ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

  • KADOKAWA/エンターブレイン
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本棚登録 : 795
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047283312

作品紹介・あらすじ

ツイッターで中毒者続出のサイバーパンクニンジャ小説。

感想・レビュー・書評

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  • サイバーパンク・ニンジャ小説『ニンジャスレイヤー』第1部ネオサイタマ炎上の1巻です。
    マルノウチ・スゴイタカイビルにて妻子の命を奪われたフジキド・ケンジですが、ナラク・ニンジャのソウルを宿すニンジャスレイヤーとなり復讐を誓います。
    多くの登場人物がいる割に時系列順ではありませんが、目茶苦茶な世界観によりそんなことは全く問題になりません。
    ネオサイタマで暗躍するソウカイヤ・シンジケート、バイオスモトリやクローンヤクザなどを秘密裏に開発するヨロシサン製薬、その他訳の分からない組織との熾烈な争いが描かれます。
    1巻目ですが“アイエエエ!ニンジャ?ニンジャナンデ!?”などの多くのパワーワードが収録されています。
    レビューを書いている今も意味がわからないことばかりですが、面白いことは確かです。
    次巻にも期待します。

  • 「ニンジャ……殺すべし!」

    ◆◆◆◆◆◆◆

    twitterで話題のサイバーパンクニンジャ小説待望の書籍化第一巻。
    読み始めるとまず独特なアトモスフィアとマッポーめいた世界観の虜になる。そして気づいた頃には立派なニンジャヘッズへと化しているだろう。
    舞台は現代の日本とは似て非なるサイバー都市、ネオサイタマ。
    そこは人間とは一線を画す超常の存在「ニンジャ」が暗躍する恐るべきディストピアだ。
    主人公ケンジ・フジキドはその身に古代に存在したニンジャの魂、「ニンジャソウル」を宿したニンジャでありながら、全てのニンジャを殺す者「ニンジャスレイヤー」を名乗る。ニンジャに命を奪われた妻と息子の復讐のため、一人の孤独な復讐者の長い戦いが、ここに幕を開ける!

    ニンジャスレイヤーを語る上で外せないのが独特の「コトダマ」だ
    それらは日本の文化を元にしており、聞き覚えがあるものが実際多い。だが我々の知っている物とはどこか異なっていて、新鮮な刺激を与えてくれる。
    ネオサイタマの街中に溢れる文字、コトワザ、ハイク……そしてニンジャ。
    そのどれもがエキセントリックでありエキサイティングなのだ。
    また、本小説は現在もtwitter上で連載中であり、この本を読み終えたらインターネットですぐに続きを読み始めることが可能だ。
    これはtwitter上でリアルタイム翻訳を行うほんやくチーム、そして原作者のボンド=サン、モーゼズ=サン……彼らの奥ゆかしい理念に基づいてニンジャスレイヤーは書籍化後も変わりなくインターネット上でアーカイブを読むことが可能なのだ。
    興味を持った方は検索してアーカイブを読み、是非ともこの本を手にとって見て欲しい。
    そしてツイッターアーのニンジャスレイヤー公式アカウントをフォローし、新鮮なニンジャ・アトモスフィアをあなたのTLに、そしてゆくゆくはリアルタイム実況に参加して欲しい。
    我々ニンジャヘッズはニュービーの参加を奥ゆかしく歓迎する。
    全てはニンジャなのだ。 ……備えよう。

  • 噂のニンジャスレイヤー。予想以上に面白かったです。アメリカ人による勘違いニンジャ物語という見方も確かにできるし、ワッショイ・ゴウランガ!もサヨナラもドーモもユウジョウ!も非常に面白かったのですが笑、思った以上に確信犯だよなという感触を得ました。
    日本のことを良く知っているというか、日本の「空気」をよく知っていると思います。その上で、それを、いうならば少年ジャンプ的に、あるいはアメコミ的に誇張エンタメ化しているのじゃないかな〜と。ストーリーや設定も、その点から言えばとても典型的というか、王道です。駄目な少年が素敵な少女に憧れてがんばるとか。落ちぶれた悪役が実は良いやつとか。主人公が復讐キャラとか。
    少年漫画にしたらいいのにと思いました。その観点から、とても上手な作品だと感心しました。
    逆に考えて、日本人が他の国を舞台にこういうものが作れるんだろうかな〜と。どうだろう。
    ツイッターで皆で翻訳して、という現象がまた興味をそそるんだろうな!実はそんなに大したことではないんだろうけど、これこれ、これだよ最先端は、みたいな気持ちが確かにしますものね。

  • ネタとして読んだので結構面白かった。
    でも、続きを買って読むほどではないかな。

  • アイエエエエエ!
    ネオサイタマを舞台に繰り広げられるニンジャ達の殺戮劇場!スゴイ!

    何がスゴイって、忍殺語とも呼ばれる独特な日本語の言い回し!ワザマエ!
    サイバーパンクな世界観もよく出来てる!ワザマエ!

    「ラスト・ガール・スタンディング」を始め、登場人物の感情・決意などもシカッリ描かれている。
    なので、登場人物(特に非ニンジャ)に共感できる。

    この本を読み始めてから自然と忍殺語を使ってしまう自分に気付く。ナムサン!

    公式Twitterで試し読みもできます。
    Wasshoi!

