ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)

著者 :
  • エンターブレイン
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本棚登録 : 211
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047290112

作品紹介・あらすじ

人間と吸血鬼が、昼と夜を分け合う世界。山森頼雅は両親が営むコンビニを手伝う高校生。夕方を迎えると毎日、自分と同じ蓮大付属に通う少女が紅茶を買っていく。それを冷蔵庫の奥から確認するのが彼の日課になっていた。そんなある日、その少女、冴原綾萌と出会い、吸血鬼も自分たちと同じ、いわゆる普通の高校生なのだと知る。普通に出会い、普通に惹かれ合う二人だが、夜の中で寄せ合う想いが彼らを悩ませていく…。夏の夜を焦がすラブストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 世界観を鮮明に彩る文章と、人間と吸血鬼の淡い恋がすごいマッチしてて好みだった

  • ヴァンパイアと人間が共存する世界での、ヴァンパイアと人間の恋物語。

    この作品のひとつめの特長は、異文化の表現だと思います。
    ヴァンパイアの生活文化。それは人間と大差が無いようで、やっぱり新しい発見に満ち溢れています。
    この『日常的に見えて、どこか非日常的な世界』が、舞台全体の魅力に繋がっているように感じます。

    ふたつめの特長は、それぞれの視点から描かれる思春期の葛藤とすれ違いです。
    寝ても覚めても相手の事を考え、ちょっとした事で一喜一憂し、悶々とする。
    そんな甘酸っぱく、小っ恥ずかしい思春期ゆえの葛藤が、この作品では如実に再現されております。

    『思春期の恋』を再び感じたい方へと是非ともお勧めしたい作品です(^_^)

  • こんなラノベを待っていた!! ここまで真摯に青春を描いた作品に巡り合ったのは久しぶりだ。

    本作は吸血鬼の少女と人間の少年の普通の恋物語である。
    今までにも吸血鬼を描いた物語は数多くあるが、大抵の作品では最終的に戦闘シーンが入る。
    だがこの作品にバトルはない。

    名作に贅肉はいらないのだ。

    あるのは青春の甘酸っぱさだけ。
    ヒロインは安易なデレ方をしない。メールをしても大丈夫だろうかという不安。自意識過剰だとは思われないか。
    相手は自分の事を好きなのか。いや、その前に自分は本当に相手の事を好きなのか。
    手を繋ぎたい。二人で出かけたい。キスもしたい。
    でも、昼と夜が分かつ、近くて遠い二人の距離はもどかしい。
    吸血鬼の存在する現実ではない世界で、徹底的にリアルな高校生の物語。

    果たして現在、何人のラノベ作家がこれほどまで真っ直ぐな青春の物語を紡げるのか。
    いわゆるラノベの読者層に一般受けする作品ではないかもしれない。
    でもたまにはこういう作品があっても良い。
    安易な萌えやアクションに逃げなかった作者に最大級の賛辞を送りたい。

    また文章も読みやすくて、非常に好感が持てる。時折挟まれるギャグも面白い。「スッキリ!」の下りは爆笑してしまった。高校生の生活を良く捉えた素晴らしい流れだと思う。

    実は作者の存在は受賞作の時点から知っていた。しかし受賞作のタイトル「耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳」から色物作家だ勝手に思い込んでいた自分に深く反省。
    少し新鮮で、愚直に青春。素晴らしい作品でした。

  • 4章の「夜と牙」がとにかくすごい。

    3章の「ブルー・サマータイム」は、お互い両想いなのに、
    傷つくのを怖がって積極的になれない、それを読者はやきもきしつつも2828する、
    というのは青春恋愛モノの定番の流れで、まぁまぁ普通にいいな、と思って読んでいた。

    しかし、次章の「夜と牙」で一変、昼の描写を一切排し、濃厚な暗闇の描写が延々と続く異質な「真夜中のデート」。

    デートとしては、別段変わったことをしている訳ではないのに、
    二人が仲を深める度、現実的な「闇」の描写が暗喩となり、徐々に吸血鬼の本性が浮き彫りになってゆくのは、ただただ圧巻。

    夜に読むとかなり怖い。かなりぞくぞくした。

    主人公が途中まで、昼での(人間の)常識的な狭い視野でしか彼女のことを理解できないのが非常にもどかしい。


    簡単に括ってしまえば、「ひと夏の恋の思い出」という話なんだけど、全く新しく感じた。
    個人的にあの終わり方は非常に好きだ。

  • 最高! こんな本をまた読みたい!

  • 人間山森頼雅と吸血鬼冴原綾萌の甘~いラブストーリー。切ない感じが好き。甘すぎるので、胸焼けする人も多いかも。

  • うーん、いまいち。耳刈ネルリの作者だと読む前に気付いてしまったと思ったが、読んでみたらシュールなギャグなどなく、種族の異なる者の純愛物語だった。Amazonレビューによれば筆者らしいギャグセンスは健在らしいが笑いどころなんて全くなかったよ。徐々に引かれていく男女も不自然とは感じないが、胸を揺さぶられる程ではない。主人公が将来夜仕事するようになれば問題なしじゃね?ヒロインは夜しか活動できないんだから。甘酸っぱい高校でのハツカレハツカノを経験している人にはきゅんきゅんくるのかもしれないが、私には分からなかった。

  • 昼に生きる人間と夜に生きる吸血鬼が共存するという設定。内容はドストレートな青春もの。“吸血鬼から見た常識”をうまく使った、時間的距離・空間的距離の描き方がとても秀逸。最後の1文がとてもよかったので★+1。

  • 人間と吸血鬼が共存する世界観のラブストーリー。
    生きる世界が時間と太陽によって隔てられているという設定と等身大のキャラクターがよかった。
    日常系ライトミステリ。
    続編があるならば読みたいと思う。

  •  吸血鬼と人間が共存している世界のはなし。同じ高校の夜間部に通う女の子と、昼間部に通う男の子が、サマータイムのおかげで巡り合う。ニヤニヤできるし、ちょっぴり切ないし、ほんのりミステリだし、この雰囲気すごく好きだ。夏の夜にぴったり。

     男の子視点でハラハラしたあと、おんなじシーンを女の子視点で「答え合わせ」できるのがいい。ニヤニヤする。

     会話もいいね。ちょっととぼけた会話シーンとか、女の子同士のちょっときつい下ネタトークとか。

     夜間部と昼間部とか、コンビニのドリンク棚の前に立つ女の子と品出しをする男の子とか、随所に「隔ててる」描写があって、ぴりぴりして切ない。

     この一冊で綺麗に完結してるけど、こいつらとまた会いたいなぁ。大学生編とか書いてくれないかな。影宮が主人公のスピンオフでもいい。

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著者プロフィール

小説家。1978年生まれ。『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』で第10回えんため大賞優秀賞を受賞しデビュー。著作『四人制姉妹百合物帳』(星海社)、「耳刈ネルリ」シリーズ、『ヴァンパイア・サマータイム』(KADOKAWA)、『後宮楽園球場』(集英社)など。

「2015年 『明日の狩りの詞の』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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