“文学少女”見習いの、卒業。 (ファミ通文庫)

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  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047267251

感想・レビュー・書評

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  • 文学少女「見習い」シリーズの完結作。最後にふさわしい最高の出来だった。作品単体での物語・構成もシリーズ屈指の完成度だし、それと併せて、主人公である菜乃の成長も十分に描ききっている。

    個人的に気に入っているのは、心葉の成長については敢えて心理描写を行わず、あくまで菜乃の視点から客観的に表現することに徹したところ。遠子さんから受け取った想いを糧に、自分の足で歩んでいけるようになった心葉の姿をうまく表現出来ていたと思う。
    あと見習いシリーズは、本編と比べてレギュラーで登場するキャラのメンヘラ表現が抑えられているのもよかった。

    巻末に次期シリーズの予告もあり、「文学少女」がまだ終わらないことがわかって本当に嬉しい。
    見習いシリーズが始まる時は、最終話の余韻を壊す蛇足にならないかと無用な心配もしたけれど、今回はただただ楽しみ。期待しています。

    • osamaさん
      私も、心葉の表現を行わないところに好感を持って読んでいました。次期シリーズが出る来年が楽しみですね。
      私も、心葉の表現を行わないところに好感を持って読んでいました。次期シリーズが出る来年が楽しみですね。
      2010/10/03
  • 文学少女見習い。最終巻。報われないことが決まっている恋について、どう決着をつけるのか。そして前巻の「傷心」のラストは?と、面白くないわけがない内容で、その期待どおり、すっごく面白い話だった。「文学少女」で太宰治から始まり、「見習い」で夏目漱石で締めくくられる流れも素敵。読んで良かった。

  • 今回の題材は夏目漱石の「こころ」
    大好きな作品なので、物語も理解しやすかったです。
    自分のエゴな行いに、生涯、悩み苦しんだ先生。
    悪人でも特殊な出生でもなんでもない、ごく普通の「先生」の悩みだから誰でも共感出来るのだろう、という言葉になるほどと思いました。
    でめ、どれだけ報われないようなことが登場人物たちに起こっても、そこから希望を見いだせるラストに繋げる野村先生は、本当にすごいなぁと思います。

    もう1つ題材はチェーホフの「櫻の園」
    心葉の卒業でした。
    菜乃ちゃん、本当成長しましたね!
    姫の言う通り、明るくて優しくて度量の広いいい女になるよー!

  • 最後の終わり方がすごく好きです。さすが!さすがすぎる!

  • 一体何がどうしてそうなったのか。
    謎な友人の行動を解き明かすため、行動し始めた少女。
    そして、先輩の卒業。

    友人のために何かをする事。
    必死になって考える事。
    そんな事をした経験はありますか? と聞かれたら
    ない、と答えられます。
    こうなった時、どう動くかも想像できません。
    ただ、妙だな、くらいは思うかも知れません。

    相手に向けるものが何なのか、一体どういうものなのか。
    これだけなら『青春』のカテゴリーではありますが…。

    自分の心に向き合う事、拒絶せずに受け止める事。
    それができれば、かなり視野が広げられます。
    そしてまた、目指す大人に近づく事ができます。
    そんな経験をしてみたいものです。

    しかし…払わねばならない『貸し』は
    一体どこまで膨れ上がっているのでしょう?w
    そして独白部分!
    最初に大きくヒントがでているのに
    最後まで『誰』なのか気が付きませんでした…。

  • 最後の彼の告白があまりにも綺麗。黄色みがかった真っ白で、ふんわりしていて、すごくあったかで幸せな気分になれる。“もしかしたら、この幸福を味わうために生まれてきたんじゃないだろうか”。

  • 外伝"文学少女"見習いシリーズ完結編。菜乃ちゃんと心葉君にもついに別れの時が…。作家としての心葉君から菜乃ちゃんへの特別なプレゼントがとても素敵だった。菜乃ちゃんもななせちゃんもこれから新しい物語を紡いでいってほしい。

