- Amazon.co.jp ・マンガ (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047262751
感想・レビュー・書評
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一六八〇年に刊行された大阪新町遊廓の遊女評判記『色道諸分 難波鉦』を底本とした漫画です。虚実織り交ぜて描かれた遊女の世界に、夢中になりました。京都・島原、江戸・吉原(新吉原)とも異なる、独特の立地と空気と遊び方。場所柄・職業柄、エロ描写も登場しますが、そちらよりむしろ、文化への興味を刺激されました。微細な描き込み。大胆な構図。とても面白いです。
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全3巻。
大坂は新町で天神を張る和泉。禿のささらを引き連れて、常客の井原西鶴の席で繰り返される乱痴気騒ぎ。時には廓を飛び出して相撲観戦やお花見へ。誰よりもお金に意地汚くて、手厳しくて、口が悪くて、拳も強くて、下品で、でも良い女! こういう女性に憧れます。
『身ィ守る方法知らんまんま、身売る芸覚えたいんか?稼ぐ端から、よってたかってむしり取られたいんか?(略)ええか?廓では誰もおまえを守ってくれん。もちろん、わたいも守ってやれんけど…せめて、むしり取られん知恵だけはつけたるわい』 -
もー本当…遊女ものに弱いです…。和泉いい女やで…。
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大坂新町 作者が「資料の圧倒的な少なさ」で選んだ大坂の遊郭。他の遊郭と違ひ、遊女がいろいろでお外へ行ける、てふかすごいところにあったので美人のおねいさんを一般庶民が冷やかしに、江戸や他のと違って比較的容易に、できたとか。
さう言ふ、一応きちんと地獄で、ちゃんとしたサーヴァイヴをしないと普通に死ぬ、処の、天神で止まってゐる和泉さんと、その禿、簓の周りの、お女郎な生活。
ささらどんのおでこがよい。
その地獄での、お女郎同士のどろどろと、娘さん同士の友情が、いかにも見てきたやうに書かれる。
ちゃんとカヴァー取ると黄色い。うむうむ。
お相撲さんの関係と言ったら、南方熊楠が、英国アカデミーで「まだ出てないシチュ」を捜す会にあった時、そこでは「娘によるホモ行為の強制」は出てゐた(後にアラビアンナイトにあるのが判明)とか言ってゐたが、あー、なんかー、似てる感じがー。
井原西鶴さんの、厳密には二代目も、使はれ方がおもしろい。 -
「難波鉦異本」ついに念願の完全版!!
この日を首長竜になって待ってました!
おまけに単行本初収録作品やら対談やら収録されていて、ファンも大満足!の内容なのですが、‥‥もそっと装丁は何とかならんかったんだろうか?
ちょっとレジに持って行き難いです。前の方が良かった。