戦争と日本人 テロリズムの子どもたちへ (角川oneテーマ21)

  • 角川学芸出版 (2011年2月10日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102729

戦争と日本人 テロリズムの子どもたちへ (角川oneテーマ21)の感想・レビュー・書評

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  • (2016.08.28読了)(2015.07.10購入)(2011.03.20・三版)
    副題「テロリズムの子どもたちへ」

    【目次】
    はじめに―多様な日本人イメージを近現代史に探る  加藤陽子
    序章 世の中をどう見るか?―歴史に対する眼の動かし方
    第一章 政治と正義―原敬と小沢一郎に見る「覚悟」
    第二章 徴兵と「不幸の均霑」―「皆が等しく不幸な社会」とは
    第三章 反戦・厭戦の系譜―熱狂を冷ます眼
    第四章 草の根ファシズム―煽動され、動員される民衆
    第五章 外交と国防の距離―平和と経済を両立させる道を探る
    第六章 「うたの言葉」から読み解く歴史―詩歌とアナーキズムと
    終章 国家と私―勁く柔軟な想像力と、深き懐疑を携えて
    おわりに―歴史と日本人  佐高信

    ☆関連図書(既読)
    「満州事変から日中戦争へ」加藤陽子著、岩波新書、2007.06.20
    「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子著、朝日出版社、2009.07.30
    「NHKさかのぼり日本史②昭和」加藤陽子著、NHK出版、2011.07.25
    (「BOOK」データベースより)amazon
    少年たちが従軍した西南戦争、政治家・思想家を狙った「子ども」によるテロ、戦争と徴兵制、知られざる昭和天皇の姿、そして検察ファッショ、尖閣問題―。“国家と戦争”を軸に、気鋭の歴史研究者と練達のジャーナリストが歴史の重層的な見方を語り、時代に爪を立てる方法を伝授。柔軟な“非戦の思想”を日本人の経験にさぐる。

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2015年度第1回図書館企画展示
    「大学生に読んでほしい本」 第1弾!

    本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。

    木下ひさし教授(教育学科)からのおすすめ図書を展示しました。
        
    開催期間:2015年4月8日(水) ~ 2015年6月13日(土)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

    ◎手軽に新書を読んでみよう
    1938年に岩波新書が創刊されたのが新書の始まりです。
    値段も分量も手ごろな新書は「軽く」見られがちなところもありますが、内容的に読み応えのあるものも多くあります。気に入った著者やテーマで探してみるとけっこう面白い本が見つかるものです。広い視野を持つために、興味や関心を広げるために新書の棚を眺めてみましょう。刊行中の新書を多様な角度から検索できるサイトもあります。(「新書マップ」)

    ◇新書で社会を読んでみる
    本に書かれていること(情報)すべてを鵜呑みにすることはできません。しかし、情報を判断するための情報もまた必要です。多様なニュースソースから情報を得て、物の見方や考え方を養いマスコミに騙されないような自分をつくりたいものです。

  • とても分かりやすい。偏りがなく、広い視野。

  • 加藤陽子という人の、独特のものの見方というのは論理性と当事者性にあるのかと思っていたが、そうばかりでもない、というのは本書で笠原和夫と大杉栄という補助線を得て、了解した。国や国民に対するどこかさめた距離感は、いってみればアナーキストのそれなのかもしれない。
    取り上げられた中で備忘:笹まくらと東京裁判三部作。

  • 正義とは何か?公平とは?一つの考えに傾倒し、突き進んでしまう傾向にある日本の政治・マスコミ・国民が如何に危うい結果を生んできたか。誰も疑っていないことはむしろ恐しいのだ。クリーンなタカとダーティーなハトといった端的な切り分け表現すら怖いと感じてしまう。

  • 最近気になる。

  • 特に印象的だったことを徒然に書き記しておきます。

    学徒出陣に対して、庶民からはむしろ当時のエリート層である
    大学生が出征することを、喜んでいたような節があるというような
    話が興味深かった。「不幸の均霑」という言葉を用いて説明されているんだけど、「同じ辛い思いをしろ」というような、庶民側の感情というものがあったと。これなんか、まさしく今の日本とおなじ構造だと思う。昨今の過激な発言で賑わす政治家達が既得権益をぶっつぶすみたいなこと言うけど、それに市民は喜んで同調してしまう。
    その背景にあるのは「大変な思いをしている時に甘い汁を吸っているやつらはけしからん」というような、感情と同じだと思う。
    本当は、研究者や学生までもが戦争にかり出されて行く姿を異常だって気づかないと行けないのに。

    「非政治的な活動」がいつのまにか、結果的に政治的な方向に導く力を持っていた、こととか。国防婦人会なんてのは、最初はもっとローカルで無害な、コミュニティとしての集まりだったと。主婦の節約術、的なことを教えていくような。それがいつしか組織化され、国家の意向を推進するような強い影響力を持って行ったと。人があつまる、団結する、組織化するということ、それ自体にもともと力があるんだと思う。そして、それはもしかしたら目的があるかなしか、に関わらず、ただそれだけでパワーがあるんだろう。大正デモクラシーとかにもちょろっと触れていたけど、当時の日本人にとって、そういう全国規模で何かをするっていうこと自体がもしかしたら新しかったのかもしれない。そういう一体感っていうのがある種、感覚を麻痺させる麻薬的な要素があるんだろう。そういう非政治的な部分っていうのは、目的が明確でなかった分、一度方向を間違えると危ういんだと思う。

