ニンジャスレイヤー 聖なるヌンチャク (キョート殺伐都市 # 4)

  • KADOKAWA/エンターブレイン
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047292611

作品紹介・あらすじ

短編読み切りエピソード!!twitter発のニンジャ活劇!!!

感想・レビュー・書評

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  • 『ニンジャスレイヤー』第2部第4巻。コミカルな道具立ての底流に流れるのは、相変わらずディストピアの閉塞感なのだけれど、ニンジャスレイヤー側だけでなく、ダークニンジャ側にも協力者や崇拝者が現れたことで、全体に虚無感は和らいだ感覚。
    今巻で印象的なエピソードは、ザ・ヴァーティゴが本編に初登場する「ディフュージョン・アキュミュレイション・リボーン・ディストラクション」。読者からのお便りコーナーにのみ登場していたニンジャなのだけれど、ノンブル(ページ番号部分)や地の余白部分まで使って、本編と本編外を繋ぐ演出はメタ的で楽しい。

  • 2014/10/19読了
    「デーブ・スペクターは本当は埼玉県上尾市生まれである」というジョークがあるが、それがあながちジョークとも思われないのは、彼が並の日本人よりも濃い言語遊戯を日本語で行うことと、並の日本人よりも日本の社会と文化について本質を突く節があるからだ。このシリーズにもそれに通じるものを感じる。著者の国籍が実際どうであれ、本シリーズは日本を扱った極めて現代的で近未来的な社会小説、風刺小説と言っていい。
    本巻ではそうした面でのダークニンジャ=サンの存在感が圧倒的だった。
    彼に「かぶいた名前で自己主張するのは思い上がったサンシタと相場が決まっている。」とか「ありふれた大衆がありふれたニンジャ大衆に置き換わるのでは無意味だ。」とか言わせるところなど、穿って深読みすれば、DQNネーム(キラキラネーム、たまひよネーム)やFラン大学(定員割れ大学、底辺大学)に象徴されるような、日本における「格差」周辺のテーマについての洞察が背景にあるとも読め、ちょっとエンターテインメント小説のキャラにしては風刺が鋭すぎるセリフが散りばめられていて楽しい。
    ……いや、かいかぶりすぎか? ともあれ、今回も楽しい読書ができた。安心して読める得難いシリーズだ。

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著者プロフィール

1968年生まれ。ニューヨーク在住。

「2017年 『ニンジャスレイヤー殺(5)<完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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