近しい相手ほど許せないのはなぜか 角川SSC新書

著者 :
  • 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047315877

作品紹介・あらすじ

感情を傷つけた相手や横柄な対応をする人を許せず怒りを露にする人が増え、職場や学校だけでなく交通機関の場まで、あらゆる生活シーンがギスギスしている。なぜ、大したことでもないのに、相手の言動や態度が許せないのか。欧米流の「裁く文化」に対して、日本は「許す文化」の国だと言われているが、どうすれば自分の意にならないことを許せるのか。今こそ求められる、人間関係を良くする対処法としての「許す技術」を説き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の場合許せない相手と言うのは案外少なく、そのようなタイプの人はなるべく距離を置くなど関わらないようにするのでこの本に書かれている内容はあまり自分には役に立たないかも。
    内容は脳科学とか神経系とかその辺まで突っ込んで欲しいなという希望がある。
    ちょっと物足りなかったかな。

  • 人生は修行。

  • 心の中に溜まり続けていた許せないという感情が私を苦しめていることを感じていたので、ちょうど良いタイトルだと思い読んでみたら、とても参考になりました。
    何か怒りの感情が湧いたとき、相手の立場に立ってみること、自分は自分、相手は相手という考えがあるということ、一度冷静になる自分が必要だと感じたし、近しい相手にこそ愛を持って許したいと思えました。
    父性本能と母性本能についての深掘りした内容とその宗教的な歴史も面白く拝見させて貰えました。
    ただ、アンケート結果から許せない人が多いのは女性だと考えるのはやや安易だったり、歴史の深掘りが多すぎて、本当に許せない相手に対しての感情を読んで解決できるとは言い切れない気がしました。
    日々のちょっとした許せないという感情には、この本は参考になる気がします。

  • 現代の日本における、忘れ去られがちな[許す文化]。宗教や歴史を交えながら日本に根付いた許す文化、許されることで生じる罪悪感、すみません、の文化。父性本能、母性本能、どれも分かりやすく書いてあった。自分を客観視するのに有効な一冊だった。読み返したらまた印象が違った。

  • 西洋の裁く文化に対して、日本の許す文化。
    そこを取り巻く諸問題という感じの展開かな。
    こんな問題があって、こういうことが原因で、こういう下地があって、行為考え方と行動で変化することができる。

    河合隼雄さんの本を読んでる気分だった。

    ただ、何で近しい相手ほど許せないんだっけ?甘えだったかな。

  • 許す心は大事ですが、それ以上に世の中に作中で書かれている「自己愛」が強過ぎる幼稚で神経質な人が多過ぎる気がするので、個人だけでやるにも限界がある気はしないでもないです。
    ですが、作中で書かれていた浄土真宗が元になった「内観法」という心理療法は初めて聞いたので、その点は勉強させていただきました。
    許せない事を書き出して、気持ちと頭の中を整理して、かつ溜め込んだ感情を吐き出す「カタルシス効果」があることが書かれています。
    結果として気持ちを吐き出したした人は、直後はストレスを感じても、時が経つとトータルとしてはしてない人よりストレスが緩和しているという事がかかれています。
    ただ、認知療法はストレスだけでなく、トラウマとも向き合わないといけないため、吐き出している最中は辛いと感じる。
    「内観法」は書き出すことでも、ストレスのもとになっている人のイイ所やお世話になった事を書き出す事で、許せる気持ちを促すといったものでした。
    個人的にはこちらの方がまだ心穏やかに出来る方法だと思い、良い事を知れたと思います。

  • 文字通り、近い人を許すための説いた指南書。

    日本人特有の「許す」感情を大事にしましょう、というのはよくわかるのだけど、実際に身近に許せない人がいる環境では若干弱いと感じた。

  • 許すは日本人の得意な文化なんですね。
    己のためにも、ぜひね。

  • 許された時の「罪悪感」といわゆる罪悪感(guilty?)をそもそも同じ語で言い表していいものか?相手が罪悪感を抱くことでうまく機能する「許し」は本当のところは「借り」だろう。彼の言う「許し」を介して良好な人間関係が構築されるということは否定できないが、それは彼の言うところの母親的な許しではなく、もっと異なる言葉(仁義とか?詳しくないのでわからないが)で言い表されるものではないのか?

  • 自信のない人は、人から軽く見られているのではないか、馬韓いされているのではないかといった見下され不安を抱えている。
    人は軽蔑されたと感じた時もっともよく怒る。だから自信のあるものはあまり怒らない。
    日本文化のもとでは、何かトラブルが生じたときに、どちらに非があるかを明確にしようと争うよりも、場の雰囲気を良好に保つことを重視するから。

    怒りや恨みの気持ちを持ち続けることはストレスを受けるから、許すことでココロの健康を手に入れる。

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著者プロフィール

榎本 博明(えのもと・ひろあき):1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、 カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書に『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「対人不安」って何だろう?』『「さみしさ」の力』(ちくまプリマ―新書)など。

「2023年 『勉強ができる子は何が違うのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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