- 本 ・マンガ (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047266025
作品紹介・あらすじ
「最後には祈りのような清々しささえもたらす」夏目房之介、絶賛!
感想・レビュー・書評
-
最も自分に近しい人が、突然いなくなる。
予測していないことが、当然のことのように起こることに筆者は戸惑う。
事実に対する違和感からこの世のことと受け止められない感情と、喪失感が混ぜ合わさった、妻を亡くした風景を切り取った、悲痛でいて、客観的にななめ上から自分を観察しているようなクールさがどこかにあるような、不思議な力のある作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
漫画家にしろ小説家にしろ映画監督にしろ表現者達の業のなんという深さか。 えぐり込むように作者の内側をさらけ出したかと思うと、次のページではゾッとするほど客観的に突き放したような描写があったりと控え目に言っても異常である。 愛する人が居なくなった後に、時間が経ったとはいえ一つの作品として落とし込む事がなんで出来たのだろうか。 張り詰めた緊張感と虚無感、そして執着と愛情。 美しい物語であると同時に、とても「おそろしい」作品だと思う。 ラスト15頁に渡る展開に涙、訳も分からずに涙。
-
突然妻を失ったギャグ漫画家が描く、異色のドキュメンタリー。上野顕太郎にしかできないかなしみの表現、悲哀の中にも笑いの心を忘れない漫画家としての矜持が垣間見えて、読み終えた後に清々しい気持ちが残る。
作者はさよならも言わずに遠くへ行ってしまった奥さんに、漫画を通して別れの言葉を言えたのではないかと思う。 -
こちらはただ読んでいるだけなのだけど、愛する人を亡くした感覚や感情が、淡々と進む生活とは裏腹に生々しく伝わってくる。 気迫のある作品。
-
1人の漫画家の愛と、愛する人を突然失った日々の記録。世界は色を失い溶ける。この作品は、作者でなくては描けなかった、そして描かなくては生きられなかったのだろうと思わされる。傑作というだけでは言葉が軽くなる、作者渾身の作。
著者プロフィール
上野顕太郎の作品





