- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047283725
作品紹介・あらすじ
サロンで噂の才女-伯爵令嬢のマリオンは怒っていた。ある事件を発端に、行方不明だった幼なじみのジルが(大嫌い!な)国王直属の軍人になって帰ってきたからだ。だけどある日「寂しい。会いたい」という彼の手紙を見つけたマリオン!ジルを追いかけ、故郷に帰ってみるが…自宅屋敷が"翼の一族"を捜す軍によって占拠されていて!?ジルと軍の目的は一体?謎めく恋のおとぎ話、開幕。
感想・レビュー・書評
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“「お嬢様、そろそろ素直になったらいかがです?本当はもうずっとジル様と、仲直りするきっかけがほしかったんじゃないですか?」
胸の奥底に隠していた願望をのぞかれたようで、ぎくりとした。
けれどエメは何も驚くことはないと、普段通りの愛嬌ある笑顔を浮かべる。
「だってお嬢様がご自分のために描く絵って、みんなジル様を題材にしているじゃないですかあ。しかも、あんなにいっぱい。……ジル様がせっかく、こんなふうにきっかけをくれたんですもの、今度はお嬢様がジル様の手を取りにいかなきゃあ。ね、ユベール」
「…………」
相変わらずユベールは何も答えない。しかしエメも慣れっこで、「でしょ?そうよねー」と謎の会話を成立させている。”[P.46]
序盤は素直になれないマリオン。
家出した理由も絶交したくなった理由もちゃんと筋通ってて。
ジルの仕草がたまに可愛い。
面白かった。
表紙背景が白いってちょっと珍しいかも。
“「ジルはあたしを、ただの友だちじゃなくて、親友だと思ってくれているってこと?」
「え……」
険しく顔を歪めたジルは、相当傷ついた様子で黙り込んだ。
しかしマリオンは「親友」という特別な響きに、すっかり舞い上がっていた。
たった一人の幼なじみ。そして友だちから、親友へ。
絶交していた年月が長すぎて、もう友だちにすら戻れないと思っていた数日前には、考えられなかった。こんなに大変な一夜を過ごすことになることも、その結末に待っているご褒美が、こんなにいいものだってことも。
水際にそびえる柳の木の枝で、隣に座ったジルがそっぽを向いてしまっている。水上に脚をぶらんと下ろしたマリオンは、彼の腕を摑み、わくわくする気持ちで言った。
「親友ができるなんて初めてよ!これであたしたち、もっと近づけるのね」
「……そうか。そういうことになるのか」
何か明るい兆しが見えた、という顔でマリオンに向き直ったジルは、ニッと笑った。”[P.246] -
この方の前のシリーズはヒーローが好きになれなくて途中でやめちゃったんですけど、これはそれなりに面白く読めたかも。最初はマリオンにオイオイってなってましたけど、途中からは自分の言動を反省して素直に素直にってなってるのが可愛かったです。続きは出たら多分買う。