    個人的に思うのは、日本人は政治を嫌う傾向にあると思う。
    職場や学校で政治の話、自分の心情などを話すのはタブー視されている雰囲気があるけどそれってダメだと思うし、それこそが、みんな思考を停止してしまう、引いては自分のこととして政治を考えられなくしてしまうことなんじゃないかと。本当はもっと身近な話題であるはずなんだよね。誰かと話す、意見が食い違う、そこから問題意識が深められると思うんですよね。だから、私としては、いろんな人と話そうと心がけるようにしております。

  • 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』の著者・加藤陽子氏と評論家・佐高信の対談本。

    本書の副題に出てくる「子ども」というキーワード。単純な未成年を指しているのではなく、大人であっても「子ども」的な気性であれば「子ども」なのである。その「子ども」たちがテロを引き起こしてきたと加藤は言う。
    そういった「子ども」たちを産み落とさないためにも、日本の近現代史をしっかりと学ぶことが重要だというのには賛成。

    ただ、本編の対談の話を読んでも、結局は各人の思想に帰着してしまい、ある種のイデオロギー論を生みかねないと感じた。

  • 反戦というキーワードはお二人に共通している。

    個人的には、佐高さんの著書はあまり読んでいないがTVで見た印象から生理的に受け付けない。加藤さんはお姿は拝見したことがないが、「それでも日本人は戦争を選んだ」と本書を読んだ印象としては悪くない。

    学問として歴史を研究する学者の立場として、見る側が色眼鏡(マルクス史観だとか皇国史観だとか)をかけずに、当時の人々が何を感じ、何を感じざるを得ない状況だったのかを考える姿勢は正しいと思う。

    対談の中で、小林秀雄と丸山真男が対比されている表現があった。もしかしたら自分は小林秀雄に影響されすぎているかもしれない、丸山真男なんて読んだこともないので読んでみよう。

    P43で井上ひさしの演劇に登場する国語の女性教師の台詞として、「主語は、いつもその時々の状況の中に隠されているのです」と紹介している。これは山本七平さんが指摘した「空気」に通じる感覚だと思った。

    p171では、『中国は今、日本海軍が1930年代に用いていた論理と同じプロセスで、南進しています。中国のいう第一列島線など、一度ゆっくり地図上で眺めてみるといいですね。このような点では、主語を交代させつつ、歴史はまさに繰り返す。』と指摘している。日本が嫌いな人にも中国が大嫌いなひとにも出てこない視点だと思う。

    好印象な加藤さんだけど、小沢一郎の政策やアナーキストを評価することが腑に落ちない。

    あと、副題は本文と結びつかず何のことかわからない。本を売るために表紙にキャッチーな言葉を入れてみたということか。

  • 加藤陽子が”はじめに”で書いている、題名・副題の意味するものは理解できる。しかし、本文からそれを読み取ることができない。

    まえがきだけ読めばいいのか? またしても、何が言いたいのか読み取れない。

    クリーンなタカ派(市川房江、管直人、前原誠一)よりも、ダーティーなハト派(小沢一郎)

    以下、引用
    ●加藤 思想運動に対する原のスタンスは、非常にまともだったと思います。そのような思想を抱いているだけ、実行に移さないのであれば、思想を罰してはならないとする考え方です。

    ●加藤 中井本人も「中井英夫戦中日記 完全版」(河出書房新社 2005年)で書いています。(略)つまり、70年代ぐらいになると、人々の記憶自体、すごく不思議な記憶になってきた。時間と、戦前に対するある種の思い入れが、記憶をすり替えてしまうんですね。「戦争が終わって本当にほっとした」が、「いつでも死ぬつもりでした」に変容する。自らの経験を美化することが、どうも70年代ぐらいになって顕著になる。わずか30年たらずで日本と日本人は過去のことを忘れてしまうのか、ということに中井さんは衝撃を受ける。ならば、ということで、戦争に対する自分の嫌悪、憎悪を綴り、まわりの戦友らの言動を綴った日記をそのまま出版しなければいけない、と思うようになったそうです。

    ●加藤 戦前記に女性の普通選挙の解放運動をやっていた市川房江さんは、とにかく女性に政治参加を、普通選挙権を、とまったく正しいことを言ったわけです。しかし、市川さんに限りませんが、当時、もっと熱心に政治運動をやっていた女性たちが掲げていたスローガンには、なんだ、というものが多かった。例えば、女中税を廃止しましょうというようなことを言っていたんですね。女中を廃止しましょうではなく、女中税を廃止しましょうというのは、つまりは女中を家に抱えている、都市の裕福な奥さんの発想です。しょせん彼女たちは、女中税を払っているような階層の味方であった。

    ●加藤 アメリカにしろフランスにしろ中国もそうですが、喧嘩しているから、例えば対外的に一致せずに、反政府運動のようなものが可能なんですね。だけど日本の場合は、喧嘩していながらも、例えば、条約派と艦隊派が海軍の中で争っていたからといって、対米開戦が遅れたりしない。国が進んでいく方向にマイナスに作用しないんです。これはなぜなんだろうと不思議です。分派的な対立、勢力の対立、内部対立がなぜたい外的な反戦なり、反政府運動につながらないかは、日本には社会がないからなんでしょうね。

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