“文学少女”見習いの、卒業。 (ファミ通文庫)

著者 :
制作 : 竹岡 美穂 
  • エンターブレイン
4.31
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本棚登録 : 1069
レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047267251

作品紹介・あらすじ

「わかったでしょう?邪魔よ」親友の瞳から、そう告げられた菜乃。しかも心葉は、そんな瞳とつきあうという!仰天する菜乃の前に、さらに、瞳の過去-人を死なせたと噂された三年前、彼女の側にいた人物が姿を現す。瞳に何か起こっているなら、引くわけにはいかない!心を決め、動きはじめた菜乃に、心葉は一冊の本を差し出し…。瞳が抱く秘密とは?そして、迫る心葉との別れと、菜乃の初恋の行方は-。もうひとつの"文学少女"の物語、堂々完結。

感想・レビュー・書評

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  • 文学少女「見習い」シリーズの完結作。最後にふさわしい最高の出来だった。作品単体での物語・構成もシリーズ屈指の完成度だし、それと併せて、主人公である菜乃の成長も十分に描ききっている。

    個人的に気に入っているのは、心葉の成長については敢えて心理描写を行わず、あくまで菜乃の視点から客観的に表現することに徹したところ。遠子さんから受け取った想いを糧に、自分の足で歩んでいけるようになった心葉の姿をうまく表現出来ていたと思う。
    あと見習いシリーズは、本編と比べてレギュラーで登場するキャラのメンヘラ表現が抑えられているのもよかった。

    巻末に次期シリーズの予告もあり、「文学少女」がまだ終わらないことがわかって本当に嬉しい。
    見習いシリーズが始まる時は、最終話の余韻を壊す蛇足にならないかと無用な心配もしたけれど、今回はただただ楽しみ。期待しています。

    • osamaさん
      私も、心葉の表現を行わないところに好感を持って読んでいました。次期シリーズが出る来年が楽しみですね。
      私も、心葉の表現を行わないところに好感を持って読んでいました。次期シリーズが出る来年が楽しみですね。
      2010/10/03
  • 文学少女シリーズ続編第3幕最終章。心葉卒業編。厳しくもあり、温かくもある本シリーズの事実上の最終章。心葉、とても素敵な青年になったなぁ、と。厳しさも、甘さも、優しさも、本編とは全く違うイイ感じに。そして、彼を成長させた菜乃嬢も。彼女の瞳や忍成への叱咤は、彼女らしい真っ直ぐさに彩られた、とても素敵なメッセージであったよう。まぁ「こころ」を割合早い段階で心葉が菜乃に提示したのはご愛嬌だが…。ななせも、失恋(というより恋をし続けること)の浄化、昇華の見本のような。美羽と芥川が出なかったのは少々寂しかったけど。

  • 文学少女見習い。最終巻。報われないことが決まっている恋について、どう決着をつけるのか。そして前巻の「傷心」のラストは?と、面白くないわけがない内容で、その期待どおり、すっごく面白い話だった。「文学少女」で太宰治から始まり、「見習い」で夏目漱石で締めくくられる流れも素敵。読んで良かった。

  • 初戀では心葉と遠子の間に入ってこようとする菜乃の事がウザくて嫌いで仕方がなかったけど、卒業を読み終わった時には菜乃のことが凄く好きになってた。爽やかな気持ちになったのと同時に泣きそうになった。

  • ★★★☆ 3.5 「外伝その3。今回の話のモチーフは夏目漱石の「こころ」とチェーホフの「桜の園」。作品全体に菜乃の心の成長が見られる。報われることのなかった「初恋」だけど、今後菜乃はどのような恋をしていくのだろう。菜乃の「今後」がいい方に報われるといいなと読んでいて思った。”文学少女”シリーズもあと1冊。引き続き読んでいきたいと思う。

  • 最終巻

    こころ
    桜の園

  • 夏目漱石の「こころ」、チェーホフの「桜の園」をモチーフに書かれたお話。
    「こころ」をモチーフに書かれたお話は、人の思いの裏の裏、汚い部分までもがさらけ出されてました。
    自分の思いは素直に口に出さなきゃ、やっぱり伝わらないものなんですね。
    「桜の園」をモチーフに書かれたお話の方は、読んでいて苦しくなりました。
    爽やかで純粋とも感じたのですが、その中にある悩みがすごい共感できて…。
    伝えたいことを伝えきると、こんなに前を向いて歩けるのだなと感じました。

  • 「文学少女見習い」シリーズの最終巻。菜乃が、心葉と冬柴瞳(ふゆしば・ひとみ)がキスをしているところを目撃した前巻のラストから続くストーリーです。

    瞳の過去にまつわる問題に、心葉が関わっていると知った菜乃は、2人に事情を尋ねますが、心葉も瞳も答えようとしません。ただ、心葉は菜乃に、夏目漱石の『こころ』を手渡します。

    ちょうどその頃、瞳の家庭教師をしていた忍成良介(おしなり・りょうすけ)が、菜乃たちの高校の図書室の司書としてやってきます。瞳と忍成、それに忍成が保護者となった柏木櫂(かしわぎ・かい)という少年の間に、過去に何があったのか、心葉と菜乃が真相に迫っていきます。

