なりゆき斎王の入内 ~この婚姻、陰謀なりけり~ (ビーズログ文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/エンターブレイン
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047296015

作品紹介・あらすじ

血筋だけなら皇族の塔子は、熊野育ちの元気いっぱいの少女。しかし、会ったこともない父の命で無理やり伊勢の斎王に就任させられ、なりゆきで神に仕える日々を送っていた-のだが、父が呪詛事件を起こしたことが発覚!となれば熊野に帰れる…はずが、事態は急転。政敵であり、男色の噂もある東宮への塔子の入内が決定したのだ!!この婚姻には、裏がある-!?胸騒ぎの平安恋絵巻開宴!

感想・レビュー・書評

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  • 皇族の血を引きながら、熊野で自由に育った塔子は、顔も知らない父から伊勢の斎王になるよう命じられる。父と姉の呪詛疑惑から、斎王から解放されたと思う間もなく東宮の妃として入内が求められる。しかし、牢で病死した父と姉の呪詛事件を探ることになり、驚くべき真相を見抜くのだった。
    明るく、賢く、芯の強い主人公の塔子が魅力的だ。塔子が投げた墨が額に当たったことがきっかけで出会った平暁との仲が気になるところ。

  • 見たこともない父のせいで、育った場所から
    無理やり斎王になるため移動させられた主人公。
    それがようやく終わったと思ったら、今度は都?

    そもそも、姫君がいないとはいえ選ばれたものです。
    これは除外、と思う人はいなかったのでしょうか?
    そこまで人がいなかった、という事で?

    ものすごく親切な面して近寄ってくる人は
    警戒しても大丈夫、という王道でした。
    犯人(?)はまさかの人物でしたが、元を正せば
    自業自得な感じもします。
    そこまで追い詰められるほど、それが大事なのは
    時代背景を考えれば分かりますけど。

    さらに分かりやすいのは、出てきたヒーロー。
    だろうと思いましたよ、な最後でしたが。
    このまま1年、頑張ってください。

  • はきはきした塔子と、素直で抜けてる暁のキャラ二人が魅力的。
    二人の間で交わされる、テンポの良い会話も楽しい。

  • 【ネタばれ感想注意】

    シリーズ1冊目。

    <自分用メモ>
    ・ヒロイン 16歳
    先帝の孫で、今上帝の異母弟を父に持つ由緒正しい血筋を持つ姫君だけど、生まれも育ちも熊野で都や宮中とは無縁に育っていた。
    母方の祖父が熊野神社の宮司で、祖父亡き後は叔父が後を継ぎ宮司となっている。
    ヒロインより6歳年上の叔父を兄のように慕っている。
    13歳の時に斎王に選ばれ、不承不承で任に就く。
    それから3年、1度だけ会った事のある父と顔も知らない異母姉が流行病で死に、ようやく斎王の任が解け熊野へ帰れると喜んだのも束の間、今度は政略結婚で東宮の元へ入内する話が持ち上がる。

    ・ヒーロー 21歳
    ヒロインの投げた墨が偶然にも額に当たり怪我を負った不幸な武官青年。
    凛々しさと爽やかな雰囲気を兼ね揃えた美青年。


    <感想>
    斎王から一転、今度は東宮の元へ入内するという望まぬ政略に巻き込まれたヒロインは、検非違使庁から遣わされたというヒーローと共に、生まれ育った熊野に帰りたい一心で東宮呪詛事件の真相解明と入内から逃れる術を探して奔走します。

    墨を投げたり、感情の起伏が激しいヒロインが最初は苦手だったのですが、読み進めていく内に良く言えば自分の感情に素直な、ちょっと悪く言えば野生児のようだと思うようになり、慣れてきました(笑)。
    対するヒーローは、いきなり墨が屋内から飛んできて額に当たったというのに、怒りを見せない温厚さが最初から好印象でした。
    1巻のラストで、ヒーローの正体が早々に読者に明かされます。
    ヒロインとヒーローは出会いの時点でお互いに一目惚れだったのだと思います。
    平安物というとやはりお約束で帝や東宮を呪詛する事件が起きたり、帝や東宮自らが下級武士に扮して事件の解明に乗り出したりしますが、今作も例に漏れず東宮自身が動いています。
    同じく王道の『ジャパネスク』をどうしても思い出してしまいます…。(^_^;)
    しかし、古事記になぞらえての色々な謎解きは新鮮で楽しかったです。
    9歳の子が「消される前に消した」と何でもないように口にする宮中事情は、改めて恐ろしい場所だと思いました。
    また、その中で育ってきたヒーローが時折見せる虚ろさも印象的です。
    ヒロインより6歳だけ年上の叔父の存在も、ヒロインとヒーローの関係にどう影響してくるのか今後の展開も気になります。

