。
結局はやる気とヒューマンスキルと言われて素直に納得できる人は良いけど、そうでない人にはお勧めできない。 -
働く人必須。就職活動人必須。大学生の新卒の雇用がすくなくなってきたのは、能力が落ちてるだけ。大学生の常識がないだけ。不景気だからとかいいわけにすんな。大学生よ。もっともっと自分を磨け。
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転職して成功するかどうかは結局は人間としての総合力が問われるんだと思う。主張している事はわかるが、元気な会社じゃないと実践できないんじゃないだろうかと思う。
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人事コンサルティングとアウトソーシングを行うトライアンフの樋口弘和さんの本。
「即戦力は3年もたない」はかなりインパクトがあるタイトルだけど、公募・斡旋の両面含めた自社雇用人材の外部調達の際に気をつけるべき事をスタンダード(と感じた)に伝えている本。
人材ポートフォリオの概念などRグループとも共通の擁護も多く、(ちゃんと出典にWorks研究所がありました)採用時に事業と連動した人材要件を確定させる事が重要で(ここが出来てないと採用者の賞味期限=求められる行動と本人のずれの限界が3年程度と指摘)、その為に人材マーケットの現状
・他社の超優秀人材はマーケットに出づらい
・経験や知識ではなくそれと成果に繋げられる「行動特性」が大事
という主張をされていて、普段僕らが接しているビジネスからもその通りだと思う。
酒井穣さんとも仲が良いらしく、グローバル化して行く中で(日本の賃金水準はマクロな視点で割高)の危機感を持ったキャリア開発を強く支持している。 -
人事担当者向けた書籍。
中途採用を行う場合の心構えと方法を解説している。
おもしろいのは業務経験を重視した採用を行った場合はその業務以外の成果を期待してはいけないという下り。
自分は人事担当ではないので本書が正しいかわからないが、能力を見極めるコツに書かれている内容がいくつか参考になった。 -
第1章 「即戦力」幻想が会社を潰す!
採用にコスト管理は馴染まない?
「即戦力」には賞味期限がある ほか
第2章 人材の“見える化”が人事を成長戦略にする
「人材ポートフォリオ」で人的資源を有効に
組織に必要な縦軸と横軸をつくる ほか
第3章 「伸びる即戦力」はこうして見抜く
「未経験者採用」に目をつける
「他責体質」と「名ばかりリーダー」は要注意 ほか
第4章 組織を強くする「ワーク・ライフ・バランス」
誤解されたワーク・ライフ・バランス
ハンディへの理解が自社の文化になる ほか
第5章 人材市場の二〇一〇年代を勝ち抜けるか
賃金デフレ時代がやってきた
「賃金は毎年上がる」と信じられた時代 ほか
.まずは最初に就職した会社で頑張ってみる
企業側としては、新卒採用した人材に関しては、数年間は「育てる意識」を持っているものですが、中途採用した人材に対しては「成果を出せるかどうか」という物差しで測るだけになり、教育するという発想を持たなくなります。
そういうことを考えてみても、安易に現状から逃避しようとはせず、まずは最初に就職した会社で与えられた仕事に本気で取り組んでいくべきです。
転職によるキャリアアップを考えるのならば、二十代のうちはひとつの会社でできる限り多くのことを吸収したうえで、三十歳を超えた頃からそういう道はないかと模索してみた方がよいというのが私の考えです。
「業務経験」を重視して採用した人材に対して、担当する業務をきちんとこなすこと以上の期待をかけることは危険です。つまり、中途採用した社員に対してそれ以上の成長を期待したり、リーダー候補として育成していく考えを持つのはやめるべきだということです。
この変化の時代、「業務経験」というものには数年で賞味期限がくるからです。
私の場合、自分の過去の実績を高く評価する人は、疑うようにしています。なぜなら、伸びる人というのはみな、過去の実績に対する自己評価はむしろ厳しいものだからです。それは「もっと良くできるはず」とどんどん新しいチャレンジをしていく向上心のあらわれなのです。
■4.大企業勤務経験者には分からない中小企業のあり方
大企業や金融機関にしか勤めた経験のない人たちには、中小企業のあり方がよくわからないものです。それは中小企業というものは、創業者やオーナー経営者の強いDNAが何年もかけて組織の中にしみ込んだ、大企業とはまったく異なる特殊な組織形態だからです。
ですから、大企業と同じような組織形態の中小企業は、存在しないといった方がよいかもしれません。