    卒業する心葉を見送る菜乃の姿を描いた最終章は、こみ上げてくるものがありました。

  • 今回の題材は夏目漱石の「こころ」
    大好きな作品なので、物語も理解しやすかったです。
    自分のエゴな行いに、生涯、悩み苦しんだ先生。
    悪人でも特殊な出生でもなんでもない、ごく普通の「先生」の悩みだから誰でも共感出来るのだろう、という言葉になるほどと思いました。
    でめ、どれだけ報われないようなことが登場人物たちに起こっても、そこから希望を見いだせるラストに繋げる野村先生は、本当にすごいなぁと思います。

    もう1つ題材はチェーホフの「櫻の園」
    心葉の卒業でした。
    菜乃ちゃん、本当成長しましたね!
    姫の言う通り、明るくて優しくて度量の広いいい女になるよー!

  • 涙涙の菜乃ちゃんの完結編。
    切ないストーリーでありながら、心があたたまる、これぞ「文学少女シリーズ」といったところです。
    読んでよかったです。

  • 外伝完結。

    薔薇と思わせておいて百合なのか? と思ったりしながら読んでました。(をい

    読み終わるといろいろな愛情が絡み合っていた話だったんだなと思えます。

    ちょっと夕歌さんのこととか思い出したり。わざと似せてるんだろうなぁ。

    今回はだいぶ文学的な恋愛小説というイメージで二度三度と繰り返して読んでみたくなります。ほろ苦いけど、最後が前向きなイメージで良かったです。

    卒業は菜乃が最後まで前向きなのにホッとした。いい恋をたくさんして欲しいですね。

    心葉も心葉君の頃は頼りないヘタレだったのに、心葉先輩になってだいぶ成長したなぁと感慨深い。

  • 最後の終わり方がすごく好きです。さすが!さすがすぎる!

  • 一体何がどうしてそうなったのか。
    謎な友人の行動を解き明かすため、行動し始めた少女。
    そして、先輩の卒業。

    友人のために何かをする事。
    必死になって考える事。
    そんな事をした経験はありますか? と聞かれたら
    ない、と答えられます。
    こうなった時、どう動くかも想像できません。
    ただ、妙だな、くらいは思うかも知れません。

    相手に向けるものが何なのか、一体どういうものなのか。
    これだけなら『青春』のカテゴリーではありますが…。

    自分の心に向き合う事、拒絶せずに受け止める事。
    それができれば、かなり視野が広げられます。
    そしてまた、目指す大人に近づく事ができます。
    そんな経験をしてみたいものです。

    しかし…払わねばならない『貸し』は
    一体どこまで膨れ上がっているのでしょう?w
    そして独白部分!
    最初に大きくヒントがでているのに
    最後まで『誰』なのか気が付きませんでした…。

  • 9784047267251 413p 2010・9・10 初版

  • 最後の彼の告白があまりにも綺麗。黄色みがかった真っ白で、ふんわりしていて、すごくあったかで幸せな気分になれる。“もしかしたら、この幸福を味わうために生まれてきたんじゃないだろうか”。

  • 菜乃の親友である瞳が突如心葉と付き合いだしたと言い出して…というお話。夏目漱石の「こころ」が下敷き。
    最後まで真っ直ぐな菜乃ちゃんが苦悩しながらも親友の瞳を思いやり、解決していく様子は菜乃の成長の証でしょうか。
    ドロドロしたお話も菜乃の明るい性格もあって読後感はスッキリしています。

  • 外伝"文学少女"見習いシリーズ完結編。菜乃ちゃんと心葉君にもついに別れの時が…。作家としての心葉君から菜乃ちゃんへの特別なプレゼントがとても素敵だった。菜乃ちゃんもななせちゃんもこれから新しい物語を紡いでいってほしい。

  • 櫂の“雪を降らせたい”っていう台詞が、結衣(と遠子)の“マナのようなお話が書きたい”っていう台詞と重なった。

    菜乃とななせのやりとりが良かった。
    菜乃は遠子に似てるけど、ななせにも似てるんだよなぁ。

  • 日坂菜乃シリーズになってから、ふわふわとしたストーリーばかりでしたが、久々にどろどろのお話でしたね。それと心葉が「青空に似ている」を客観的に扱えるようになり、作家として本格的に歩み出した姿が印象的でした。

  • 夏目漱石の「こころ」編よりもチェーホフの「桜の園」編がグァッ!っときた

    自分の卒業式ってどんなだったかなーって思い返してみると
    高校の卒業式当日が思い出せない、、、
    小学校は自分が引っ越しするせいでみんなと同じ中学に行けないことが悲しくて仕方なかった
    中学は答辞読んでサッカーやって、校舎に向かって頭下げて帰った
    高校は、、、文化祭実行委員のハッピ3枚重ねで着てたことしか覚えてないわ

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著者プロフィール

【野村美月(のむら・みづき)】
2001年『赤城山卓球場に歌声は響く』で第3回ファミ通エンタテインメント大賞(現・えんため大賞)小説部門〈最優秀賞〉を受賞しデビュー。2006年より刊行された、「文学少女」シリーズが大人気となる。その他のシリーズに、「ヒカルが地球にいたころ……」「ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件」などがある。

「2016年 『晴追町には、ひまりさんがいる。 恋と花火と図書館王子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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