  • 最初は勘違いジャポニズムに苦笑しながら読み始めたのだが、実際オモシロイ。
    サイバーパンクにマッポー的ジャポニズムが加わり、日本の作家には絶対描けないだろうニホンが広がる。こういう世界観は大好きだ。
    訳文だからこそ許される崩壊した文章、挟まれる断片的ニホンゴ、もはや様式美の域にあるマンネリズム。
    どれもスゴイオモシロイ。
    なめてかかって読み始めたことを反省し、ケジメせねば。

  • 書籍版2巻まで読んで我慢できずツイッターの最新まで追っかけた状態での感想。


    時系列ばらばらのエピソードを羅列ってなんか辻褄の合う合わないからうまいこと逃げてるっぽくてちょっと狡いなあとか思ってたら、どうも計算ずくで並べられてるっぽいのでいいぞもっとやれ状態。
    膨大な登場人物が複雑に入り乱れる群像劇なので書籍でまとめて読んだり読み返したりしたほうがわかりよい。

    とりあえず翻訳者も、最近気付いたけど原作者もいろいろわかってやってるだろうと思う。「外国人の勘違いした日本」じゃないんだこれ。作りこまれたネオサイタマの世界観が小出しにされてだんだんつながっていくのは楽しい。サイバーパンク全然知らないけど興味出てきたくらい。

    文体に脳が侵食されるのでいろいろ危ない。「キンカク・テンプル」とか「マルノウチ・スゴイタカイビル」とか「サッキョーライン・エクスプレス」とか地の文の「コワイ!」とかにいちいち慣れてきたせいで真面目に友人に勧めるときにいちいち噴かれる。

    でも家族と友達を大事にする人たちの話でもあったり。それが裏切られたり奪われたりした人たち、自分の家族だけは守ろうとする人たちの話だったり。復讐の連鎖もきっちり。復讐終わったらどうするの、っていうところも。
    運命とか呪いとか怨念とかそういうどろどろした話でもある。
    いろんなものひとへの狂信者も多数で個人的に燃える。

    何よりこう、侵食するものされるものが脳内会議してたり乗っ取りあったりしてる話は好きなんだ。協力したり殺しあったり。

     最初は粛々と会うニンジャ会うニンジャ全員殺してたのに、「即殺すニンジャ」「殺す優先順位が低いニンジャ」「とりあえず殺さない(殺したくない)ニンジャ」って線引きを始めたように見えるニンジャスレイヤー=サンの状況判断は今後どうなっていくのか、復讐行は果たせるのか、どこまでいったら終わりになるのか、とか。
     憑りついたあげく好き勝手やろうとするものに対して恨み骨髄に達した結果、自分をカタナから妖刀にクラスチェンジさせたあのお兄さんは、今後自分の憑物落とせるのか、落としたらあの人に何が残るのか、残らないってわかってるんじゃないのか、とか。
     さまざまなストレスから、自分に憑りついて一体化しているものと進んで記憶を混濁させたがっているあの大将は、しかもその自覚のあるらしいあの人は、今後狂気を深めていったらどうなるんだろう、とか。

    その辺が動き出す二部からが本番だと思う。書籍版はツイッターから大幅に改稿されているのでそういう意味でも楽しみ。

  • 2012/11/30読了。
    風太郎忍法帖とブレードランナーをごちゃ混ぜにして、外人が持っている間違った日本のイメージの世界を舞台にバトル漫画を展開して、それをツイッターで細切れに実況したらこうなる、という感じのとても斬新な小説。近年稀に見る当たりのエンターテインメントだった。
    間違った日本観が愉快だが、著者は実は相当な日本通と見た。そうでなければ間違うことすらできないガジェットがたくさん出てくるし、日本の社会やカルチャーの本質を捉えた描写もある。わざとズラしたところと本気で間違えているところがカオスをなしており、それがまた絶妙である。
    訳は複数人で行っているらしい。これだけ特殊な世界観をブレずに訳せるのは相当優秀なチームだと思う。
    単に奇抜なだけではなく、ニンジャスレイヤーをはじめ修羅の世界を孤独に戦う者たちを描くストーリーには胸を打たれる。笑いあり涙あり、共感あり鳥肌あり、かつての特撮ヒーローものを思わせる上質なサブカルチャー。
    続巻は今日発売。抜かりなく買ってきてある。

  • ニンジャ殺すべし。慈悲は無い。

    凄い小説!痛快な展開!ヤバイニンジャ!実際分厚い!豪華なウキヨエ!

    140字制限のアトモスフィアを再現しながらも縦書きで書かれていて、まとめ読みというだけならば電子媒体より遥かに良い。
    しかし書籍化されてもツイッターのログは消されたりしない。まとめも残っている。公式HPには試し読みもあるし実際オススメ。

  • サイバーパンクと忍者を掛け合わせるという斬新な設定だが、しっかり世界観ができていれば問題なかった!ヤッター!
    ネタにされがちだが内容はとても濃く、個人的にはSFジャンルとしてもアクションとしても面白い。「イヤーッ!」「グワーッ!」で終わるけど、何となく映像が浮かぶ。それくらい物語と人物など世界設定できてる。
    ニンジャ語が初めから出てきて戸惑うかもしれないが、ここは日本語のいいところでニュアンスもしっかり伝わる。
    息子からの借り物で4巻まで今のところある。続きが楽しみ。

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著者プロフィール

1968年生まれ。ニューヨーク在住。

「2017年 『ニンジャスレイヤー殺(5)<完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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