ニンジャスレイヤー 聖なるヌンチャク (キョート殺伐都市 # 4)
- KADOKAWA/エンターブレイン (2013年12月28日発売)
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感想 : 3件
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- Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047292611
作品紹介・あらすじ
短編読み切りエピソード!!twitter発のニンジャ活劇!!!
感想・レビュー・書評
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2014/10/19読了
「デーブ・スペクターは本当は埼玉県上尾市生まれである」というジョークがあるが、それがあながちジョークとも思われないのは、彼が並の日本人よりも濃い言語遊戯を日本語で行うことと、並の日本人よりも日本の社会と文化について本質を突く節があるからだ。このシリーズにもそれに通じるものを感じる。著者の国籍が実際どうであれ、本シリーズは日本を扱った極めて現代的で近未来的な社会小説、風刺小説と言っていい。
本巻ではそうした面でのダークニンジャ=サンの存在感が圧倒的だった。
彼に「かぶいた名前で自己主張するのは思い上がったサンシタと相場が決まっている。」とか「ありふれた大衆がありふれたニンジャ大衆に置き換わるのでは無意味だ。」とか言わせるところなど、穿って深読みすれば、DQNネーム(キラキラネーム、たまひよネーム)やFラン大学(定員割れ大学、底辺大学)に象徴されるような、日本における「格差」周辺のテーマについての洞察が背景にあるとも読め、ちょっとエンターテインメント小説のキャラにしては風刺が鋭すぎるセリフが散りばめられていて楽しい。
……いや、かいかぶりすぎか? ともあれ、今回も楽しい読書ができた。安心して読める得難いシリーズだ。
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