ペット リマスター・エディション 5 (BEAM COMIX)
- エンターブレイン (2010年1月29日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047262782
作品紹介・あらすじ
『ぶっせん』『イムリ』と常に話題作を送り出し、唯一無二の個性を発揮し続ける鬼才・三宅乱丈の代表作、大きな話題を呼んだサイキック・ロマン巨篇が、全編にわたる徹底的な加筆修正と150ページ以上の描き下ろしクライマックスを加えた「完全リマスター・エディション」が、ここに新生!
数々の話題作を手がけるジェノスタジオによって、アニメ化が決定!!
監督を務める大森貴弘氏が10年以上、映像化を切望していた本作。
シリーズ構成は『夏目友人帳』で大森氏とタッグを組んだ、村井さだゆき氏。
【イントロダクション】
人の脳内に潜り込み、記憶を操る能力を持つ者達がいた。
彼らのその力は、事件の揉み消しや暗殺など、裏の世界で利用されてきた。
人の精神を壊すほどのその力は、同時に彼ら自身の心を蝕んだ。
彼らはお互いを鎖で縛り付け合うように、脆く危うい心を守った。
彼らは恐れと蔑みからpet(ペット)と呼ばれた。
感想・レビュー・書評
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終わってしまった。
『イムリ』にもつながるような独特の世界が好きだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずーっと読みたかった大幅加筆の完全版をやっと読めて感無量。
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こんな面白いマンガあるんだ…。因縁がガチガチになるテーマなので、「物語」にあう。
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ついに迎えた最終巻。
ずっと脇役のキャラクターだと思っていた桂木にそんな過去があったなんて…とこれは予想外にびっくり。
能力があったとしてもどうにもならないことがある、それが記憶になってそれもまるまる抱えて生きていくしかないこともあるんだという人間関係において向き合うことの大切さのようなものがあったなと思う。
そしてそれを教える為にあの場所を林は見つけ出したんだなぁと思う。
イメージではなく本当の自分自身の記憶を作り出すために。
いい話だった。
けど気になる終わり方で続きがあるなら読みたくなる話だった。 -
心理や精神を垣間見る話。
最終巻。 -
むしゃくしゃすると、本を買ってしまう。
初めて行った丸善の丸の内本店。
ずっと読みたかった三宅乱丈のペットを見つけたわたしは、
気がつくと全巻を手に取りレジに向かっていた。
夜勤明けで頭はふらふらしていたが、
ページを繰る手は止まることはない。
高揚したままひと息で読んでしまった。
三宅乱丈という人の才能の片鱗に触れ震える。
高ぶった気持ちはおさまることなく、行き場を求めて彷徨う。 -
三宅乱丈が「ぶっせん」のあとに送り出したファンタジーサスペンスのリマスター版。
当時はえらく作風が変わったことに驚いたものだった。
この作品で三宅乱丈の才能が全て露わになったといえる。
通常版も持ってはいるのだが、雑誌の連載の都合上中途半端に終わってしまっていたことが残念でならなかっただけに、今回のリマスターは大歓迎。
物語は相変わらず続きを期待させるようなシーンのままで終わるのだが、余韻が全然違う。
そして続きが気になる(笑)。
本人は3部構成で考えていたようだが、それだけ壮大な物語。
続き描いて欲しいなあ・・・。
でも無理だろうな・・・。
他人の記憶を操作できる通称ペットと呼ばれる能力者のお話。
記憶の「ヤマ」と「タニ」・・・自分の場合はどうだろうか?
「ヤマ」と「タニ」が混在しているような気がするのだが。
だから精神的に不安定なのかも。
こういう心理戦を描けるのはこの人ならではだと思う。
デスノート辺りが好きな人も普通に面白く読めるはず。 -
記憶や人格を操る超能力という設定は、小説の方が向いているかと思いきや、その人にとっての最高の思い出である「ヤマ」と最悪の「タニ」を見事な画力で描き出している。私にはとても想像出来ない、まるで天国と地獄のような情景。
単なる超能力者同士のバトルと、彼らを操る組織の話で終わらせず、登場人物たちの激しい愛情や憎しみが物語をダイナミックに動かしている。気軽に手に取れないが、読み出したらページをめくる手が止まらない、畢生の大作。
作者によれば、1〜5巻が3部作の第2部にあたるとのこと。第3部を楽しみに待ちたい。