さよならもいわずに (ビームコミックス)

著者 :
  • エンターブレイン
3.49
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本棚登録 : 1214
レビュー : 173
  • Amazon.co.jp ・マンガ (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047266025

感想・レビュー・書評

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  • 漫画家にしろ小説家にしろ映画監督にしろ表現者達の業のなんという深さか。 えぐり込むように作者の内側をさらけ出したかと思うと、次のページではゾッとするほど客観的に突き放したような描写があったりと控え目に言っても異常である。 愛する人が居なくなった後に、時間が経ったとはいえ一つの作品として落とし込む事がなんで出来たのだろうか。 張り詰めた緊張感と虚無感、そして執着と愛情。 美しい物語であると同時に、とても「おそろしい」作品だと思う。 ラスト15頁に渡る展開に涙、訳も分からずに涙。

  • 突然妻を失ったギャグ漫画家が描く、異色のドキュメンタリー。上野顕太郎にしかできないかなしみの表現、悲哀の中にも笑いの心を忘れない漫画家としての矜持が垣間見えて、読み終えた後に清々しい気持ちが残る。
    作者はさよならも言わずに遠くへ行ってしまった奥さんに、漫画を通して別れの言葉を言えたのではないかと思う。

  • つらい時につぶやける名前があるのは素敵なこと

  • こちらはただ読んでいるだけなのだけど、愛する人を亡くした感覚や感情が、淡々と進む生活とは裏腹に生々しく伝わってくる。 気迫のある作品。

  • 1人の漫画家の愛と、愛する人を突然失った日々の記録。世界は色を失い溶ける。この作品は、作者でなくては描けなかった、そして描かなくては生きられなかったのだろうと思わされる。傑作というだけでは言葉が軽くなる、作者渾身の作。

  • 家族のピースが一つ欠けただけで、世界がグルッと変わってしまう恐怖が痛い位に刺さる。自責の念に囚われ、すぐに前を向くことは難しい・前進できない日常にもどかしさを感じながらも生きて行かなくちゃいけないのは辛い。死とは魂との別れ。「この体にキホはいない」今生きているうちに、伝えられるうちに精一杯やっていかなくてはいけないと思った。

  • ・「誰かが俺を狙撃してくれないか」
    大切な人を亡くした時に自分も思った事だった。
    ・電車の車輪が大きく描かれている場面も。自分も逝きたい。なのに後追いできない情けなさ生きている苦しさ。次の場面にただ真っ黒な塗りつぶしで表された作者が自分と重なり涙が出た。
    ・どうにもならない悲しみ どろどろと溶けていくような表現。人の形を留める事ができないくらいの絶望感。
    ・前向きに生きていこうという終わり方では無かったと思う。遺されたもの相手の死を受け入れるしかない。
    ・家族や恋人を大切にしようだとか妻が生きた証とか、そういうのを伝えたかった漫画では無いのではと思う。「心が裂ける音」ただそれを聞かせたかったのでは、と自分は思う。

  • こんなにも生々しい表現物に点数はつけられない…。これは凄く本物の感情。エンターテイメントではない。それだけに、凄いと思う。

    • りるさん
      なんか壮絶そうだねー!余裕があるときに手にとっってみようかな!
      なんか壮絶そうだねー!余裕があるときに手にとっってみようかな!
      2012/09/02
  • 我が身に照らし合わせても、30代にもなるとポツポツと生活圏の人間が自然の摂理で亡くなっていくものらしく、
    彼や彼女とは偶然の触れ合い、他愛の無い会話を最後に二度と逢う事は無いわけです。その唐突であることにしばし呆然としてしまうわけですが、
    この物語の様に過ごした時間と愛情が深ければ、相手を唐突に亡くす不条理が如何程の猛威を振るうかと。
    想像しがたい苦痛を体験し、それが仕事故に紙面に写し込む。稀代の特殊漫画家によるノンフィクション×錯乱のビジョン。

  • 怖い。
    そう思わせることが作者の狙いなんであれば、それは的中していると思う。ただ内容から考えると、おそらく狙いはそこにはない。だとすると、少なくとも僕には、作者の伝えたかったことを受け取ることは出来なかった。
    死を扱った作品は、概ね好意的な受け取られ方をされることが多いと思う。ただ、ミスチルじゃないけど、『ダメな映画を盛り上げるために~』みたいに、簡単に扱われているものも多々ある。
    本作がそうというのではなく、画力や漫画の質的にいって、全然入れ込めない作品でした。

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著者プロフィール

心底しょうもないネタをあらゆる技法を駆使し圧倒的なクオリティで描く、非経済的なギャグ漫画家。1983年「週刊少年チャンピオン」からデビュー。以後各誌で『朝日のようにさわやかに』『帽子男は眠れない』『ひまあり』『五万節』などを発表。2011年『さよならもいわずに』が文化庁メディア芸術祭で推薦作品に選出。1998年から「月刊コミックビーム」で『夜は千の眼を持つ』を連載中。近著に『ギャグにもほどがある』『いちマルはち』『暇なマンガ家が「マンガの描き方本」を読んで考えた「俺がベストセラーを出せない理由」 』など。

「2016年 『夜の眼は千でございます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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