放浪息子 15 (BEAM COMIX)

著者 :
  • エンターブレイン
4.25
  • (83)
  • (55)
  • (27)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 621
感想 : 45
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047291010

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「青い花」では振られても「好き」という気持ちを受け入れ、好きでいることでその思いをつらぬいた存在にハッピーエンドを与え、「放浪息子」では修一が自分の感情と折り合いを付け、受け入れると言う小さな奇跡を描いた。この二つの作品は世界に対し少しの安堵感と、希望を与えてくれる。


    日常は小さな挫折の積み重ねで出来ている。

    その過程で新しい世界を模索したり。

    だからこそ、このふたつのハッピーエンドは尊い、なんて思った。

  • (ニトリくんの性の話! うわぁー! とこちらまで赤くなってしまう。)

    この漫画には、勇気づけられ、励まされ、中高生のころに読むことができればもっとよかったと、何度も何度も思いました。
    志村先生お疲れ様でした!!!

  • ちょっと新世紀エヴァンゲリオン感あった。
    放浪息子のお陰で今まで生きてこられた。これからは自分の力で生きていきたい。

  • 良いな〜…こういうお話ほんまに好き

  • どうせ悶々とするなら、VR志村貴子の世界で悶々としたいよね。現実からEXIT。

  • これは、男の子になりたい女の子と、女の子になりたい男の子という2人で1つだった存在が分化(人はそれを成長とよぶ)していく物語だった。表紙を見ればすぐわかることなのに気づかなかった。1巻の2人はうりふたつなのに、14巻の2人はどうみたって別々の人間。女の子の格好をした男の子と、男の子の格好をした女の子なのだ。

    だから二鳥くんと高槻さんが恋人になるわけがなかった。

    最後に二鳥くんと高槻さんが手をつないだ時、女として生きていくことを受け入れた高槻さんは1人で涙を流していた。そのシーンの見開きの半分では、二鳥くんがあんなちゃんとキスをしている。そして二鳥くんはあんなちゃんに「女の人になりたい」と言う。

    これが、2人が分化する最後の地点。ここを境に2人は1人と1人になる。これは2人の終わりであり、1人の始まりの手繋ぎだったんだ。

    この地点に至るまで、2人をおし進めたのは、誰かではなく、彼ら自身なのだという事実が切ない。高槻さんが女の子の格好をすることを肯定したのは二鳥くんだった。それゆえ、高槻さんは女の子になり、二鳥くんへの気持ちに気づく。高槻さんは告白し、二鳥くんはそれを断り、高槻さんと二鳥くんは離れていくことになる。最後に手をつないで。

    ---

    読み終わった後は、切ないとしか言えなかった。高槻さんに感情移入してしまって。その時は気づかなくて、気づくのはふと、突然で、でもその時にはもう手に入らない。それでもあんなちゃんを選ぶ二鳥くんは正しい。その正しさが、現実感を与えているし、切ない。

    「ぼくの記録」で終わるのだってそう。分化してしまった二鳥くんは「ぼくたち」じゃないんだ。「彼女とぼくは同志だろうか?」と、ソウルメイトみたいな感じで終わらないのが切ないし、とんでもなく現実だと思う。高槻さんとの時間は、事実としてあるだけ 「片方は男の子になるのをやめた。それだけのこと。」なのだ。

    続きが読みたい。めちゃくちゃにそう思った。けど、それは野暮なことなんだ。これが人生なんだし、ここで二鳥くんと高槻さんの記録は終わったのだから。続編があるとしたら、それはまた別の名前の物語だ。

    ---

    とにかくみんないい子で、みんな愛しい漫画だった。高槻さんは、年を追うごとにうじうじに。二鳥くんは、年を追うごとに淡々と。千葉さんは、高槻さんと二鳥くんの特別な関係に嫉妬していたことを客観的に認め、それを自分の宝物みたいに思い、高槻さんのその関係が崩れたという呟きに涙した。

    みんな成長していってる。それが本当に愛しい。現実感があるとか書いたけど、現実にこんないい子たちいないよ。絶対に。

    とにかく高槻さん大好きなので、高槻さんのその後をどこかで読みたい~。

    久しぶりに、夢中になる作品に出会えて嬉しい。

  • 最終巻。
    二鳥くんは自分のことを小説に書き始める。

    マコはスナックでユキさんの見習い。

  • 完結巻です。一気に読んでしまった… 読み終わった余韻に浸って感想が上手く思い浮かばない。二鳥くんも高槻さんも千葉さんも、嫌いだって思っていた人たちさえも読み終わってみると愛おしいと思える。はぁ… 良い作品を読みました。

  • 最終巻。小説を書くというカタチで過去を振り返りつつ終わりを迎えるという表現方法がいい。

  • 最後に過去を振り返って "たぶん欲しいのは「 許される箱」だった" って言うのがズシンとくる

全45件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1973年、神奈川県生まれ。1997年、『ぼくは、おんなのこ』でデビュー。代表作『青い花』『放浪息子』はテレビアニメ化された。2015年、『淡島百景』が第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。その他、『こいいじ』『娘の家出』『敷居の住人』『どうにかなる日々』など、著書多数。また、アニメ『アルドノア・ゼロ』『バッテリー』のキャラクターデザイン、小説の装画など、マンガ以外にも活躍の場を広げている。2020年、『どうにかなる日々』のアニメが劇場公開予定。

「2023年 『おとなになっても(9)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

志村貴子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
志村 貴子
羽海野 チカ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×