バカをつらぬくのだ! バカボンのパパと読む老子・実践編 (角川新書)

  • KADOKAWA (2014年11月10日発売)
3.67
  • (6)
  • (9)
  • (10)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 88
感想 : 11
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784047316768

作品紹介・あらすじ

バカボンのパパによる老子の超訳を試みた『バカボンのパパと読む「老子」』。今回はその実践編。老子を学び、その知恵を日々の暮らしに取り入れる。今を生き抜くためのヒントをやさしく、そして強く語りかける書。

みんなの感想まとめ

老子の教えを日常生活に活かすための実践的なガイドが魅力的です。著者は、難解な老子の思想をわかりやすく解釈し、私たちが日々の暮らしの中で無為自然を意識する手助けをしています。物質社会に生きる中で、心の奥...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • わたしにとってドリアン助川さんは、パフォーマーというより「人生相談の人」。新聞や雑誌で目にするその文章にはいつも、不思議な説得力を感じてきた。これは「バカボンのパパと読む『老子』」に続くものらしい。そっちも要チェックだ。

    本書では、「老子」の文章を引きつつも、著者がそれを咀嚼して自分の言葉で身近な例を挙げながら語る内容となっている。最初のあたりは、特に新味があるわけではないなあなどと思っていたが、だんだんひきこまれて、フンフンなるほどと、一気に読んでしまった。まったく威嚇的でないやわらかい語り口の中に、確かな芯があると思う。

    「老子」は確かに「論語」とは比較にならないくらい面白い。そして、難しい。すごく哲学的なのだ。本文に「中国大陸のインテリ家庭は、人目につく応接間には『論語』を置き、寝室の枕元には『老子』を隠しておくとよく言われます」とあるが、いやいや、これは実によくわかる。ままにならないこの世を落ち着いた心で生きていく叡智がここにあるのではないかと思わせるものが、「老子」にはある。

    引用されている「老子」の文章のすべてがわかったとは言えないけれど、「老子」に書かれていることや、他の人の言葉として紹介されているもの、ドリアン助川さんの言など、随所にうんうんと納得したり、むむむと考えさせられたりするものがあった。

    「世界はあなたの散歩道であり、最初からあなたのものなのです。わざわざ三十年ローンを組まなくても、この星は始めからあなたに与えられています」

    「There is no way to peace, peace is the way. (平和に至る道というものはない。平和とは道そのもの、やり方のことなのだ)」

    「まっすぐな人はぶれぶれなのだ。 … だって、ぶれない人なんて思考を放棄しているに違いないのですから」

    今回もっとも心に響いたのは、仏陀(著者は人間としての姿に共感して「ゴータマさん」と呼んでいる)の言葉。ゴータマさんたち原始仏教集団は、人々の施してくれるものを日々食べる。施されたものは何でも、すべて食べる。彼らをよく思わない人が入れた牛糞だって食べたそうだ。そのゴータマさんがただ一つ受け取らなかったものがあり、それは自分たちを罵倒する言葉だった。「私たちはなんでも受け取りますけれども、その言葉は結構です。どうぞお持ち帰りください」と言い返して。

    「老子のおじさんも同じことを言っているのです。私たちの肉体は何でもかんでも受け取りたがる。だから屈辱的な言葉もそのまま自分のものにしてしまう。しかも後生大事にそれをいつまでも抱え … 苦しんでいる。やめなさい、もう今日限りそれを相手に返してしまいなさい、心から消してしまいなさいと言っているのですね」

    ドリアン助川さんは、ゴータマさんの台詞は、言葉で傷つけられ、今も苦しんでいるというみなさんにとって参考になるかと思うと書いていた。これはなかなか難しいかもしれないが、じんわり効いてきそうだなあと思った。

  • 無為自然、持たざる…頭ではわかるような気がするが、今の物質社会では実践はなかなか厳しいのではと感じた。
    反面、週末に大自然の中でキャンプをしたくなったり、疲れた日は何もしないで過ごしたりと、人間の心の奥底では、老子のいうTAOを無意識に欲しているのではないかとも思う。
    中国のインテリは応接間に論語、枕元に老子、という一文は妙に頷ける。

    隣人全員、老子の思想なら成立するのかも、と考えてみたが、そもそもその考え方こそが対立概念の始まりか…何もしない立場をとる姿勢は、最近よく聞く「ダイバーシティ」を理解する入り口としても老子はアリではなかろうかと、ちょっと思った。

    昨今、モノが一通りいきわたって豊かになり、コトにお金を使うようになり、皆が目に見えないものに価値を感じ始めた今、老子がすっと腑に落ちる人が増えるタイミングなのかもしれない。

  • 著者もいろいろ苦労してるんだなあと、内容とは違う所で深く感銘を受けてしまった。
    内容自体は、薄い自己啓発本への転落をギリギリのところで踏みとどまっている感があって、好印象。

  • 前作の「バカボンのパパと読む「老子」」をさらに日常の中で活かせるように噛み砕いた内容です。

    老子の「道(タオ)」には不思議な魅力がありますが、原文をしっかりと理解しようとすると難解です。

    その点、この本の著者のドリアン助川さんの老子の解釈は非常にわかりやすくて腑に落ちます。

    無為自然である道(タオ)に近づけるような日々を送りたいものです。

  • 経済的に成功し、ガツガツしている人からは負け惜しみにも映るかもしれない。
    けど、こういう生き方をしたいよね。

  • 著者の経験談を老子に照らし合わせてみたという内容です。具体的で実感しやすいです。
    緊張の連続で疲れ気味の人には良く効く薬となるでしょう。老子の教えは体質的には受け身型向けだと思います。そういう人ほど現代に生きにくさを感じているはずです。読めば少しは力が抜けて楽になります、私の場合はですけど。そして力が抜けたあかつきには、見えてくること感じることが増えてくるように思います。バカボンのパパのように、これでいいのだと思えます。

  • 無為自然。どこまで実践できるかはわからないが今後の生き方について考えるきっかけになった。

  • バカになれることは素敵なことである!!

全8件中 1 - 8件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

作家、詩人、歌手。明治学院大学国際学部教授。
1962年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学科卒。
1990年にロックと詩の朗読を融合させたバンド「叫ぶ詩人の会」を結成しデビュー。95年からは若者の悩み・苦しみに向き合う深夜ラジオ番組のパーソナリティーを務めた。
1998年長野パラリンピックの大会歌『旅立ちの時』を作詞。
1999年にバンド活動を休止、3年間ニューヨークに滞在、当地で同時多発テロを目の当たりにする。
帰国後、本格的に作家活動に入り、映画化もされた『あん』など、数多くの作品を世に送り出してきた。
「叫ぶ詩人の会」以降も、作家活動と並行して複数のグループで朗読や歌による表現活動を続けている。

近著として『線量計と奥の細道』(幻戯書房、集英社文庫)、『新宿の猫』(ポプラ社)、『水辺のブッダ』(小学館)、『寂しさから290円儲ける方法』(産業編集センター)、『動物哲学物語 確かなリスの不確かさ』(集英社インターナショナル)、『太陽を掘り起こせ』(ポプラ社)など。サン=テグジュペリ『星の王子さま』(皓星社)はフランス語原作から全訳した。

「2025年 『幸運であるトムとセセリチョウの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ドリアン助川の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×