兎月恋絵巻 -悪縁は円満な刻にやってくる- (ビーズログ文庫)
- エンターブレイン (2013年1月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047286436
作品紹介・あらすじ
様々な困難を乗り越えた清子と稀國は、誤解も解けて両想いに。縁結びの神様・伝月も「最高の良縁」である二人を結んだことで、力を取り戻した-が。ある日、「おヌシらの縁を切りに来た」と、伝月そっくりの縁切りの神様・断月が現れた!!しかも「この縁は"死"に繋がる」と不気味な忠告まで…!もちろん"縁切り"は拒否した清子だが、それ以来、稀國が屋敷を訪れなくなって-。
感想・レビュー・書評
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コミカルな縁結びの神様・伝月によって、両思いになった清子と稀國。はずかしげもない歌にどぎまぎし、嬉しく思いながらも、返歌ができない清子。そんなぎこちない関係の二人の前に現れたのは、“縁切り"の神様・断月。
しかし、彼は敵ではないらしいが、二人の縁の先には死が待ち受けていると言い出した…
春霞の君、再び。
話を広げすぎないでまとめようとした所で、ちょっとこじんまりした雰囲気になってしまったが、二人の熱々っぷりで、フォロー。
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“「ちぃっ、まったく往生際の悪い……!」
伝月が宙を駆ける。そして彼はそのまま、両手を突き出し——
「てぇいっ!」
「ぬぅ!?」
断月の両目を手で塞ぐ。
「今じゃっ、行けい!!」
その姿勢のまま、伝月は鋭く叫んだ。
「……へ?」
「へではない、早く行かぬか!わしが比奴を押さえている間に!」
必死に叫ぶ伝月は真剣そのものだが、体勢のせいでふざけているようにしか見えない。
一方で断月は、しばらく動きを止めていたが、ややあってからこう叫んだ。
「急に夜になった!!」
「既に夜じゃドアホ。ほれ、さっさと行け!」”[P.58]
2巻目。
前後巻になってたみたいで閉幕。
最後のちょこっとした話、ああいうの好きだから嬉しいな。
“伝月は小さく頷いた。
「だから大丈夫じゃ。お主と稀國との縁は、よその男のちょっかい程度では切れぬよ。それこそ注連縄のように太くなる縁、なのじゃからな」
「そ、そうかしら?」
「まあ今はぼんやり霞んで様子がおかしいが」
「不安になるようなこと付け足さないで!!」”[P.140] -
だから、前の巻で読みきり完、で良かったんじゃないんすか?と思ったシリーズ後編。やはり稀國の身の上話を絡めてのうだうだでしたが、当て馬星影の宮はパンチないし、ラスボスは性懲りもなく春霞の君だし~。断月っていう伝月のかぶりキャラもなんだかな~な、蛇足感満載の一品ですた。