- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047343528
作品紹介・あらすじ
高校最後の一年と四郎を残し、未来は去った。広美と結ばれた四郎は、彼女との将来のため料理を勉強し、広島に留まろうと考え始める。気が置けない友人達や相変わらずの和田、ぎこちなさはありつつも、優しいままの三好。未来だけがいない穏やかな日々を過ごし卒業を迎えた四郎は、独り立ちを前に父からの誘いで一時東京へ戻ることに。これからのことを母や姉達にも伝え、自分の未来へ歩き出した彼に、思いがけない再会の時が訪れる――。待望の、最終幕。
感想・レビュー・書評
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読み終わって一番の感想は「良かった。いろんな意味で」
ちゃんと最後まで完結して良かった。
前向きなラストで良かった。
ちゃんと大団円で良かった。
こんな、なんともじんわりした余韻を味わえるとは、ほんとうによかった。
未来が去った一年間。
物語的には大きな出来事があるわけでなく、四郎が広美さんとの中を深めていく過程が描かれている。
うん、それはそれで濡れ濡れなんだけどね!(爆)
そんな日常のなかで四郎の中の未来への想いやわだかまりは薄れてすこしづつ意味を変えていく。
やがて、四郎も過去から未来へと進もうと真剣に考えるようになる。
そのための時間と別れが必要だったのだなあ。
ー2年目春夏ーの頃だっただろうか。
この物語の行き着く先があまりに暗く予想されて、もっともは幸せな展開は、四郎がすこしづつ三好さんを好きになって、未来のことを諦められるようになることだろうと思ったことがある。
でもやっぱり、控え目な三好さんにその役は荷が重すぎた。
最終巻でようやく分かる。
その役目は、実は広美さんだったのだな。
さすがは大人の女性。
四郎の全部を抱きしめて、歩き出す勇気を与えることが出来るとは。
いや、いいねえ、広美さん。
惚れる。
そしてラスト。
未来との再会。
四郎にとってはやっぱり未来は好きな人ではあるのだろう。
ある意味それは男のサガだから。
男って、一度好きになった人は、他に好きな人が出来ても、いつまでも好きだからなあ。
それでも、相手の幸せを、たとえそれが自分とではなくても素直に願うことが出来る心境になったのなら、もう大丈夫。
お互い未来に進んでいける。
そんな前向きなラストがいい。
ちなみに、二胡とは途中でそうじゃないかと思ってたけど、親父さんもかい(笑)
そして最後の広美さんとのメールのやり取り。
そうそう、そういう時、恋人の声を聞きたくなるんだよ。
わかるわあ(笑)
最後まで、愉しく読ませてもらった。
ありがとうございます。
作者にはいつか一般文芸で物語を書いて欲しい。
ラノベ出身で文芸に行った作家なんて一杯いるんだからさ。
期待している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022/04/25-04/26
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2017年読了
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な、なるほど……こうなるかーーー。
うん、「分かりやすく期待されている結末」では明らかにないな。めっちゃ面白かった~という感じでもない。
でもなんだろうか、そうか、じゃあしょうがないな、みたいな。じゃ、今後ともよろしく、みたいな。
「この恋に未来はない」も読みたいな。