空色パンデミック1 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 ほ 3-1-1)

著者 :
  • エンターブレイン
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047262874

作品紹介・あらすじ

「見つけたわよ、ジャスティスの仇!!」「…はい?」高校受験の朝、駅のホームで僕はその少女と出逢った。彼女-結衣さんは"空想病"。発作を起こすと正義の使者とかになりきってしまうらしい。以後なぜか結衣さんは何かにつけ僕の前に現れる。空騒ぎに付き合ってられない。最初はそう思っていた。彼女を守るため世界を敵にまわして戦うことになるなんて、思いもしなかった-。えんため大賞優秀賞受賞、狂騒と純真の「ボーイ、ミーツ、空想少女」。

感想・レビュー・書評

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  • 空想病をめっちゃ行ったり来たりする

  • 夫に勧めてもらったライトノベル。
    1日で読破。
    展開が面白くて夢中になって読み進めてしまった。
    そして結末にはまんまと騙されてしまった。

    それから展開だけでなくて、というかそれ以上に主人公とヒロインの関係性が好き。
    自由奔放、よく言えば天真爛漫なヒロイン、主人公がいないと生きていけないというような。
    主人公はそんな彼女を優しく見守ってくれて、時には彼女を守るため命を懸けて戦う。
    私は天真なんちゃかとかいう、素敵なもんじゃなくて、ただただ自分勝手な人間かもしれないけれど、なんとなくお話の中の二人を私たちに重ねて見てしまう部分があった。
    そんなふうに読んでいると、自分たちが物語の主人公とヒロインみたいな感じがしてなんだかとても楽しかったのである。
    これぞ妄想の神髄。

    いかんせん、これが初めてのライトノベル体験。
    世界観に惹きこまれて、確かにマンガやアニメを見ているような感覚に近い気がする。
    今までの自分ではなかなか手に取らないようなジャンルだったけれど、読んでみて世界が広がった気がする。
    自分の殻を飛び出して、これからもいろいろな本にトライしてみることで、人間としての幅を広げていきたい。
    夫に感謝です、ありがとう。

  • 部分ごとの文章は良い表現である気がするけれど
    「セカイ系」として必要不可欠なセカイ設定処理はもうひとつ
    とはいえこの処理が上手くいっているのはセカイ系にみえない(例えば普通の戦争ものとか時代劇にしかみえない)ので
    しかたがないのか

  • 妄想に心をとらわれてしまう「空想病」は、悪化すると他人まで汚染するパンデミックとなる可能性のある恐ろしい病。病人の管理は国がしていたのだが、入試の当日、ぼくはその患者にいきなり話しかけられてしまった。なかなか面白かった。発作が治まった後の患者の動揺が面白い。青井くんはちょっと切ないなー……むくわれなさすぎだし。他の人選んでもいいと思うんだがー。

  • 【再読】
    かなり前に読んで面白かった記憶があったので、シリーズ揃えてからもう一度読むことに。再読した印象としては記憶よりもちょっと残念だったかな、と。
    まず内容の前に、字の間違いが多かったのが気になった。登場人物の名前が違う時もあったと思ったんだけど、、そこは少し自信無い。
    設定はとても面白い。最後のオチも、そうなるだろうなと分かるけど、でもキレイにまとまっていたと思う。ただ、若干ゴチャゴチャした設定の解説や、作中の公的機関のフワッとした感じ、演劇の内容などなど、「こういう話にしたい」という気持ちが強くて、ストーリーが付いてきていないな、と感じるところがいくつかあった。地の文ものっぺりしていて物足りない。
    印象は悪くない作品なので、ここから磨かれていくことを期待して★4に。
    そう言えばこれからも結衣は学校に通うんだろうか…。劇場型になったのは現実なんだよね…??

  • セカイ系を批評する小説、として読むと、「こんな作品を書くしかない作者の自嘲」めいたものが節々に確認でき、なるほどこれが読者たちを惹きつけるのかと納得できる。
    しかし、そのニヒルさと主人公の立ち位置が不協和を示しており、「おいおい景の立場はどうなんだよ」と思ってしまう。これは「作者の思惑」と「あるべきストーリー」が乖離しているからで、齟齬が現れるたびにおめーはなにがしてぇんだよと苛つく。とくに中盤は酷かった。

    こう酷評しておいて、これを「実験的な小説」と捉えると、ラノベだけに新鮮だ。演劇を持ち出して代弁させたのは秀逸だ。ただ、それを1から10まで解説する野暮臭さはラノベ作家特有のものであろう。

  • 人は誰しも心の中に、自分だけの空想を抱いている。この物語は、そうした空想が現実と混在してしまう<空想病>を抱える少女と、少女を守るために世界と闘うことを決意した少年のお話だ。

    本書では、二つの物語が内包されている。
    一つは、(空色パンデミック)としての物語。もう一つは、ヒロインである少女が紡ぎ出す空想上の物語。一つの物語の中に寸劇を交え、空想というラノベ愛読者にはありがちなステータスをキー設定にしてしまうところが本書の面白いところ。読み進めていると、自分も<空想病>患者かもと感じてしまう。

    空想を頭の中で妄想している分には誰にも迷惑をかけない。しかし、<空想病>患者は自分の空想に他人を巻き込んでしまう。しかも彼ら(彼女ら)の放つトゥラウム波は科学上重要な研究素材という点が困りものだ。少女の空想につき合わされながら、主人公は最終的に少女を守るために世界と闘うことになる。紆余曲折がありながらライバルを打倒したはいいものの、それら全てが空想でした、というオチは読んでいる分には笑える。

    現実だと信じて、空想上の寸劇をリアルに演じきってしまう主人公。
    現実だと信じているからこそ、世界を敵に回しても少女を守ろうとできる。
    カッコよさと恥ずかしさの線引きは極めて微妙である、そんなことを気が付かせてくれた。

  • 「空想病」という妄想を現実と思い込んでしまう病気が存在する世界の話。
    序盤のコメディチックな学生生活から一変、中盤からの「空想病」が引き起こす超展開から「そんなオチかよ!」とツッコまざるを得ないラストまでの流れが面白すぎて、一気に読んでしまいました。

    もしも中二病が本当に病気だったらこうなるのかも。

  • こんな良い作品をなんでさっさと読んでおかなかったんだろう。
    今や古めかしいセカイ系ボーイミーツガールと今や少々氾濫気味の中二設定の合わせ技。それが大変上手くハマっている。ちゃんとセカイ系だし、ちゃんとボーイミーツガールだし、ちゃんとイタイタしい中二。
    刊行時期から考えて時代の流れにキレイに乗った作品、とも言えるかもしれない。

  • 9784047262874 286p 2010・2・12 初版

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