ココロコネクト キズランダム (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 あ 12-1-2)
- エンターブレイン (2010年5月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047265370
作品紹介・あらすじ
"人格入れ替わり"現象を乗り越え、太一たち文研部員はおだやかな日常を取り戻した。そんなある日の放課後、突如稲葉が太一に襲いかかる!さらに唯が見せた、机を叩き割るという過剰な行為。そして太一と伊織には奇妙な感覚が湧きあがった-体が、勝手に、動きだす?そんな矢先、太一は青木と唯が補導されたと聞かされて…!?再び現れた"ふうせんかずら"と新たな試練。それは五人の絆を打ち砕く!愛と青春の五角形コメディ、痛みと涙の第二弾。
感想・レビュー・書評
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シリーズ2~フウセンカズラによる人格入れ替えから3週間,部室で稲葉姫子はブラジャー一つになって太一に迫る。桐山唯は駅で女子生徒が絡まれている場面で,ぶちのめしたいという心の声が聞こえ,6人を打ち倒し,警察が来て取り押さえようとしている場面を見て,青木は警官と立ち回りを演じる。永瀬と太一は突然,声が聞きたいと互いに電話を掛ける。後藤に乗り移ったフウセンカズラは,欲望解放で皆を観察すると宣言する。唯は引きこもりになり,唯を家から連れ出そうとして,欲望が解放されると,互いに傷つけ合う状態に,互いに距離を取り始める。自分が自己中で人を傷つけると気が付いたが,皆と一緒にいたい気持ちを確認し,永瀬を部室に呼び出し,青木を訪ねて,二人で唯を説得し始める。青木は桐山唯が好きだから,傷つけたくないから,性欲を抑えられると宣言し,唯をラブホに誘う。根負けした唯は学校に行くと誓った。喪失感に悩まされた稲葉はシャ-ペンの芯を万引きして自己嫌悪に陥る中,フウセンカズラが現れて,世界を破壊すれば良いと揺さぶりをかける。遠足当日,稲葉は太一のことが好きだという感情が抑えきれず,伊織に気付かれてしまい,必死で逃げるが,伊織に追いつかれ,5人の仲を壊さずに太一への思いを成就する道を稲葉なら採るはずだと,伊織に説教される。突然,伊織に乗り移ったフウセンカズラは太一が落ちたと告げ,必死で太一の姿を求める稲葉は,太一の無事な姿を発見して,腹にエルボーを落とし,校舎裏で「好きだ」の三文字を伝えた~フウセンカズラは神だね。最近はカミが流行っているけど,走りかも知れない。うーん,稲葉はツンデレだったかぁ。さて,フウセンカズラは次にどんな揺さぶりを掛ける?
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ヒトランダムより、ステップアップした感じが何とも心地よい感じでした。次巻の期待が高まりました。
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「自分を嫌いな人間が、自分を好きになってくれと言えるはずがない」
どれだけ自分が好きだと胸をはって言えるやつがいるんだよ。「ダチを想う前に自分を大切にしてやれ」と言われたことなあったけどこの歳になっても本当の意味でそのことを理解するのが難しい。
自己犠牲のうえに成り立つものなんてたかが知れているとわかっているのになんでなんだろーな。
成長してないのかなぁ。
ともかくアニメよりも面白かった! -
シリーズ2作目
『人格入れ替わり』が終わり、次に待ち受けていたのは『欲望開放』とうものだった。
読んでいくうちにどんどん世界に引き込まれていった。
『人格入れ替わり』よりも厄介な現象だったと思う。
傷つけ合うけどもどんどん友情を大きくしていき、人としても成長していく。
今作も面白かったと思う。 -
シリーズ2冊目になり5人のキャラが掴めてきて読みやすくなった。今回は顔と名前も一致したままだし。
それにしても、最後の伊織と稲葉んの感情むき出しの応酬、伊織の言葉が激しく胸を打つ。実際この状況でこんなに爽やかに終われるか?とも思うけど、察しがいいことなんて重要じゃない。本気の言葉って必要なんだなと。
前作とは逆に稲葉んの脆さと伊織の鋭さが際立った。5人のナイーブさの描写が秀逸で、徐々にネガティブ思考の深みにおちていく様とか非常に細かい。しかもそれを5人分掻き分けている。
唯を復活させるための青木も大活躍したし、ライトノベルとしては予想を裏切る良作だと思う。 -
今回問題となるのは、<欲望解放>という、無意識下に抱いている自己の欲望を表面に押し出す現象だ。
これは非常に怖い。本文でも述べられているが、いつ何時、何をしでかすのか分からないのだから。「あなたは何を望んでいますか?」という問いが与えられたとして、的確に答えることができるだろうか?多くの場合は曖昧になってしまうように思われる。「何を望みますか?」ならその場で考えて答えを出すことができるが、突発的に望んでいることを問われても、自分の中で明確なものを導き出すことは容易でない。そこでは理性や感性といった様々な要素がひしめき合っていて、どれが本当に望んでいることなのか、確信を持てないのである。まあ、だからこそ人間というのは難しくも面白い存在であるのだろうけど。
さて、主人公達文研部員五人が<ふうせんかずら>なる者の支配下に置かれ、逆らうことのできない一方的な干渉に苦しめられながらも、その中で自己、あるいは現実と向き合い、自分の在り方を模索していくというコンセプトは前作から引き継がれている。今作では特に太一と稲葉んにスポットが当てられていて、自己犠牲的な配慮の是非や外界との関わりといったことについて、あれやこれやと悩み、悩み、悩み、悩みぬいた末に、完全とは言えなくとも、自分で納得できる答えを見出していく。
物語の展開は、前作に比べ穏やかになっていると思う。だからと言って退屈という訳ではなく、<欲望解放>によって否が応でも自己の曖昧な部分に相対しなければならなくなるだけに、心情描写にウェイトを置いて登場人物の内面を丁寧に映し出している。そうすると、内容はシリアスになりがちで、実際シリアスなのだけれども、生と死が交錯するほど追い詰められるという文学によくあるパターンには陥らず、ある種のポジディブシンキングを残して現状の打破(あるいは克服)に努める。そうした前向きな姿勢を見失わない辺り、ライトノベルがライトノベルたることができる理由の一つのような気がしないでもない。(汗)
クライマックスでは、水色で濡れた世界に散った陽光が淡く輝いている、というような、可憐で清爽な印象を受けた。
つまり、読み終わった後はスッキリ!ということ。(個人差があります)
ところで、「自己犠牲」という言葉を聞くと、どうしてもあのサーヴァントの言葉を思い出してしまうのが人の常。
「理想を抱いて溺死しろ!」
・・・・・・以上、型月煽の戯言でした~。(爆) -
本音で話そうぜ本音で。
でも本音で話せば時に傷つくこともある。
それを乗り越えた先に成長もあるのだけど激痛ですね。
乗り越えられなきゃ死んでしまうほどのダメージ。
ある意味、できなかったことをできてしまう特殊現象なんだけどね…。
でもリミッター外れるから肉体的にも傷つきかねないな。 -
こちらを1巻と間違えて先に買ってしまったので仕方なく読む
お題は違うがしていることはまったく1巻と同じ
もう少し題材の見せ方の緩急をつけてライトノベル寄りにすべき