「始末」ということ (角川oneテーマ21 A 145)

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  • 角川学芸出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047103016

感想・レビュー・書評

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  • 宗教学者である山折先生のエッセイ風の死を考えるための手引書。本の帯には「死と向きあう作法」とあります。
    東日本大震災のすぐ後に書かれた内容でもあるので、震災に関連した話題も多く取り上げてあります。先生自身岩手県の花巻市がご実家でもあり、当然と言うべきなのか宮沢賢治の自然への考え方にも触れています。葬送の本来の意味、失われてしまった今の既成宗教の求心力のことなどや日本人の持つ宗教観は元より自然への畏敬の念、無常観では村上春樹さんが外国で震災と復興をテーマにスピーチした内容の一部も紹介しています。
    齢80という節目にご自身の身の始末も織り交ぜながらの中身は、死ぬ時は誰でもひとりであることを忘れたかのような、メディアの報道の仕方に釘を刺すことにもなっています。ひとりでひっそりと死んでいくのは、何もあわれでもなくみじめでもないとありますが私もそのとおりだと思っています。

著者プロフィール

山折 哲雄(やまおり・てつお)
昭和6年サンフランシスコ生まれ。父は浄土真宗の海外布教使。震災の被災地岩手県花巻市で少年時代を送る。東北大学印度哲学科卒業。同大助教授を経て国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター所長などを歴任。むずかしいテーマを分かりやすく、かつ独得な視点から論じて読者を飽かさないユニークな宗教学者。専門の宗教学、思想史のほか、西行などの文学的テーマから美空ひばりまで、その関心とフィールドの広さは定評がある。『人間蓮如』『悪と往生』『ブッダは、なぜ子を捨てたか』『親鸞の浄土』など、著書は100冊を越える。

「2022年 『日本人の心と祈り 山折哲雄講演選集 CD版 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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