ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫)

著者 :
  • エンターブレイン
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047287365

作品紹介・あらすじ

目を覚ました時、太一はただ一人グラウンドにいた。人気もなく薄暗い校舎に怯えながら仲間を探す内に、ようやく伊織と合流する太一。そして二人は気づいてしまう。外に出ることができない『孤立空間』、そこで出会ったすべての人に現象が起きていると…。百人を超える生徒を積極的に取りまとめる生徒会長の香取、強制終了を避けるために動く文研部。だが現象が長引くにつれ、そこには不穏な空気が漂い始めていた-。愛と青春の五角形コメディ、完結。

感想・レビュー・書評

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  • 最終巻はまさに筆者が表現したかったものをあるがままに書いた、そんな印象を持ちます。

    確かに文章だけで言えば至らない部分もありますが、こんなに直球な作品も最近ではあまりないのではないでしょうか。

    好みは分かれると思いますが、この作品は細かい部分まで世界への想いに溢れています。最後の太一の独白はまさに筆者の言葉を代弁したかのようです。

    その青臭さが僕は好きで、だからこそ最後の瞬間まで一喜一憂しながら読めたのだと思います。

  • ココロコ最終巻です。
    まさに自分が上巻の感想で書いてたことをひしひしと感じる
    最終巻で、感無量!は感無量なのですが…

    うーん、ひとつ納得いかん!
    やっぱり、伊織たんが少し置き去りになってる気がします。
    結構物語内で1番ひどい目にあっていた気がする子だと
    思うんですが、色々な意味で彼女がちょっと置いてけぼりだった
    気がします。
    稲葉んも好きなので結末はとても嬉しいのですが、彼女がどんどん
    いいとこを取っていくようになった感も。
    この物語でクライマックスになっているシーンでも出てきますが、
    1巻の最後の挿絵、あれが物語のキーになってましたね。
    (中身が伊織たんの稲葉んと太一のハグ。
    絵的には稲葉んv太一に見える)

    そんな彼女のその後などが最後の短編集で見れるか
    気になります。

    今回の主役は、栗原さん&唯たん!と思います。
    親友=心友、はまさに一生の財産ですね。
    心友・唯たんの言葉に奮い立った栗原さん、凄く凄く偉い!
    いじめなどの陰湿な行為ををやめるときに一番勇気がいるのは
    「おかしい」って言う子だと思いますが、本当に本当に偉い。
    これが出来る子が1人でもいる限り、世の中は捨てたもんじゃ
    ないと思います。

    あと、ある意味一度も悪役にならなかった円城寺さんも1票!
    終盤のあの展開、泣けました。

    上記のようなことを含め、学生生活って人生に必要なもの=
    授業では教われないものがぎっしりありますよね。
    それを知ることが出来るというのは本当に幸せだと思います。

    伊織たん一押しだったので、★-1です。
    こういう子が1番救われて欲しい今の世の中。

  • 個人的にはヒト〜ミチランダムで燃え尽きて、それ以降は何となく惰性で読んでしまった感はあるけどココロコは間違いなく心のバイブル、いや人生のバイブル!
    次回作は気軽に読める話(短編集はそういう話なのかな?)というのも見たいですね。

    いろいろあったけど何はともあれお疲れ様でした!

  • ココロコネクト10作目、完結編。

    全ての人間に現象が起きている『孤立空間』。
    終わらせる条件は「皆が一つになること」

    『強制終了』を避け、皆で脱出するため動く文研部。しかし、次第に限界を迎える生徒達。
    生徒会長、香取により『強制終了』を脱出の手段として提示され、友人同士で互いに傷つけあう生徒達。
    そして現象が起きていないことがバレ、敵視される文研部。
    守りたいのに、真実を話せず、信用されず、追い込まれるメンバー。
    それでも諦めず、奮闘することで、世界は少しずつ変わりだす。

    人を一つにするには、集団をまとめるには、結局のところ対個人としてよびかけるところから始めるしかない。当然といえば当然だけど、大抵の場合「皆、○○しよう」と集団として呼びかけてしまうのではないだろうか。

    世界を動かすことは難しくても、人を動かすことは出来なくもない。けれど、すこしずつ人を動かすことが出来れば、世界を動かすきっかけになるかもね。

    今回の物語は規模が大きすぎて違和感あったけど、根幹部分は同じ。きっと、「心を繋ぐこと」「絆を信じること」は人間だけが持つ力なんだろう。

    各章のタイトルも感慨深いものがあるけど、何より「ココロコネクト」というタイトルはこのシリーズそのもの。心を繋ぐ、ココロコネクト。
    とにかくお疲れ様でした。
    どうやら短編集が出るらしいので、その辺で一人孤独な永瀬と宇和&円城寺の話を見たいです。

  • 今回はすべての「最後」へ向けて後編

    最後のエピソードらしく壮大で大掛かりな現象が起きてどういう風に締めくくるか気になっていた前編。
    この巻はそのまとめといったところ。
    面白かったんですけど、やっぱりちょっと壮大すぎたのと最後はこうなるだろうなと思ったところに着地していい意味での読者を裏切れなかった気がします。
    まぁ、ある人物が自信を取り戻したのはなによりでしたが(笑)

    いままでありがとうございました!

