壬生義士伝 (2) (KADOKAWA CHARGE COMICS 20-2)

  • 角川グループパブリッシング
4.24
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784047250468

感想・レビュー・書評

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  • 絵が巧い
    なかなかおもしろい
    でも3.5ってところかな
    原作が良すぎる

  • <Img Src="http://www.geocities.jp/poe70s/mibugishiden-c1.jpg"width="200" Align="left" Hspace="10" Vspace="10">原作どおりに描き進めた、ながやす巧の漫画版である。

    ながやすは、漫画界屈指の画力を持つ描き手であるが、ちょっとこの作品は描画が美しすぎる。
    「沙流羅」あたりの画風を期待したのだが、少しキレイに描き過ぎているような気がする。

    この作品、角川書店の「コミックチャージ」という漫画雑誌で連載されていたものだが、どうも途中で打ち切られた感がある。
    コミックス版では第2巻までしか刊行されていない。
    これは、角屋(かどや)の主人の回想部分で終わっていて、巻末には 「第二章 証言〔其のニ〕桜庭弥之助へ続く」とある。
    つまり、刊行時には続巻が予定されていたが、何らかの事情(おそらくはこの不況による出版業界自体の冷え込み)により、見合わせているというところだろう。
    第2巻の刊行は2008年の9月であるから、この時点で(もしくはその直後に)連載そのものも頓挫したのだろうと思う。
    そして、「コミックチャージ」自体も、今年の2月で休刊した。
    このままコミックス版を書き下ろしで刊行すると、終了までには10巻ほどになるであろうから、それも難しい。

    残念だが、他の雑誌に転載するというような奇跡でも起こらないかぎり、これはこのまま未完となる。

  • 引き続き熱い。
    2部に期待。

  • コメントはのちほど

  • 「『吉村ァ〜〜〜ッ』(俺は声をかぎりに叫んだ!)」

    ああなんていいシーンだ。こうして字にしてしまえばよくある陳腐な場面じゃないか。それをここまで泣かせるのは筆者の画の冴え(雪夜の重たいほど暗い川の連続から、突如として人がちっぽけに見える風巻く夜空に重なる絶叫、さらに一瞬を切り取ったようなアップとモノローグ!)、そして原作の着々と踏み固める心情描写の巧みさだろうか。
    はじめ吉村を守銭奴と嫌っていたと断言していた竹中が、しだいに「だから嫌い」から「だから好き」に変わる見事なツンデレ。などと冗談めかしてもしかたないが、守銭奴の何が悪い、あいつは、あいつはなあ、と感情移入させるさま、見事としか言いようがない。

    惜しむらくは美男の顔が似通ってしまい、なまじ主役級のキャラあふるる新撰組勢揃いの場面など誰が誰か見分けづらくなってしまうことだろうか。
    これが俳優ならせいぜい似た風な顔で通るが、マンガの悲しさで美男の顔のパターンは限られてしまう(よく『SLAM DUNK』の選手の描き分けが褒められるが、あれは半分当たりで半分は的外れだ。醜男を描くことは難しいが、醜男を描き分けるのはむしろたやすい。特徴あるパーツを組み込めるのだから。涼しいパッチリ目に通った鼻筋、きりりと眉に形のいい唇、と形態が限定される美男の描き分けの方が遙かに難しい)。
    ながやす先生の絵は写実的だが、美男はとことん整った顔で描くタイプだ。たとえばベニチオ・デル・トロのような造作が崩れたいい男、という顔は先生のパターンにない。
    しかしこういう徹底的に汚いパーツを排除して描かれる美男も良いものではあり、それゆえ給金アップに涙ぐむ吉村のあの決め顔が猛烈に説得力を持つのだ。ぐしゃぐしゃに崩れた顔ではなく、ギリシャ彫刻のように整った顔が流すひとすじの涙にこそ意外性があり心がつかれる。やはりこの絵、敬服せざるをえまい。

    この清廉な画で盛岡の悲惨な生活をどう描けるか、多少の心配はあるけれど、同時に盛岡の美しさを見事に描き切るであろう期待も大きい。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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