作品紹介・あらすじ
待ってろドラゴン、ステーキにしてやる!
九井諒子、初の長編連載。待望の単行本化!
ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、
金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。
再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。
そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう! 」
スライム、バジリスク、ミミック、そしてドラゴン!!
襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、
ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!!
感想・レビュー・書評
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評価★1
いつかモンスターを食してやろうと、こっそり研究していた、主人公のマニアックさ(狂気すら感じる)が徐々に発揮されてきて、どんどん面白くなりそうな予感がしました。
強くなるには健康(食生活、生活リズム、適切な運動)が大事というドワーフの言葉と、
この言葉が心に刺さりました。
「飯を食わねば 強くなれない
強くなければ 飯は食えない」
強くなるのに近道はないのだ!
ファンタジー×料理漫画です。
迷宮内のモンスターを料理し実際に食べてみたらどうなるか、というのが主なテーマです。作中に出てくる料理はどれも美味しそうで、実際にRPGの世界で生活するならこんな感じなのかな、と思えるような作品です。
少し変わったファンタジー漫画を読みたい方にはおすすめの作品です。
ロールプレイングゲームのような設定の中で、怪物達を材料に料理をする。という、意外と難しく、微妙な設定なのだが、すこぶる面白い。
筆者が、ゲーム、ファンタジーの世界と料理の世界どちらもとんでもなく好きだからなんだろう。
エルフの女性が、筆者の分身で、それ以外の登場人物がある意味変人だらけで、キャラが立っている。
…実はセンシに認めてもらえてないライオスに涙。
ついにグルメ漫画はファンタジー世界のダンジョン探索にまで波及。地下迷宮では何が美味しいのか。それ以前に何が食べれるのかを面白おかしく描いています。
というか、正しく言うとこれはグルメ漫画ではないのですよね(当然だ)。スポットは食に当たっていますが、もっと広く地下迷宮という異質な空間内での冒険者の生活を考察・描写している漫画です。
個人的には罠を使って料理、っていうのが実にダンジョンらしくていいなぁと。…罠なめんな、って感じではありますがw
あと、確かに動く鎧の生態は驚きでしたが、それよりびっくり&納得したのはバジリスクが実は○○、って話。これは誤解してたわー。てっきり○○だとばかり…(そもそも空想上の生物です)。
というわけで、そういうファンタジー(非実在)の生物や設定をあーでもないこーでもないと妄想しているのがホントに楽しい。
それからマルシルやチルチャックの巻き込まれっぷりもw
ところでセンシさん。微妙に炭水化物が足りない気がするのですが…?(小麦粉は迷宮外から持参だろうし)
確かにRPGって本当はこういうことがあるんだよなーと思う。
多くの冒険者が挑んで全滅したら死体は転がっているだろうし、ダンジョンの中でもご飯は食べないといけないし、お金も必要だし。
ファンタジーの中にあるリアリティが面白い。
登録してなかった?
人と人、種族の文化や生活が尊ばれている
その上で理解しがたさもそのままに
大好き!
