猫かぶり嬢とにわか貴公子 -箱入りメイドへ華麗な転落- (ビーズログ文庫)

著者 :
  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047275775

作品紹介・あらすじ

"本性"を隠して伯爵家のメイドとして働くシャーロットは、元・大富豪のお嬢様!無一文の自分を笑った連中を見返すため、貴族に見初められる機会を密かに窺っていた。だがある日、「この屋敷の子息を利用してやる!!」と一人で鬱憤をぶちまけていると、当の本人・エロールに目撃されて大ピンチ!!と思ったら、彼はシャーロットを気に入ってしまい-!?腹黒(?)メイドのラブコメ開幕。

感想・レビュー・書評

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  • 自分も女の身ではありますが、こういった女性向け小説はあまり好きではありませんでした。しかしこれは最後までおもしろく読め、ヒロインの猫かぶりっぷりがいっそ清々しく好感を持てました。やはりいろいろ手を出してみるのもいいですね。

  • いいとこのお嬢様として過ごしてきたシャーロット。
    父親の死で全てを奪われて、学園から追い出されてしまった。
    あてもなく彷徨っているとこを拾われ、メイドとして暮らすことに。

    いつかきっと成り上がってやる!そんな決意を胸に、猫を被って頑張る彼女の前に現れたのは、かつての同級生。
    しかもシャーロットの名を名乗っていて!?みたいな話。

    シャーロットが腹黒いってより、努力家で負けず嫌いで、泣き寝入りするような子じゃないのがいい!
    ストーリーの先は読めるんだけど、水戸黄門みたいな、こうでなくっちゃって感じの爽快感がある。
    面白かったです。

  • 読んで最初に思ったのは、やっぱり「小公女セーラ」でしょうか。
    ミンチン女史とか、昔見たアニメが頭に浮かんじゃいました。

    けどこっちのシャーロットは、腹黒で打算ありきのいい子ちゃんでしたけど、思い込みが結構大外れだったりして、そんな彼女の後ろで見守るエロールがなんともいえません。

    エロールは絶対シャーロットが好きだと思うけど、シャーロットはどうかなぁ。次巻に期待です。

  • 腹黒小公女+育ってる小公子

  • テーマは所謂「小公女」ものなんですが、主人公の竹を割ったかのような気風の良い猫かぶり具合がとてもつぼ。ごーいんぐまいうぇいに自分の道を進んでいて、悪気なく計算高い感じがかわゆすーです。エルもこれからが楽しみな感じで。周りを固める脇役陣も、それぞれストーリーを感じさせてときめくー。リンダさんとクラウスは、これから掘り下げられるんですよね?的な。

  • 主人公は腹黒というよりは、向上心が強い女の子という印象。
    いい子ちゃんなヒロインもいいけど、こういう貪欲さを持ってる子も共感できて好きです。さんざんな目にあった末に一気に返り咲くラストはやっぱり小公女に通じるものがあってスカッとしました。
    シャーロットとエロールの今後の関係が楽しみ。

  • メイドへと転落?

    しかし泣き寝入りなどはいたしません(笑)

    虎視眈々と狙うは返り咲き!!

    立場が入れ替わった、けれども諦めない少女の物語(笑)

  • 腹黒、というよりも、何というか元気有り余る計算された行動のヒロインと、ちゃらいようで意外と素直?なヒーローのお話。
    個人的には現代版シンデレラ(ヒロインはちょっと策略的)みたいな印象でした。まぁ小公女というのを知らないっていうのもあるんですが。

    話の内容自体は起伏がそれなりにあるものの、全体的に読み切りとしてはとてもまとまっている話だと思います。(なんだかんだ言いつつも)けなげに頑張るヒロインいいね!
    ただ、ヒーロー側の動機がよく読めなかったり、他にもメイド長や執事の彼の行動が少し突飛に見えたのが気になったかなー、というぐらいです。

  • 腹黒メイドの帯に引き寄せられて購入!
    顔も頭もお金も全て持っているが、手に入れるたいのは「貴族の仲間入り」
    ちやほやされたい。の一心で(?)ここまで築き上げてきたという、
    実はけっこう努力家の主人公。
    ただの玉の輿は望まない? 
    お嬢さまから一気に「孤児」への転落人生。ただ悲嘆にくれるだけでもない
    この主人公が、とても好感が持てます!

  • “「だいたい、人を思いきり叩いてくれちゃって。傷とか残ったらどうしてくれるのよ。私の顔に傷が残るなんて、世界の損失だわ」
    メイドとしてかぶっている猫の都合上、他のメイドたちに混じってマイヤーを罵るのはいただけない。誰も聞いていない今、吐き出すだけ吐き出してやろうとシャーロットは思った。
    「叩かれただけで終わるなんて勿体ないわよね。折角お坊ちゃまが見てたんだもの。使わない手はないわ。面識があるわけだし、上手く同情引けないかしら。それでいつか院長先生に——っ!?」
    ——ガタッ。
    突如、背後でドアが音を立てる。シャーロットは反射的に振り返り、驚きに目を瞠った。
    (ちょっと、なんでいるのよ!)
    そこには、ドアノブに手をかけた状態のまま視線を泳がせているエロールがいた。入るのに躊躇してたら、なにかの拍子に思わず手に力を込めてしまった、といった状況か。開けようとしてドアを開けたわけではなさそうな雰囲気だった。”

    シャーロット視点で読んでたら苛立つのって、あともう一発ぐらいリザ達にパンチが欲しかった。

    “「じゃあ、『シャーロット』って、やっぱり......」
    誰かがぽつりと呟いたのを皮切りに、驚きが波紋のように広がっていく。
    伯爵が、ぽかんと口を開けた。
    「早く会いたいわ。クラウスさん、シャーロットはどこに?夜会の準備で忙しいのかしら?」
    最初にこちらを向いたのは誰だっただろう。階上にいる者も階下にいる者も、一人また一人と視線を走らせ、シャーロットの姿を見つけて止まる。
    みんなの視線に釣られるようにメロディも上を見る。——目が、合った。
    「まあ、シャーロット!」
    喜びの声を上げたメロディはしかし、すぐに首をかしげ、白い頬に指を滑らせる。
    「どうしてメイドの格好をしているの?あなたは何を着ても似合うけれど、さすがにその格好で夜会に出るのはまずいのではないかしら?」
    心底不思議そうな声が、玄関ホールに嫌というほどよく響いた。”

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