サウダージ (ビームコミックス)

著者 :
制作 : (原作)カリブsong 
  • KADOKAWA/エンターブレイン
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本棚登録 : 48
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047302396

感想・レビュー・書評

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  •  カリブsong原作、田辺剛・画の『サウダージ』(ビームコミックス)を、kindle電子書籍で購入。

     原作の「カリブsong」とは、狩撫麻礼の別ペンネーム。
     「ひじかた憂峰」「椿屋の源」「土屋ガロン」など、多くのペンネームを使い分けている狩撫(※)が、また新たな名前を作ったようだ。彼なりの美学に沿ってやっていることなのだろうが、我々読者にとってはめんどくさい話である。

    ※1990年代のある時期から、「狩撫麻礼」はペンネームに用いず封印している。

     この『サウダージ』は、月刊『コミックビーム』掲載の短編を集めたもの。収録作6編中3編がオリジナル・ストーリーで、残り3編は古典的名作の翻案だ。
     翻案作品は、カフカの「断食芸人」、陶淵明の「桃花源記」、小泉八雲の『怪談』の一編「お貞のはなし」。うしろの2編は舞台を英国(たぶん)に移している。

     オリジナルの3編もそれぞれ古典のような風格を漂わせており、翻案3編と見事に拮抗している。
     狩撫麻礼の原作もよいのだが、それ以上に田辺剛の絵が素晴らしい! 精緻に描き込まれた写実的な絵は、マンガというよりアートの域に達している。1ページ1ページ、1コマ1コマが、それぞれ文学作品の挿絵や装画に使えそうなクオリティなのだ。

     「こんなに手間ヒマをかけて描いていたら、コミック誌の原稿料じゃ割に合わないだろうな」と、身もフタもないことを考えてしまった。それほどスゴイ絵。黒と白、光と影の鮮やかなコントラストが見事だ。

     田辺剛(田邊剛名義の作品も多い)にはオリジナル・ストーリーの作品もあるようだが、名作文学のマンガ化だけに絞っても食っていけそうな人だ。

  • サヨナラ、また会いましょう 八雲より
    断食芸人 カフカより
    占い師ワーリカ
    首吊り台
    コンペティション
    ビヨンド・ランド 陶淵明より

  • 絵が細かくて怪しい話によく合っていた。
    有名な作家さんの短編と、オリジナル作品の両方とも内容も面白かった。

    深く考えてはいけない結末が多い中で、2作目の断食芸人のオチには驚かされた。
    カフカはあんまり興味が無かったが、原作も読んでみたくなった。

  • 私は好きです

  • 小泉八雲の怪談、カフカの断食芸人、陶淵明の桃花源記を題材にとった三編を含む連作短編集。サヨナラまたいつかは条件付きハッピーエンドなほかは、苦い後味を残す。自分にあった食べ物が見つからなかったから、断食芸人になった、というつぶやき。バイキングに襲われた北欧の何処かに舞台を移した桃花源記。原作にもあたってみたくなる。

  • 短編集。名作文学(の漫画化)と拮抗するかのようなオリジナルの作品が織り交ぜられた面白い試み。
    濃い。

  • 帯表
    失われた“物語”を求めて。
    死を超越する恋、断食芸人、猥雑な最底辺の女・・・
    (重量級タッグが描く、“一線”を超えた者達の肖像。珠玉短篇集)
    帯背
    “一線”を超えた者たちの物語。

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