女が、一存在として描かれている。
読んでいてしんどくならない、本当に珍しくてありがたい作品
地下迷宮の奥でドラゴンに妹を飲み込まれ、脱出魔法でなんとかかんとか外に出られた一向。敗因は直前にパーティが空腹だったこと。
妹を助けるためにダンジョンに戻る、だが金は無い、そこで出た案は「ダンジョンのモンスターを食べてみる」…
この人の漫画はSF・ファンタジーの世界に「ありそうでなかった」テイストを加えて、今まで他の漫画で描かれなかったようななんか妙にリアルな人間味とかが見えていて気にいるとクセになる
動く鎧の考察が興味深かった
こら凄い。発想が凄い。よお、こんな事を、漫画にしようと思い立ったものだ。いや、思い立つ事は、ファンタジーRPG好きな人なら、思い立つだろうけど、実際に漫画にしよう、と行動に移す、その事実が素晴らしい。いやもう、発想の妙、着眼の妙、実行の妙、ですね。「こんな漫画、あったら面白いよね~」で終わらせず、実際に漫画化する、というその行動力に感動です。めちゃんこニッチな場所を狙って、見事に成功させた実例ではないでしょうか?いや、お見事です。
作者の九井諒子さん、年齢はおいくつかは存じ上げないのですが、おそらく、ファミコン、スーパーファミコン、初代プレステ、その辺りの家庭用ゲームをモロに楽しんだ世代ではないでしょうか?1975年~1985年辺りの生まれのかたなのでは?家庭用ゲーム機で、ファンタジーRPGを、どハマりされた方っぽいイメージです。
初代ドラクエ、初代FF、女神転生、ウィザードリイ、ウルティマ、ダンジョンマスター、天外魔境ジライア、シャイニング&ザダクネス、このあたりから、もうプレイされ倒してたんではないかなあ?で、
こうしたファンタジーRPGをトコトン楽しみつつ、「でも、これらのゲームの主人公たちって、冒険中の食事、どうしてるんだろうなあ?」って、素朴に疑問抱きつつ妄想しつつ、で、遂に宿願叶って、こんな漫画描いちゃいました!って流れではないだろうか。いやもう、勝手に自分の想像だけで書いてますが。
ファンタジーRPGで、敵であるモンスターを食べる、って発想が、ゲームとして存在するものって、ダンジョンマスターのインパクトが、個人的には凄く大きいですね。あれはもう、名作中の名作だと思うのですが、良いゲームだったよなあ、、、
で、この作品のモンスターの調理、現実社会では一切、役に立たないですよね。でも、ファンタジーRPG好きとしては、「あのモンスターは、こう食うことができるのか!?」というマニアックなツッコミ、楽しみ方が、こうも出来る作品はそうないぜ、って感じですね。「動く鎧」の正体が、魔法で動かされているんではなく、なんだか変な軟体動物の住居的な物体だった、なんて、マジでメカラウロコの発想ですよ。マンドレイク(マンドラゴラ)を引き抜いたら悲鳴で死ぬ、とかも、ああ定番、って感じで、ホッとしますよね。
主人公たち、モンスターに襲われたり迷宮のトラップに引っかかって死んでも、他の冒険者に回収されて教会?的な所で生き返らせてもらえる、とか、もうロープレあるあるで、そこを逆手にとってコメディー安心感たっぷりにしているところとか、ホンマ素敵。ファンタジーですね。こんなに安心してどっぷり世界観に浸らせてくれるの、良いですやん。ある意味予定調和。それでオッケーな作品です。ヒリヒリするところはなにもない、って感じで。
なんか、変な感想ですけれども、こんな漫画が出現するほどに、日本のファンタジーRPG文化は成熟したんだなあ、と思うと、微笑ましいです。初期の、ファミコン時代のウィザードリイとかの、今から思うとショボいショボ過ぎるグラフィックの世界にどっぶり浸かって、ゲームにそれこそ人生賭けるくらいにハマり倒して、その世界に憧れまくった想像力と創造力と妄想力が、ああ、ここまで至ったんだなあ。人間の食に対する欲望と欲求と追求力って、こんなに凄いんだなあ。だってホンマ、このマンガに登場する調理知識って、この現実の世界では、完全に全く役に立たないやないですか。でも、これほどに面白く人の心をドキドキさせる漫画は、成立するのだ。いやもう、凄いですねえ。
ダンジョンのモンスターを食料にという発想が面白かった。モンスターを食べることに抵抗がありながらも、空腹ゆえに食べてるマルシルがかわいい!美味しい時の素直な表情もまたいいです。
九井諒子さんの世界が溢れた漫画でした…!
著者プロフィール
pixivやコミティアで活動し、2011年、短編集『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』でデビュー。13年『ひきだしにテラリウム』で、第17回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」を受賞。14年より「ハルタ」にて連載開始した『ダンジョン飯』は、「2015年度コミックナタリー大賞」「このマンガがすごい!2016」オトコ編、「THE BEST MANGA 2016 このマンガを読め!」「全国書店員が選んだマンガランキング2016」と数々の賞で1位を獲得した。
九井諒子の作品