  • 久しぶりのココロコネクトシリーズ。完結です。ま、短編集が出るそうなので、もうちょっと楽しめそうですけど。

    Amazon袋から開けた瞬間、「厚っ」と確かに思いましたよ、あとがきにある通り(笑)。

    アオイだクサイだと、なんだかんだといいながら、このキャラクターたちが好きなんだな、オジサンは。なんでこんな高校生学園ものラブコメが気に入っているのか、我ながら不思議ですが。読んでいて面白いと思うんだからしょうがないか。藤島委員長も最後締めたし、八重樫太一の最後語りも良かったし、「姫子」と呼んで終わるのも良し。

    結末は、予定調和的ハッピーエンド。もう少し波乱を期待したでもないけど、これまでを振り返りながらの結末は、過去話を思い出しながらで良かったかな。最初のヤマ場は病院だったもんね、なんて。心地良い終わり方だったと思います。

    小さなことでも良いから行動すること、一歩でも半歩でも良いから前に進むこと、を強く謳っていると思う。ウチもこの歳になってやっと、そうやって少しでも何か行動すれば、何かが変わると実感しています。この読メやブクログで、誰かの感想にコメント1つ入れるだけで、相手からの反応があって、それがうれしくて、なんかこう1つ進んだ気がするじゃないですか。
    仕事をしていてもそう。確かに初めはわからないことだらけだから受け身になってしまうけど、どこかで踏ん張って1つ進めると、周りの人からアドバイスもらったり、怒られたりすることもあるけど、それでも進んだ、ステップアップしたと言えると思うんですよね。なので、若い人には、ちょっとでも良いから、何か行動してみたら、とか思っちゃうんだよ。
    ま、そんなアオクササを感じることがこのシリーズの楽しみ方なのかと思っていますよ。なんだか作者の思い入れを感じますしね。

    パラレルワールドではないけど、そうなったかもしれない世界,そうならなかったかもしれない世界。胡蝶の夢か。先に読んだ「ヤンのいた島」や、「絶園のテンペスト」もそんな感じの終わり方だったかな。いろいろ考えるけど、目の前の「現実」と思われる世界を生きていくのだ。

  • ココロコネクト完結編。

    いやいや、もうよかったよ、ほんと。
    展開はいつも通りでしたが、やはりいつものカタルシスが心地よすぎた。

    そして最後の王道展開!
    安心させられながらも、どんどんページが進んでいきました。

    結局この小説は心から楽しませていただきました。
    ラストの短編集がただただ楽しみです!

  • 上巻は前振りだと思っていた。違った。上下合わせて約750ページ中、約650ページを占めているなら、それは全くの本編だ。望んでなさすぎてもはや泣きたい。
    その他大勢の生徒たちになんて入り込めない。甘さも辛さも全然足りなくてうっっっすくてラストエピソードがこれってどういうことなの!
    わたしが冷めているからこんな読み方になってしまうのだと多大なショックを受けた。

    今巻、読みたかった、読めて嬉しい、と思えたのはたぶん合計で10ページにも満たない。それくらい文研部が、稲葉んが、書かれていない。悲しい。
    とりあえず、「それ」が起こった瞬間の稲葉んの絶望が(全く描写はないので完全に勝手な想像である)、瞬間最大勢力を誇った。次点感情の奔流。

    ふうせんかずらの嘘が上手く受け取れていなかった為(そんなこと言ってたっけという読み流しっぷりである。ひどいな)、だから、自分をなおざりにして他人にだけかまけるから!とみんなには若干ご立腹である。
    結局どうして上巻からあんなに後回しにしていたの?もっとがむしゃらにあがくところじゃないの?良いやり方がわからないにしても落ち着きすぎじゃないの?自分たちを信じていたからなの?解せない。
    そんな筈はないけど、みんなにとってみんなは、その程度なの?
    不安描写が足りなすぎる。その他生徒たちに押されて上巻で真に迫らなかったのは、下巻で爆発する為と思いきや、全然そんなことはなかった。わたしが重いのかなあ……。

