シンデレラ伯爵家の靴箱館 彼方の乙女は愛おしき (ビーズログ文庫)
- KADOKAWA/エンターブレイン (2016年1月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047308473
作品紹介・あらすじ
アランの父・ディセント伯爵のアルヴァと対面したエデル。だがそれからというもの、彼女を社交界デビューさせようとする(少し不思議なレッスン付)など、アランの焦りを感じるように! きっと結婚が認められなかったのだ……。結婚とは何か悩み始めたエデルは、ひとり故郷に帰ることにするが、そこで母を生き返らせようとするレイに驚きの提案を持ちかけられ――!?
感想・レビュー・書評
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いよいよ、シンデレラの靴の登場!
『ヴァイオレット・ファーの死から始まった魔術師の靴のお話』はこの巻で決着。
様々な心の歪みにつけ込む魔法の靴。エデルの心の強さが求められる巻です。
巻末に”セスくん日記”1ページあり。『あかん』吹いた。
次で最終巻だそうです。わくわく。
http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-5066.html -
【ネタばれ感想注意】
シリーズ6冊目。
いよいよ今巻で、エデルの父である魔術師レイとの決着が付きます。
今回の童話のテーマは、物語の主軸ともなっている『シンデレラ』でした。
そして、毎回楽しみなアランの名(迷)言は、「猿のように知能が高い」「社交界に出れば、お前は雄のクジャク」でした(笑)。
エデルがガラスドームで働き始めて、1年が経とうとしていました。
「第2のシンデレラ」としてヴァイオレットの復活を望む魔術師レイは、全ての始まりである「シンデレラの硝子の靴」をアランと引き替えにエデルに要求します。
エデルはアランの父アルヴァから魔術の使い方を教わり、実の父親でもあるレイを止める事を決意します。
…エデルの母ヴァイオレットの過去は謎に包まれていましたが、もしかしたらエデルの父親とは密かに2人だけの結婚式を挙げたのかもしれないと乙女チックな妄想もしていましたが、見事に未婚の母だったのですね。
エデルとレイの会話で、「ヴァイオレットは先に大人になった」と言っていますが、お腹の中に新しい命が宿った事を知って、また産まれてくる子供を守る為に大人にならざるを得なかったのですよね。
でも、自分の女優生命だけを考えたら産まないという選択肢もあったと思うので、それだけヴァイオレットはレイの事を愛していたのだと思うと彼女の愛情に泣けてきます。
あと、一筋縄ではいかない両親を持ったアランが、こんなに真っ直ぐで素直な性格に育ったのは奇跡だと思いました(笑)。
アランと2人で力を合わせ、シンデレラの硝子の靴の封印の力でレイの魔力を永遠に封じる事に成功します。
魔術師の力を失ったレイはエデルの前に2度と姿を見せない事を決め、行き先も未定のままエデルの前から去って行きます。
この時、エデルがレイの新たな旅立ちの為に、靴を綺麗に修繕してから送り出したのは素敵なエピソードだと思いました。
次巻で最終巻という事で、ディセント家でエデルがどのような形で迎え入れられるのか、結末を楽しみにしたいと思います。 -
エデルとアランの共闘に胸熱…
このシリーズ、エデルもアランも相当なお人好しなのに綺麗事の結末にはならないところが好きです。