B.A.D. チョコレートデイズ(1) (ファミ通文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047270299

作品紹介・あらすじ

繭墨あざかの元、腹に鬼を孕み、苦悶の日々を過ごす小田桐勤。彼の前に現われた、"天国"への誘いとは-『僕が「繭さん」と呼ぶ理由』。立花梓は知りたかった。通り魔から助けてくれた嵯峨雄介のことを。彼がいる、違う世界のことを-『私が先輩に恋した非日常』。繭墨あさと、14歳。"繭墨あざか"となる役目を降ろされた彼は、己を失ったまま生きていた-『狐の生まれた日』。「B.A.D.」が詰まった非日常的チョコレートデイズ・セレクション第1弾。

感想・レビュー・書評

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  • 繭墨と小田桐、嵯峨雄介、あさと、この3組の短編集。
    時系列はバラバラだが、小田桐とあさとの話はB.A.Dを構成する最初の駒になっていると感じた。短編でもそれぞれに人の醜さ、意地汚さ、狡猾さとひと掬いの優しさがよく書かれていて、性悪説という言葉が頭を過ぎる。読了した後のなんとも言えない後味の苦味、唯一何も変わらない繭墨の希少さが最後に残る。

  • 呼ぶ理由、恋をした非日常、狐に生まれた日、の短編集。

    こういう理由だったのか、という昔の話。
    誰しも過去は引きづりますが、決別する事もできます。
    といえばシリアスですが…いや、内容はシリアスですが
    この人と一緒にいる事に、さらなる不安を憶えます。

    金属バットをいつも振り回している彼、が出てくる話。
    人についていくばかりで、自分で考えない主人公。
    確かにこれはいらつくでしょうが、それはそれで
    本人にきっちりと伝えた方がよろしいかも?
    伝えない優しさなのか、伝える優しさなのか。

    自分を自分として認識して、生まれ変わった日。
    大事な事ではありますが、完全に認識が間違ってます。
    見たくないものから目をそらすとこうなりますよ、な
    末路見本、という感じです。
    本人が道しるべを見つけたのなら、いい事、でしょうか?

  • シリーズ番外編第1弾。短編3本を収録しています。

    第1話「僕が「繭さん」と呼ぶ理由」は、あさとによって静香を壊された小田桐が、あざかの助手となった直後の物語です。

    第2話「私が先輩に恋した非日常」は、立花梓(たちばな・あずさ)という少女が主役を務めます。学校の怪談に巻き込まれた彼女が、不良少年と目されている嵯峨雄介と知り合い、彼の助けを得て事件を解決する話です。

    第3話「狐の生まれた日」は、「繭墨あざか」の役目から追われ屋敷に飼い殺しにされていたあさとが、屋敷を飛び出して狐の仮面をかぶって生きることを決めるまでの経緯が描かれています。

    第1話、第3話は、本編と同じようなテイストの作品です。第2話は、主役を張る梓と雄介のキャラクターのせいか、若干コミカルな作風になっているような気がします。

  • 全然甘くありません!番外編というより、補足という感じ。最後のあさとの話が良かった。

  • 全体的に面白かったが、
    所々首をひねりたくなるシーンがあった。

    嵯峨雄介を好きになれた一冊。

  • 『B.A.D.』シリーズの短編集。
    本編ではあまり触れられない隠れたお話がぎゅっと詰まってます。
    新たな視点で読めるので楽しいです。

  • 本編を補足する短編と,あまり関係のない短編.言葉だけ上っ面だけの覚悟で妙にウザい小田桐も久々だったし,嵯峨の日常も相変わらずだったし,あさとの人格形成もさすがの綾里クオリティだし,どれも本編のファンには面白い内容だと思う.

  • グロと独特の雰囲気で魅了してくるB.A.Dシリーズの短編集(というには1編1編が長い気がするけど・・・)。

    WEBで連載されていた小田桐が繭墨あざかを呼ぶようになった話、本編からは全く想像もつかない嵯峨雄介に恋した女子の話の2つに加え、書き下ろしで繭墨あさとが狐となる瞬間の話が入っている。
    B.A.D.シリーズ読んでいる人にはとても大きな影響与えることまちがいなし。

    以下各短編の感想

    『僕が「繭さん」と呼ぶ理由』:話の時系列的にも1巻の前で小田桐のある種のウザさ、腹の子に対する認識とかが前のままなのでせっかく4巻まででよくなってきた流れが完全にないから結構読みにくかった。

    『私が先輩に恋した非日常』:嵯峨雄介は本編では実にアレな人で本短編でもそのキャラはブレていないんだけど、彼女(立花梓)の方が健気過ぎる。結末はやっぱりこのシリーズならではって感じで、梓は多くのものを失うけど小田桐と違っていい方向に進んでる気がする・・・よくわからないけど。

    『狐の生まれた日』:あさとが一体どんな人間(?)だったのかがよくわかる話。自分が宗家で唯一の存在だったはずなのがあざかの登場でアイデンティティが失われ、本人も気づかぬうちに歪んでいく感じがなんというか、このシリーズらしいところで読んでて不覚にも一種の快感を得てしまった。
    あざかの忠告とその後すぐの「狐」誕生の瞬間の「キタ━(((゚∀゚)))━!」感が半端ない。すっかりこのシリーズに毒されてる。うん。

  • あさとの着物姿は、さすが似合うなぁ…と。

  •  てっきりあってもなくてもいいレベルのサイドストーリーかと舐めてたら・・・、必読でしょう、これは。4巻でひとつの幕を下ろしたタイミングだから書けたのでしょうけど、狐に関しては、この話を読んでピースがほぼ埋まったような感じがしました。書き下ろしらしいのでこの本でしか読めません。
     雄介の話も非常によかった。彼の壊れたところに変わりはないのに、彼らしいアプローチというか他人との距離を保ち、こういうストーリーが展開されたのは少々驚きに値します。作者もそのつもりがあるようなので是非続編というかスピンオフ作品をつくって欲しい。
     1話目の話が一番重いと作者は語ってましたが、まあ否定するほどでもないですが、なんかすぅーと入ってしまいましたね。重いことは重いんですが、このシリーズを気に入っている人なら、やはりおもしろいという言葉が合う内容だったんじゃないでしょうか。
     ある意味、芝居がかったような語りやキャラクタの所作は好き嫌いあるところかもしれませんが、改めて今一番気に入っている作品のひとつだなと再認識しました。悪趣味と言われそうですけど。

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著者プロフィール

2009年『B.A.D ―繭墨あざかと小田桐勤の怪奇事件簿―』(刊行時『B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる』に改題)で第11回エンターブレインえんため大賞小説部門優秀賞を受賞し、翌年デビュー。主な著書に「異世界拷問姫」シリーズ、他多数。

「2022年 『偏愛執事の悪魔ルポ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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