    伊織と稲葉んの友情も、稲葉んの太一を想う気持ちも、物凄く物凄く希少なものだと思っている。他三人と後輩二人は現象がなかったとしてもふつうに生きられるだろうけれど、伊織と稲葉んにとってはもっと大きな経験である筈。
    五人にもっと大事に思っていて欲しかった。だけど実際のところは当たり前のすがる程ではない日常なのかなあ。
    なんかわたし、いつの間にかみんなから置いていかれてる?稲葉んはまだ大事に思っているよね?それは弱さじゃないよね?
    三人にとっては二回目だから耐性があるのか。それでも前もって宣言されたなら、もうちょっと動揺すると思うんだけど。
    まあ、著者的にも、似た描写になっては仕方がないし……?(でも前回の時は一年生に寄っていたから然程書かれたとは思っていない)
    あるいは自分も忘れるなら、ダメージは小さく済むか。そういう諦めなのか。……いやな考えだ。

    その他生徒たちがおんぶにだっこすぎて、自分のことはまずは自分で何とかしようとするべきだと、頼ることと寄り掛かることは違うと思うと、とても感じた。
    でも悪いのは文研部だ。自分たちだって大変なのに、当の五人がそこをないがしろにして良い筈がないんだ。
    大体同じ高校生同士なのに、一方的に助ける、助けられるって、おかしい。どんなヒーローだ。ラノベだからか。
    これでは稲葉んのして来た、ユメであんなに必死だった、自己犠牲、他人の為、の否定が意味をなさなくなってしまうのではないか。
    ユメの稲葉んを迷いなく支持することは出来なかったのに、今回はあまりにも違うと感じる。
    自分たちにも危機が迫っているのにどうして完全に他人を優先しているのだ。同時進行ですらないとか何故だ。
    上巻では家族が最初たしなめてくれていたのに、家族の大切さと思うと多少唐突だったけれどそこから学ぶのかと思っていたのに、最終的には許容されて、そうして彼らの独断だけで突き進み続けて、最後まで貫きおった……。なんてこった。わたしそんなにずれているのかなあ……。困った……。

    作品が掲げる正しさをただ受け入れて思考停止することが出来ない。自分にとって余程の時は勿論別だけれどそんなことは滅多になくて、基本はむしろ、作品に飲まれて諾々と流されちゃう方なのに。
    本当に、文研部がばかみたいに、大事なんだ。それはわたしではなくて稲葉んの気持ちな筈で、きっと伊織も、出来れば太一も、そうであって欲しいと思っていた。

    「それ」からは百ページ程度で済まされちゃうんだから、わたしが重く受け止めていただけで元々大して重きを置かれていなかったというか、それだからその他生徒編になったのかなとは思う。
    なら、最後の最後に主人公たちから離れてわざわざそうする意味ってなんだ。他者との関わりも大事、とかいう次元じゃない気がするんだけれど。

    藤島は訳のわからん最強無敵の格好良さを発揮している時が魅力的すぎるから、弱っている描写は見たくないなと改めて思った。実在するならひどいけど、二次元だから言っちゃう。
    わたしには何故だか、か弱い乙女さも魅力の稲葉んとはちょっと訳が違う、となる。

    カコで一旦失速したけれど、ユメまでずっと、ずっとずっとずっと、物凄かったのにな。
    でもシリーズを通してそこまでの凄さを維持していたことの方が、ある意味奇跡だったかもしれない。
    これまではシリーズを読破したら著者の次作を購入しようかと検討していたけれど、読了分の最新がこれではと、気持ちが薄れちゃった……。

  • 最終章下巻。大団円ですね。この手のストーリーは奮闘編が光り、解決編・終結編はどうしても王道で、展開が読めてしまう。実際のところ、文研部5人の物語としては、修学旅行編における太一の気づきで終わっているところでもある。ただ、完結させないわけにはいかない以上、こういう展開で〆るのもありかな。個人的には4巻が強い印象を残すが、全体としてもなかなか素敵なシリーズでした。

  • 最後の戦いの下巻。
    生徒会長が悪者にしか見えないのだが 笑
    三番目達は、いたのかいないのかわからない。
    一旦記憶は消えてしまい、世界がふうぜんかずらに会わなかった世界になるが、記憶が戻ると元通りは、都合がよすぎる気がしないでもない。
    こちらもなんかスッキリしない。

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著者プロフィール

第11回えんため大賞特別賞『ココロコネクト』でデビュー。シリーズ11冊で120万部を突破。2シリーズ目『アオイハルノスベテ』全5巻、『今日が最後の人類だとしても』続刊中がある。

「2017年 『今日が最後の人類だとしても2 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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