  • 櫂の“雪を降らせたい”っていう台詞が、結衣(と遠子)の“マナのようなお話が書きたい”っていう台詞と重なった。

    菜乃とななせのやりとりが良かった。
    菜乃は遠子に似てるけど、ななせにも似てるんだよなぁ。

  • 日坂菜乃シリーズになってから、ふわふわとしたストーリーばかりでしたが、久々にどろどろのお話でしたね。それと心葉が「青空に似ている」を客観的に扱えるようになり、作家として本格的に歩み出した姿が印象的でした。

  • そういえば、文学少女シリーズまだ最後まで読んでないなーと思って図書館で借りた。

    久々に読んだ。

    文学少女は遠子先輩風に言うと、「夏みかんのゼリー」ってイメージ。

    見た目は可愛くて一見キラキラして見えるけど、ちょっと苦味が残る感じ。
    でもやっぱり最後は後味スッキリ。みたいな。

    そんなイメージ。

  • 文学少女見習いシリーズ最終巻。
    最終巻にふさわしい物語だったと思います。菜乃可愛いよ菜乃。
    最後にはみんな幸せに慣れてよかったと思いました。

  • 外伝最終巻の本作。結構をシリーズ一作目から借りて過去に罪を背負い、各々がその罪を悔いながら、それを真正面から受け入れて、二人で生きていく。そんな二人の姿に哀しみを包含した真実を見るのでしょう。

  • 三人とも、それぞれのことを大切に思い合っていたのに、裏切られた“私”の最後がとても悲しかった。 私は“私”にも幸せになって欲しかった。三人で笑いあえる日々を実現して欲しかった。 深々とした寂しさを残した“寂寞” “卒業”では、菜乃と心葉の別れのシーンがとても美しかったです。 ななせと夕歌のメールのやりとりも、短いけれど温かなものでした。

  • 卒業は前向きな物語

  • 名作でした。

  • 刊行当初に購入して、それから積ん読していたわけだけれど、この本を読まずにおいて置いたことにすごく勿体無いと感じると共にすごく贅沢なことをしたようにも思う。

    個人的には本編文学少女を超えた。
    菜乃のがんばりやで友達思いな性格が存分に発揮された3巻でした。

    菜乃が瞳を引き止め、そして送り出すシーンは涙が滲んだし、

    ラストシーンの告白、それに対する心葉の返答、
    なんて、贅沢な片想いだったんだろう。と前向きにまた歩き出す菜乃。

    卒業の物語でこんなにあたたかいラスト。

    文学少女見習いの卒業。正直星5つで足りないです。

    きっと何度も読み返す一冊になりそうです。

  • この本を読む前、前の刊の終わりから一体どう物語を繋げてくるのか予想できなかったです。
    だからなのか、読み終えたときは、とっても清々しい気持ちになりました。

    それから、瞳ちゃんと心葉を邪魔するななせと菜乃がとてもかわいかったです^^
    思わずくすりと笑ってしまいました。

  • 菜乃、そして心葉くんの成長。いつの間にか菜乃のこと好きになった。

  • かっぱえびせんのように止まらなくなり、見習い版3冊読んでしまいました。
    心葉先輩の最後のプレゼントが素敵でした☆
    大好きなまま去った先輩との思い出は、キラキラした宝物ですね~

  • ”見習い”最終巻。
    この本を読むとよ~く解りますが、このシリーズは
    本編(神に挑む作家(下)まで)で読み終えた気になり、
    サイドストーリーはいいや、と思ってしまうと、
    物語を半分も楽しめないお話なんですよね。

    「初戀」の感想で書いた「見習い」は心葉君では、て
    あながち間違いでなかった気がします。
    菜乃ちゃんも勿論「見習い」なんだけど、それは「文学少女」
    以上に、心葉君を前に進ませる存在、て意味な気がしました。
    今回のタイトルも、心葉君なら文字通りであり、
    菜乃ちゃんなら「子供だった自分(もしくは心葉君に恋していた自分)」
    からの卒業な気がします。

    あとは「文学少女な編集者」を残すのみですが、これが感涙必至になりそう。
    この「見習い」シリーズがあった意味も大きいお話になってるようなので、
    楽しみです。

    ちなみに今回のお話は、ななせたんファンにもお勧めですね。

著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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