■5.「他責体質」を持つ人には要注意
彼らに共通するのは、自分を客観的に評価できないことです。「こういうところで自分は頑張ってきた」と自分視点で物事を見がちで、自分の長所や短所、とりわけ短所の方を客観的に語ることができないのが特徴です。「評価とはふつう、上司や同僚のような他人がすることだ」という基本が理解できていないといえるでしょう。
したがって、面接の中で、そういう傾向が見られる人がいたら「他責体質」の持ち主ではないかと疑い、採用はとくに慎重になるべきです。
.面接官としての適性は、マネージヤーとしての適性につながる
見抜きカの低い面接官には「事実の追及」が弱いという共通点があり、第一印象の良い人、声の大きい人、実績のある人を過度に評価する傾向があります。ですから、面接でも一つの事例だけで「この人はできる」あるいは「彼女はだめだな」と早めに評価を決めがちで、その後の会話は「良い/悪い」という評価を検証するためにおこなっているだけとなります。
また、自分のコンプレックスや志向で面接結果が左右されるのもこの手の人たちです。
本当に優秀な人材を見極める3つの資質
面接で私は、本当に優秀な人材かどうかを判断するポイントとして、とくに三つの資質を見極めることに注力しています。
その三点とは、「性格の素直さ」「思考のやわらかさ」「情熱(ハート)」です。
何をもって優秀であると定義するのかは、時代や社会環境によって変わるものですが、これまでに出会ってきた多くの方々のなかから、とくに優秀であり、今の時代に非常にマッチしたご活躍をされている方たちに共通するポイントを抽出し、そこから導き出されたものがこの三点です。(詳細は本書を)
■8.評価シートでの評価方法は、四段階式で
細かいことですが、評価シートでの評価方法は、四段階式に分けることをおすすめしています。五段階式で採点をおこなうようにすると、真ん中の評価となる三を選ぶ人が増える傾向がどうしてもあるからです。しかし、五段階式では三を選んでいた面接官にしても、四段階式では二か四を選ばざるを得なくなります。そのため、評価が平均より上か下かに分かれるのでいいのです。
【感想】
◆本書を読んで、まず「なるほど」と思ったのは、初っ端にあげた、『中途採用した人材に対しては「成果を出せるかどうか」という物差しで測るだけになり、教育するという発想を持たなくなります』というクダリ。
全部が全部、教育しないとは思いませんが、確かに必要があって中途で採る以上、基本的に「教育」というファクターはなくても不思議ではないのかもしれません。
本書には、新卒採用にかかるコストが試算されており、それによると、入社後3年の給料が約1000万円、それに法定福利費その他費用の300万円や、採用自体にかかる費用を加算すれば、新入社員が一人前になるまでに、約1500万円ほどかかっているそう。
そう考えると、新卒時に入った会社で、まずは本気で仕事に取り組むべし、というのも腑に落ちます。
◆一方、当ブログの読者さんには、人事担当の方はそれほど多くはないと思いますが、採用の際に注意したいのが、「他責体質」の人。
上記では詳しく述べませんでしたが、何か問題が起きたとき、それを上司や環境、お客様などのせいにしてしまう人のことをそう呼びます。
本書によると、こういう人はたとえ転職したとしても、新しい職場で同じように「再発」してしまうのだとか。
結果的に、また新たな職場を求め…となってしまうくらいなら、採用の時点で、未然に防ぎたいものです。
◆逆に、私たちが押さえておきたいのが「優秀な人材の3つの資質」。
ただし、この3点は「それまでの生き方を通じて形成されたもの」であるため、短期間に変えるのは難しいそう。
なお、本書ではこれらの資質の「見抜き方」も指導されていますので、転職(&就職)志望者は、事前にスタディしておくと良いかもしれませんw
ちなみに、「素直さ」を見抜く質問の切り出し方はこうです。
「あなたのことをいちばんよく知っているのは誰だと思いますか?」
もっとも、その後の質問が「キモ」なんですが、それは一応「ネタバレ自重」ということで。
◆実は今回の記事は、「採用」ネタを中心にしたかったので、付箋を数多く貼った中から、第3章までの範囲で抜き出してみました。
ただ、「人事」全般に携わる方なら、第4章のテーマである「ワーク・ライフ・バランス」部分もぜひチェックして頂きたく。
そして続く第5章では、デフレ時代の最初のボーダーである「年収400万円」を超えるためのスキルを指導。
私自身もちょっとアヤシイので、心しておきたいな、とw
樋口弘和の作品
