- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047317123
作品紹介・あらすじ
ナチスの心は本当に病んでいたのか? ニュルンベルク裁判に先立ちゲーリングなど最高幹部を診断した米軍医が見た「悪の正体」とは? 戦後70年間埋もれていた記録を発掘した迫真のノンフィクション! 映画化決定
感想・レビュー・書評
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週刊ポスト2015.5.22号 岩瀬達哉評
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歴史
心理 -
後半でケリーの思考を察した。
マジックを使った療法は興味深い。 -
ナチスの心は本当に病んでいたのか?ニュルンベルク裁判に先立ちゲーリングなど最高幹部を診断した米軍医が見た「悪の正体」とは?戦後70年間埋もれていた記録を発掘した迫真のノンフィクション。
ナチスのほとんどは精神異常者ではないというのが本書の結論です。答えが見えてるのになかなか終わらなくて長かった。しかしここまで緻密に当時の現場やケリーの思考過程を再現した著者の気力や息子ダグの協力には頭が下がる。私たちは再びこうした人種を理由にした虐殺が起こる可能性を直視しなくてはならない。過去の出来事だと風化させることなく。誤字脱字がやや目立つのがもったいない。せっかくの名著だから編集部はしっかりしてほしい。 -
面白かったんだけど、誤字脱字が多いです。翻訳って難しいんだな…
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ヒトラーの後継者の一人だったゲーリングと、ニュルンベルク裁判前にナチ高官の精神鑑定にあたった精神科医ケリー。2人のかかわり合いと、その後のケリーの半生。
戦争犯罪は何に起因するのか。指導者の特質によるのか。そこに特異な何かがあるのか。それがあれば、私たちは責任から逃れられるのかもしれないけれど、どうやらそこにはやや過剰な欲があるだけのようだ。誰でも何処でも、道を誤らないとは言い切れない。 -
終戦70周年の今年は首相談話や社会主義隣国の戦勝記念軍事パレードと盛り沢山だが、本書では70年前のニュルンベルク裁判を迎えるナチ幹部の精神面のケアをした米精神科医を描いている。
当時は特定人種絶滅という人類史上稀有な組織的「犯罪」が明らかになり、当事者の精神構造というか、精神的異常のあるなし(「自分たちと同じ人間なのか?」)に非常に興味が持たれたのだろう。
この精神科医はその後犯罪(心理?)学者となり、犯罪捜査にも活躍し、かなりの知名度もあったそうだが、夫婦喧嘩の末に衝動的に青酸カリを服用し、46歳でこの世を去った。
生来の性格に因るのか、犯罪学者という職業に付随する精神的負担に因るのか、ナチ幹部と過ごした経験の影響なのか。
奇しくもニュルンベルク裁判の被告の内、最も親密であったゲーリンク国家元帥と同じ死に方であった。 -
ナチスのこともニュルンベルク裁判のことも不勉強で、ヘルマン・ゲーリングの名前さえ知らなかったくらいだ。
でも、知らないことは罪なことだと思う。系統的に勉強しないので、なかなか知識が定着しない。
それでも、遠い昔の、遠い地で起こったことという認識ではなく、今現在に引きつけて考えていきたい。
"公職に就いている者はしばしば権力に操られ、権力を渇望し、有権者は無知でだまされやすい、と彼は考えていた。知性が発達した人々による監視がなければ、いつファシズムが生まれてもおかしくない。権力はつねに邪悪だ。" 250ページ
ナチスの高官と、精神科医を描くノンフィクションなので、感想がちょっとずれているような。
同じ人たちを分析しても、全く違う結果が出るところあたり、精神分析の限界をまざまざと見た感じがするが、21世紀になり、もっと進んでいるのだろうか。
精神科医ケリーの最期が悲しい。 -
ニュルンベルグでのナチスの裁判に伴う精神分析を巡って,する方とされる方がどちらも大物であり興味深い人物達で,色んな角度から興味深い本である.
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ヘルマン・ゲーリング,ルドルフ・ヘスなどニュルンベルグ裁判で有罪となった元ナチスの高官の精神分析を行ったダグラス・ケリーとグスタフ・ギルバート.二人の説は全く異なっていた.本書ではケリーの息子の証言を借りて彼のその後の人生と精神分析に用いられたロールシャッハテストの後世におけるさまざまな解釈が綴られている.面白い.