“朧月夜” ヒカルが地球にいたころ……(4) (ファミ通文庫)

著者 :
  • エンターブレイン
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047279889

作品紹介・あらすじ

突然葵【あおい】から「彼氏になってください」と頼まれてしまった是光【これみつ】。そのせいで帆夏【ほのか】ともギクシャクしているところに、さらに"ヒカルの愛人"を名乗る少女、月夜子【つやこ】が現れる。「わたしがヒカルの大事な花を散らさないように、見張っていてくれる?」という言葉に、是光は、彼女の主催する日舞研に仮入部するが……。次々とむしり散らされる学園の花。やがて、葵の身にも危険が迫る。謎めいた言動をする月夜子の本意は? そして彼女が恐れる"蜘蛛"とは――?

感想・レビュー・書評

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  • 今回は先輩キャラの月夜子がヒロインで、物語が二転三転します。花をちぎっていたのは?月夜子は本当にあいつが好きなのか?とか疑問が頭に浮かんでは消えして、どう落としこむのか期待しながら見たけれどああなるほどと。やっぱり、ヒロインはハッピーエンドでなくては。今回葵は振り回され放題で挙げ句軟禁という感じですが、是光が確実に男を上げていってますね。また、いつものことですが野村先生の風景描写には心洗われるというか、溜め息が出るほど綺麗で大好きです。

  • 面白かったー!
    もともとこの「ヒカルが地球にいたころ」は大好きなシリーズですが、
    この巻でさらに評価が上がりました。

    今回のテーマは“朧月夜”。
    花は艶やかで誇り高い“枝垂桜”。
    この“朧月夜”にして”枝垂桜”な月夜子先輩が、すごく魅力的なキャラだった。

    誇り高くカッコよく、小悪魔のような無邪気さもあり、だけど臆病でコンプレックスを抱えている月夜子。
    ヒカルがいたころは、そんなコンプレックスを肯定してもらい、咲き誇る枝垂桜のように強く気高くいられた。
    ヒカルがいなくなってからは、過去のしがらみの糸に捕らわれ拠り所をなくし、踊れなくなってしまった。

    僕はけっこう登場人物に感情移入して読むタイプなのですが、
    この月夜子が過去と現在を比べて気持ちが連続してアップダウンするシーンは、本当にやばかった。
    自分の気持ちまでアップダウンしてしまい、夢中で読んでしまった。さすが野村美月。

    ストーリーもキャラも満足な1冊でした。
    ★4つ。


    ・・・って思ってたら。

    しーこww
    最後に全部持ってったよww
    しーこの可愛さに、★プラス1つw

  • 蜘蛛に捕らわれていた。
    誰にもバレないように巧妙な手口で逃げ道を無くし、孤立した所へ漬け込み従わせようだなんて最低すぎるな。
    安心して暮らせる居場所が出来たからこそ、子供らしくいられるのだろうな。

  • 蜘蛛の化身を恐れる、日舞の名取りでヒカルの愛人を名乗る月夜子センパイが艶やか。巻を追う毎に増える女の子達が個性的で楽しく、ヒカルのハーレム皇子さにも嫌味がない。帆夏は一々面倒臭さ全開だけれど、妬いていた筈の月夜子のファンになったり恋愛に引き摺られていないシーンは確かにさっぱりしているのかもと思えた。

  •  紅い長い髪は朧月夜に照らされる枝垂桜のよう。
     ヒカルシリーズ4巻は「朧月夜」に焦点を。

     確かに、美人で男とも浮名を流す遊び女だが、その実は男の支配の恐怖の中でもがき苦しむ手弱女。
     これを元ネタ源氏の朧月夜からそのままインスパイアしたとは思わないが、そもそも源氏物語が全編「女の哀しみ」に貫かれた作品であるならば、この朧月夜の造形もまた「源氏」という作品を反映したものなのだろう。
     そんな中、見え隠れする「六条」の影。そして、ヒカルに暗い嫉妬の念を燃やす半血の兄一朱は何を狙う?。
     ヒロインが葵になってるぞ。頑張れ式部さん。

  • うわぁ(辟易)
    一朱、気持ち悪いな。
    フェロモン振りまいている月夜子が今回のヒロインなせいもあり、なんだかドロドロしてきた。

    ヒカルの死の真相は、もしかしたら。
    という推理をしてみるけれど、まぁわたしの推理力ではタカがしれてる。
    おとなしく最終巻まで読むとします。

  • 源氏物語にインスパイアされながら、なかなかにシビアな展開。
    どんどんシビアになっていっているが、大丈夫かな?

  • 源氏物語にはたくさんの女性が登場しますが、どんな女君に惹かれるかという読み方も、古来からずっとされてきました。

    今回の女主人公は「朧月夜」。
    月の宮こと月夜子さんです。

    自分で好きな女君を挙げろと言われたら「夕顔」とこの「朧月夜」そして「玉鬘」を挙げるでしょう。やっぱり自分の好きなヒロインがメインの回は、読後感も好きですね。このシリーズの中では夕顔の次に好き。

    紅の枝垂れ桜に例えられる紅の髪。
    透き通るような艶かしい白い肌。

    ヒカルとは深い仲だったらしい奔放な少女、月夜子。彼女はヒカルの愛人であったと公言して憚りません。男好きの浮気者のように言われていますが艶やかで、芯が強くて度胸があって。なかなか気持ちのよい、愛らしい女の子です。

    亡きヒカルの代わりに、『約束』を代行する是光くん。先輩である月夜子の魅力には確かにくらっときていますが彼なりに筋は通しています。彼は、「後輩」として彼女を守ってあげたいと思っていますし、悪女のように言われていても本来彼女は純粋で、激しいけれど一途な女の子なのでそれを理解したうえで、穢れから守ってあげなくてはと頑張ったように思います。

    凛とした、強くて華やかな心の女性を
    まっすぐな激しい男性が本気でかばう。

    そこにヒカルとの間のような恋はありません。

    惚れたというのなら。
    むしろ。

    くちづける場面はありますが、是光くんは人間としての月夜子さんの潔さに惚れたのだと私は思います。

    彼女は本当は、ヒカルくんの義兄の許嫁でしたが義兄から精神的な虐待を受けてきたせいで、自分を醜く、人に愛されない女の子だと思い込んでいました。

    このヒカルの義兄が、どうにもならない男で、傷ついたのは確かだと思います。

    ただ、現実には月夜子さんは物凄い美人さんなので
    そんなに心を閉ざす必要は、本当はなくて。

    ただ、病的なこころへの暴力から解放されれば、じゅうぶん幸せになる子ですし。問題は払いのけ方を知らなかったこと。まだ幼くて無垢だったことでしょうね。

    この呪縛を取り除いたのがヒカルだったわけですが

    この二人の恋も、私は見事だったと思うのです。

    終わりがくることはわかっている恋でも業火に抱かれて燃え尽きる桜のように完全燃焼した。そんな恋だったのではないでしょうか。

    いつか、幕切れを思わなくて済む本当の愛が
    彼女にやってきますように。

  • 【ヒカルが地球にいたころ・・・・・・】4巻目。
    憎悪ってこわい・・・と思った作品でした。
    月夜子先輩は美しかったけど、一朱さん(・.・;)
    是光くんが巻数を重ねるごとにほんとに魅力的になっていきますね(笑)
    ヒカルくんはきっとただのハーレム皇子じゃないんだなぁ・・・

  • 相変わらず重いものを背負った女性の登場に、だからこそヒカルは心残りだったんだろうと思いました。その女性を救う度に是光を好きになる女性が増える一方だけど、それも納得してしまうのが面白い。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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