    ヒロインはまだまだヒーローの正体に気付いていないので、2巻ではヒーローの挙動不審さも楽しみにして読みたいと思います。
    本編中には直接記されてはいませんが、良く考えたらヒロインとヒーローは従兄妹の関係になるのですね。

  • 血筋だけなら皇族の塔子は、熊野育ちの元気いっぱいの少女。
    しかし会ったこともない父の命で無理矢理伊勢の斎王に就任させられ、なりゆきで神に仕える日々を送っていたーーのだが、父が呪詛事件を起こしたことが発覚。
    となれば熊野に帰れる…はずが、事態は急転。政敵であり、男色の噂もある東宮への入内が決定して!?

    タイトルの斎王部分が開始数ページで任を解かれているので、若干タイトル詐欺っぽい気がする。
    まぁ元斎王として、って事なんだろうけど。
    ストーリー的には割と王道の感じ。破天荒な姫である塔子が、偶然であった青年武官と絆を深めつつ、父の事件の真相を探る感じ。
    ただこの相手役である暁が結局は婚約相手である東宮でしたーという、実に分かりやすい展開でした。まさに王道。
    個人的には平安でヒロインを曲がりなりにも皇族の姫にするなら、もう少しそれらしいキャラにしてほしかったなぁと思ったり。
    事件もあっさり先が読めてしまうので、ミステリーとしても物足りない。
    せめて塔子と暁の恋愛がもう少し盛り上がれば良かったんだけどなぁ。

  • 凪かすみさんのイラストだったので購入。積ん読状態でしたが、一度読み始めるとめちゃくちゃおもしろくて。気づけば暁の恋を応援し隊に入隊してましたwww

  • 平安時代のお話です。
    歴史もまじえつつ。
    糖度低いという感想をどこかで読んだので敬遠していたのですが、好きな時代設定とちょうど、安くなっていたので買いました。
    思った以上に好みの作品でした。
    そんなに糖度も低くないような。

  • ヒロインは古代史オタク。
    古事記をかな文に直しながら、離れてしまった熊野の叔父との再会を一途に夢見る前向きで元気な姫です。
    自分が東宮だと言い出せなくなってしまった彼との掛け合いが、焦れったくて好み。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-3807.html

  • 小田菜摘さんの新シリーズ。結構好きな平安時代だったんで買ってみました。

    暁の正体は文章上は明らかにはなりませんでしたけど、貴哉との会話から、東宮その人ですね。塔子は今は貴哉の方に気持ちがあるようですけど、東宮=暁って分かったあとはどうかなぁ。

    次は尚侍の話でしょうけど、宮中での1年で塔子の気持ちにどう変化が出るのか、楽しみにしてます。

  • 平安もので、しかも主人公が熊野出身、という設定がおいしそうだったので購入。なかなか楽しかった。なんとなくジャパネスクを思い出してしまうところはあるけど。

    ところで、タイトルの「陰謀なりけり」の「けり」って必要なのかな~。確か詠嘆をあらわすうんたら、ってやつだよね。意味をぼかす言葉だから、なんだか合わない気がどうしてもしてしまうんだけど。
    あと、後書きで、校正が今までにないくらい入りました、とあったけど、そのわりに誤字が多かったように思いますよー。

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著者プロフィール

埼玉県出身、佐賀県在住。「平安あや解き草紙」「なりゆき斎王の入内」シリーズをはじめ、数々の人気シリーズを執筆。その他の作品に『西陣あんてぃく着物取引帖』『お師匠さまは、天神様』『後宮の薬師』『掌侍・大江コウ子の宮中事件簿』などがある。

「2023年 『華は天命を診る 莉国後宮女医伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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