「始末」ということ (角川新書)

  • 角川学芸出版 (2011年10月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784047103016

作品紹介・あらすじ

どのように自分の死を迎えるか。そのためにどんなことを覚悟すべきか。日本人の死生観や葬送のあり方から、自らのモノの始末、こころの始末まで、宗教学の第一人者が語る「いのち」の締めくくり方、「終活」の提言。

感想・レビュー・書評

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  • 旧暦2月15日は釈迦が入滅した日
    生きることは、すなわち死を覚悟することである。死を覚悟することが、すなわり生きることである。死の心構えと生き方は背中合わせになっている。
    死とは、結局は自分の始末。自分自身の問題としてどれがけ考えておくか、考えるほどに準備ができる。心構えができてくると思う。
    死後の正解に対して何らかのイメージをもつことができている人の方が、なんのいイメージももたない人よりも、死に対する懼れが少ない。
    最初は皆、限られた命という事態を認めたくない。やがてそれが怒りに変わる。なぜ自分がそんな病気にかからなければならないのかというやり場の無い怒りが湧く、しかしどれだけ怒ってもどうしようも無い事がわかって、何か別な感情に置き換えようとしたりする。そしてだんだん悲しみの状態に移行する。そうするうちに、いわば虚無感な感覚でそれを受け入れる様になると言う考え。
    無常三原則:
    ①この地上に永遠なるものはひとつも無い
    ②形あるものは必ず壊れる。
    ③人は生きて必ず死ぬ。
    人生を「いま」という時間で切り取って、ひとつの「点」として捉えて、最悪だ、どうにもならないなどと考えるのはあまり意味の無いこと。人生は川のように流れていくもの、いいときもあれば、悪いときもある。点の集合による「線」で考える。ひと筋の流れで見る習慣を身につけるようになれば、短絡的に死に急いでしまう人はもっと減っていくのではないか・・
    平安時代の仏教の中心と言えば、比叡山と高野山、比叡山で天台宗を学ぶ、高野山で真言密教を学ぶ
    ノアの方舟:旧約聖書の最初に登場する創生物語、地上の人間たちが悪しきことばかりしているのを見て、神は大洪水を起こして滅ぼしてしまおうと考えた。そのことを善良なるノアにおしえ、船をつくって逃げ延びようと言う。ノアの一族は船をこしらえ、たくさんの動物を乗せてその船に乗り込んで大洪水を生き延びた。その助かった者たちが現在の人類の祖先である。
    織田信長が人間50年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり、と敦盛を謡い待って桶狭間の戦いに出陣したのが、1560(永禄3年)、本能寺の変で信長が死を遂げたのは49歳
    生老病死、仏教語ではこれを四苦、四つの大きな苦と呼んだ。
    一病息災、病気を知らない人よりも、ひとつくらい病気をもっている人のほうが健康に留意するので長生きする。

  • 「定年」がイギリスの植民地政策に源を持っていることを初めて知った。人間の減価償却制度ということ。

  • 宗教学者である山折先生のエッセイ風の死を考えるための手引書。本の帯には「死と向きあう作法」とあります。
    東日本大震災のすぐ後に書かれた内容でもあるので、震災に関連した話題も多く取り上げてあります。先生自身岩手県の花巻市がご実家でもあり、当然と言うべきなのか宮沢賢治の自然への考え方にも触れています。葬送の本来の意味、失われてしまった今の既成宗教の求心力のことなどや日本人の持つ宗教観は元より自然への畏敬の念、無常観では村上春樹さんが外国で震災と復興をテーマにスピーチした内容の一部も紹介しています。
    齢80という節目にご自身の身の始末も織り交ぜながらの中身は、死ぬ時は誰でもひとりであることを忘れたかのような、メディアの報道の仕方に釘を刺すことにもなっています。ひとりでひっそりと死んでいくのは、何もあわれでもなくみじめでもないとありますが私もそのとおりだと思っています。

  • 人生の始末をつけるためには、死について考えておくしかない。ものの始末をつけていくことから始めたい。読まない本は捨てて身軽になる。専門的な資料がいらなくなる定年後まで待てない。

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著者プロフィール

山折 哲雄(やまおり・てつお)
昭和6年サンフランシスコ生まれ。父は浄土真宗の海外布教使。震災の被災地岩手県花巻市で少年時代を送る。東北大学印度哲学科卒業。同大助教授を経て国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター所長などを歴任。むずかしいテーマを分かりやすく、かつ独得な視点から論じて読者を飽かさないユニークな宗教学者。専門の宗教学、思想史のほか、西行などの文学的テーマから美空ひばりまで、その関心とフィールドの広さは定評がある。『人間蓮如』『悪と往生』『ブッダは、なぜ子を捨てたか』『親鸞の浄土』など、著書は100冊を越える。

「2022年 『日本人の心と祈り 山折哲雄講演選集 CD版 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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